地方移住して良かった点・悪かった点(家庭・仕事)
僕は2年前、家族で地方に移住しました。
以下のnoteで、移住した理由について書きました。
具体的には、
神奈川県川崎市 → 兵庫県明石市
に引っ越しました。
このnoteでは、
「実際に地方移住してどうだったか?」
という話を書きたいと思います。
地方移住にご関心がある方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです😃
結論
「地方移住して、とても良かった」
と思っています😃
これが、結論です。
家庭面で言うと、100点。
仕事面で言っても、(予想外に)80~90点ぐらいの満足度です。
家庭面のことを理由に引っ越したので、家庭面で地方移住が良いと言う結論は、自分でも想定内でした。
一方で、仕事面でも、僕は非常にメリットを感じています。
我が家では、幸いにも妻も、引っ越した先の地で、引っ越し前よりも楽しい仕事に出会うことが出来ました。
なので、とても満足しています😃
僕は、地方移住をしてみて、少し気づいたことがあります。
不動産の費用が相対的に安くなります。
となると、ローンが分かりやすいですが、稼ぐ金額が低くて済みます。
そうなると、時間的な余裕が生まれます。
その時間を使って、より人生の充実度が高まるように思うのです。
不動産が安い → 稼ぐ金額を減らせる → 時間が生まれる
→ その時間を好きに使える(家族、趣味、もっと稼ぐ等)
自分で書いてて、ちょっと短絡的過ぎる気もしますが(苦笑)
ただ、イメージとしては、こういうライフサイクルを手に入れたような感覚は持っています。
ちょっと話が逸れました。
では、地方移住のメリット、デメリットです。
以降では、具体的に書いていきます。
良かった点
▶︎家庭面
①家が広くなった(コスト比)
やはり一番はコレでしょうか。
使う費用に対して、かなり家が広くなりました。
今の家がめちゃくちゃ広い訳でもないので、川崎の時にどんだけ狭い家やってん、という話ですが・・・
家族4人の生活を考えると、必要な最低限の広さにはなったというが、大きいです。
めっっちゃストレスが減りました。
まさにコレが引っ越しの理由でしたので、この課題が解消されて、とても良かったです👍
②駅近(利便、治安)
これも費用に関連します。
これだけの駅近に、この費用で住めるというのは、大きな魅力だと思います。(以前住んでいた川崎市では、無理でした。。)
駅近は、利便性の面で、文句なくメリットです。
また、二人の娘が、近い将来通学などで電車を使うようになるかもしれません。
そのことを想定すると、人気のない道を長々歩くには、安全面から良くないと思っていました。
なので、駅から近いということは、娘達にとって、治安と言いますか、安全面からもとても良いと思っています。
③行列、渋滞が少ない
行列や渋滞が、圧倒的に減りました。
もちろん、関西圏の様々な場所、明石市市内でも渋滞はあります。
しかし、遭遇する頻度が格段に減りました。
行列も少ない。
遊びに行くこと、買い物、仕事の移動、何をとっても、「待つ」こと自体が減ったのは、ストレス軽減にもなり、時間の捻出にもなっています。
④育児環境(広々、のびのび)
住居数に対して、公園数が多くなるのが、地方の良いことだと思います。
今は、ジャングルジムに子供が20人登っていることは、見かけません。
なんなら、貸し切りになる公園があるぐらいです。
また、海水浴場もある町なので、どこに行っても、広々としています。
イメージしていた、のびのびした子育てになったなと、満足しています。
子供も楽しんでいるように思います。
⑤実家が近くなった(めっちゃ大事)
理由を書いた冒頭のnoteで、これも理由の一つと書きました。
夫婦間の価値観が一致して、「お互いに、両親と会う頻度を増やした方が良いのでは?」と考えていました。
今、兵庫に引っ越してみて、奈良の実家には2ヶ月に一回ぐらいは、子供たちを連れて帰省できています。
僕も両親に会えます。
また、妻も、同じぐらいの頻度で妻の実家に帰省しています。
両親もいつまで元気かわかりません。会えるうちに会っておきたいなと思い、こうしました。
結果、それが実現できて、とても良い判断やったなと思います。
⑥トータルでコスパ高い
住居のことや、買い物でも当てはまります。
トータルで、使うお金が少なくて済むな、というのが地方移住の大きなメリットと思います。
分かりやすい例で、駐車場代も激安です。
他にも言い出したらキリがないぐらいです。
抽象的な表現で申し訳ないですが、コスパが、全般的に高いなと思います。
⑦人との繋がりが適度
「地方移住をしたら、地域の付き合いが多くて困る」という風説を聞いたことがあります。
村の寄り合いには絶対に顔を出さないといけない、とか。
プライバシーが無くなった、とか。
確かにそういう場所もあるのでしょう。
イメージとしては、山中に住むような地方移住でしょうか。
