[ArduPilot] ウェイポイント飛行の改善

ArduPilot の魅力の一つとして自動航行が挙げられます。

マルチコプターを使用して、ウェイポイントを設定した際に、ウェイポイントがショートカットされるという問題に直面した方は多いのではないでしょうか。

以下の画像のように、ショートカットされるコーナーと、きちんとウェイポイントを通るコーナーが混ざっています。(黄色が作成したウェイポイントの経路、紫が実際に飛行した経路を示す)

画像1

https://github.com/ArduPilot/ardupilot/issues/6194 より引用

ショートカットをしないようにするには、ウェイポイントのパラメータにディレイを1秒追加していました。
ディレイを入れることで、ウェイポイントで一旦停止してから次のウェイポイントに移動するためショートカットは全くしなくなります。

Copter 4.1 では、ウェイポイント飛行のナビゲーションを作り直し、上記の問題を根本的に解決する修正が行われました。

この修正によって、コーナーに入る時とコーナーから抜ける時は同じカーブを描きながら飛行することが可能になります。

マスターにマージされたので、最新版のシミュレーターを使ってテストしてみてください。何も特別な変更をしなくても、改善されたナビゲーションを利用することができます。

変更ファイル数は57、3592行の追加ということで、かなりの大掛かりな修正です。バグは潜んでいるはずですので、開発者や希望者がテスターとなって問題を洗い出ししています。

ある程度問題を洗い出しできればベータ版をリリースして、もう少し広範囲のユーザーにテストをしてもらいます。

その後、問題が無ければ安定版としてリリースされるので、安定版でこのナビゲーションを利用できるのは数か月以上先になる見込みです。

アルゴリズムの詳細を知りたい方は以下の動画を見てください。

この改善はまだコプターのみですが、今後はローバーにも同様の実装が行われる予定です。

ローバーは既に Rover 4.1 がベータ版としてリリースされたので、Rover 4.1.0 は従来のナビゲーションのままです。
4.1.1 か 4.2 のタイミングで同様の改善が Rover にも適用されることを期待します!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?