tatsuy

Software Developer ArduPilotのContributor

tatsuy

Software Developer ArduPilotのContributor

マガジン

  • ArduPilot 最新情報

    ドローンなどに利用されるオープンソースのオートパイロットシステムである "ArduPilot" に関する情報を発信します。 世界中のエンジニアが開発に参加しているため日進月歩で機能が追加されています。

最近の記事

  • 固定された記事

ドローンのソフトウェアを学びたい

はじめにドローンの制御部分を学びたい、ハードウェア×ソフトウェアの組み合わせで新たなものを作りたい、と思っている方向けの内容です。 長くなるので、結論からお伝えすると、オープンソースである ArduPilot を学ぶのがお勧めです。 この記事は以下の順番に説明します。 ・ArduPilot とは ・自ら学ぶ ・ドローンエンジニア養成塾 ・Google Summer of Code ArduPilot とはArduPilot は様々な機体を自動操縦するためのオープンソー

    • [ArduPilot] 位置制御チューニングした結果2

      はじめに「位置制御チューニングした結果」の記事の続編です。 前回の記事では、HereFlowを使用した機体で位置チューニングを行い、水平精度と垂直精度がどの程度になったのかを考察を交えて記載しました。 ただ、満足のいくチューニング結果は得られず、妥協して終わったのが心残りでした。 ただ、その中でも以下の反省点を記載していることを思い出しました。 場所を変えてチューニングならすぐに実行できるので、上記が的を射た考察なのかを含めて再チューニングを実施しました。 チューニング

      • [ArduPilot] 位置制御チューニングした結果

        はじめに前回チューニングを行ったArduPilot Mini Copterの後継機となる、ArduCopter Mini V2を入手しました。 この機体では、HereFlowが付いているため、位置制御も可能となります。 前回の機体(V1)ではできなかった、手放しホバリングの精度検証や自動飛行を行いたいと思います。 今回使用するV2の機体はこちらです。 上部にGNSSも付いていますが、屋内使用のみなので無効にしています。 ArduPilot Mini Copter(V1)

        • [ArduPilot] PIDチューニングした結果

          はじめに去年入手した、ArduPilot Mini Copterをもっと安定飛行させたかったのでチューニングを行いました。 今回使用する機体はこちらです。 屋内用の機体で、主にArduPilotの機能開発用途で使っています。GPSは付いていないため、自動飛行はできません。 今回チューニングを行うのは、ロール、ピッチ、ヨー、高度制御です。 高度制御では、気圧計より精度を出したかったので、VL53L1Xライダーを付けています。 チューニングは以下のページを参考に実施しました

        • 固定された記事

        ドローンのソフトウェアを学びたい

        マガジン

        • ArduPilot 最新情報
          18本

        記事

          QGroundControlを最新安定版にしようとして失敗した話

          Ubuntu 上で作業するときには QGroundControl を使用しています。 半年ぐらい前のバージョンをずっと使っていたのですが、ふと時間もあるし最新版にしてみようかなと思いました。 現在の最新版のバージョンは v4.1.4 で、以下のページからダウンロードできます。 起動しようとすると以下のエラーが出ました。 $ ./QGroundControl.AppImage /tmp/.mount_QGrounW7knmh/QGroundControl: /usr/l

          QGroundControlを最新安定版にしようとして失敗した話

          [ArduPilot] カスタムビルドサーバーの準備

          去年の8月にカスタムビルドサーバーを立ち上げようという案が issues に挙げられました。 ArduPilot はサポートする機能が増えてきたため、ユーザーが必要な機能のみを有するファームウェアを作成できるようにしようという取り組みです。 不要な機能を減らすことで、意図せず機能を動作させてしまうことや、設定可能なパラメータを減らすメリットがあります。 また、フラッシュメモリが少ないフライトコントローラには、ArduPilot の全ての機能は載せることはできず、いくつか

          [ArduPilot] カスタムビルドサーバーの準備

          [ArduPilot] タートルモードのサポート

          ドローンがひっくり返ったときに自動で起き上がらせることができるタートルモードがサポートされました。 Betaflight で知られている「FLIP OVER AFTER CRASH」モード(通称タートルモード)です。 2つのモーターを逆回転で動かして、起き上がらせています。 逆回転の必要があるため、DSHOT を利用する必要があります。 PR は以下です。 もうすぐで Copter-4.1 が安定版としてリリースされますが、この機能は 4.1 には含まれず、4.2 で追

          [ArduPilot] タートルモードのサポート

          [ArduPilot] シミュレータ起動時の場所指定

          ArduPilot のシミュレータ(SITL)を起動するときの場所指定には、座標指定と事前に登録された地名を指定する方法がありました。 座標指定の例 $ sim_vehicle -l 36.321909,138.596021,932,0 地名指定の例 $ sim_vehicle -L KazakoshiPark 最近は geocoder に対応し、住所指定ができるようになりました。 早速試してみます。 $ sim_vehicle -L 'karuizawa ka

          [ArduPilot] シミュレータ起動時の場所指定

          [ArduPilot] バグを埋め込んだかもしれないとゾッとした話

          去年の話ですが、ある問題を見つけて修正を行いました。 問題とは、レンジファインダーを使用して高度制御しながら、RTL(ホームへの帰還)に切り替えたときに、毎回設定した高度より50cm程度オーバーシュートすることでした。 上のグラフはSITLで再現させたときのものです。 フィルターの周波数を変更することで改善できたので、修正内容をPRしました。 PRしたのは去年(2020年)12月のことです。 そこから半年経ったある日のこと、あるユーザーがレンジファインダーを使用した

          [ArduPilot] バグを埋め込んだかもしれないとゾッとした話

          [ArduPilot] AprilTagを用いたローバーの屋内走行

          ArduPilot のブログにローバーの面白そうな記事が投稿されていました。 Pololu の Romi というシャーシにフライトコントローラー、ラズパイ、カメラを載せて ArduRover による屋内の自動走行を実現しています。 ポイントとしては、カメラにはグローバルシャッターを用いることです。さらに、ホイールエンコーダーにより速度を計測することも精度向上につながっていると思われます。 AprilTag の検出も必要なため、ある程度の処理能力のあるシングルボードが必要

          [ArduPilot] AprilTagを用いたローバーの屋内走行

          [ArduPilot] 開発版使用時のトラブル対応メモ

          私は新機能をテストしたいので、github から最新のコードを引っ張ってきて動作確認することが多々あります。 安定版と違って、開発中のコードには問題に遭遇する確率が上がります。 今回は最近あった変わった現象に遭遇した体験談をご紹介します。問題に遭遇した時に、どのような手順で解決していったのかが分かるように、実際に試した流れを記載します。 「EK3_DRAG_BCOEF_Y」という 4.1 で新しく追加されたパラメータをシミュレータ上で触っていたところ、パラメータに値を設

          [ArduPilot] 開発版使用時のトラブル対応メモ

          [ArduPilot] テストの自動化

          ArduPilot では、コード変更に伴うリグレッションを防ぐために予め用意したシナリオで自動的にテストが行われるようになっています。 PR を行うと、自動テストサーバーで実行されますが、ローカルの環境でも手動で実行することもできます。 ./Tools/autotest/autotest.py build.Copter test.Copter 以下のフォルダの autotest.py や common.py、機体の種類ごとに python でスクリプトが用意されています

          [ArduPilot] テストの自動化

          [ArduPilot] ログの各項目について

          データフラッシュログにはかなりの情報が入っているのですが、4文字制限(ATT、CTUN、BAT、RCOUなど)があるため何が何か分からないという声もよく聞きます。 ログの項目ごとの説明は以下のページに最新版の情報が載っているので是非参考にしてください。 また、ベータ版 Mission Planner でも、マウスカーソルを項目に合わせると、右下に説明が出るようになりました。 これで、毎回分からない項目を調べに行くという手間は省けそうです。 テレメトリログの項目リストは

          [ArduPilot] ログの各項目について

          [ArduPilot] フライトコントローラ選びに重要!使える機能が違う?

          ArduPilot は汎用性が高く、色々なフライトコントローラで様々な機能を利用することができます。年々機能は増えているため、ファームウェアのサイズもどんどんと大きくなっています。 CubeBlack などいろいろなフライトコントローラのベースとなっている fmuv3 のファームウェアのサイズは以下のように大きくなっています。 2018年4月: 938kB 2019年4月: 1305kB 2020年4月: 1329kB 2021年4月: 1570kB ファームウェアのサ

          [ArduPilot] フライトコントローラ選びに重要!使える機能が違う?

          [ArduPilot] 4.1.0 のリリースに向けて

          Rover-4.1.0 のベータ版のリリースが案内されました。 [追記] 4/15 に Copter-4.1.0 ベータ版もリリースされました。 上記のリンクを見ていただくと、新機能を含む変更内容の一覧を見れますが、かなり多くの変更が入っていることが分かります。 ベータ版なのでまずはシミュレータで動かしてみて、まずはシミュレータで動作確認、追加された機能の使い方などを確認しましょう。 これだけの変更が入っているので、バグも相当数見つかると思います。テストで見つかったバ

          [ArduPilot] 4.1.0 のリリースに向けて

          [ArduPilot] ウェイポイント飛行の改善

          ArduPilot の魅力の一つとして自動航行が挙げられます。 マルチコプターを使用して、ウェイポイントを設定した際に、ウェイポイントがショートカットされるという問題に直面した方は多いのではないでしょうか。 以下の画像のように、ショートカットされるコーナーと、きちんとウェイポイントを通るコーナーが混ざっています。(黄色が作成したウェイポイントの経路、紫が実際に飛行した経路を示す) https://github.com/ArduPilot/ardupilot/issues

          [ArduPilot] ウェイポイント飛行の改善