こういったことは、僕の住むような街の地方移住であれば、全く当てはまらないというのが、経験値です。
むしろ、近隣の方々とは、適度な距離感で、非常に快適な暮らしが出来ています。
この適度な距離感というのが、心地良くて、住みやすいです。
例えば、近所に鯛焼き屋があります。
たまに通っている店ですが、気軽に世間話をする間柄になりました。
そしてこの鯛焼き屋さんのお子さんが、僕の子供と同世代です。そのうち、このご家庭と、小学校や中学校で会ったりすることもあるでしょう。
一方で、僕が川崎市で住んでいた商店街などでは、よく行く店もありました。
でも、チェーン店が多いこともあり、接客もシステマティックになっており、親しく話をすることは少なかったです。
他にも、次女が通っている保育園の担任の先生がいて、この先生の息子さんが、長女の保育園で同じクラスだったり。
皆さん、職住が近接しているので、この地域内で、人同士の緩やかなループが出来ているイメージです。
こうなってくると、この地域一体で顔見知りが多くなるので、地域として、子供を見守れる感覚が持てます。
以前の住んでいた街でしたら、鯛焼き屋さんも保育園の先生も、全く違う場所から電車を乗り継いで通勤されてました。
なので、こういった人同士のループを感じにくかったです。
ご近所さんと、こういった関係性を今築けているのは、良いなと感じています。
⑧景観が良い
ちょこちょこnoteで写真を挟みましたが、近所で撮影した写真です。
川崎市の時のアパートでは、窓を開けたら、すぐ隣の家の壁やったと書きました。
ほぼ毎日、話したこともない人の家の壁を見て暮らしてたと言えます。
そもそも僕は住居で景観を重視してませんでした。
しかし、今回の引越しでは、妻の一声で、海が見える家にしました。
これが、思いのほか、快適です。
どこまでも続く空と海を見ていると、毎朝、心が晴れやかな気持ちになります。
深呼吸したくなるような気分です。
川崎に住んでいる時は、こういったどこまでも続く空と海を見ようと思ったら、そのためだけに1、2時間車に乗って移動する必要がありました。
それが、今は窓を開けたら、すぐそこにある。
この景観の良さは、高い建物が少ない、地方ならではと思います。
▶︎仕事面
では、次に仕事面について書いていきます。
「地方移住したいけど、リアルな面で、仕事が・・・」
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
僕は、どこでも働けるフルリモートの会社をやってますので(詳しくはこちら)、物理的な意味での引越しはどこでも可能でした。
ただ、当然ながら、やはり対外的な意味では会社が移動することは、仕事に影響はありましたね。
さらに、妻は、東京で会社勤めをしてました。
なので、そういったリアルな面も、書かせて頂きます。
まずは、良かった点からです。
①競争が少ない(めっちゃ大事)
僕のようなAIのスタートアップ経営者は、基本的に珍しい人種とも言われがちです。
しかし、東京、神奈川には、めちゃくちゃ沢山のAIのスタートアップがいました。
さすが、アジア屈指の大都市東京です。
珍しい人種自体も多いのです。
そんな中、地方に移住してきて、スタートアップの母数の少なさを強く感じます。
ましてや、AI開発をしているとなると、かなり数が限られます。
このことは、僕はビジネス的な側面から考えると、とても良いことだと思います。
競争が少ないというのは、それだけで目立てます。
僕ならば、「兵庫県の明石市でAI開発やっている」というだけで、場所の差別化になるのですから。
PRや差別化、広告、宣伝で、どれだけコストを費やしてきたか。。。
他社との競争に勝つために、どれだけ労力を費やしてきたか。。。
それらが一気に割愛できるのです。
こんなメリットはありません。
僕の会社も、あのままずっと首都圏で活動してれば、AIやっている会社は爆発的に増えてましたので、完全に埋もれきっていたでしょう。
それが今、地方にきたら、早速、仕事の話を頂けます。
大きなメリットと思います。
②必要とされる有り難さ
上記の①と関連します。
地方では、起業している人も少なければ、AI開発をしている人も少ない。
となると、様々な場面で、僕らのような小さな会社でも必要としてくださいます。
とても有り難いです。
首都圏で活動している時は、僕らの方から売り込んで、お客さんに評価される感じでした。
お客さん側も、売り込まれ慣れているような状況です。
それが一転。
お客さんの方から、我々に問い合わせてくださるのです。
こんな有り難い話はありません。
また、開発だけではなくて、「講演」の類の仕事も、より増えました。
起業というチャレンジをしていること自体が評価されて、話をして欲しいという依頼です。
いくつかnoteでも投稿しましたが、高校生向けに起業講座の講師をしています。
また、講演ではないですが、スタートアップのピッチイベントにも、関東にいる時よりも、お声がけを頂く頻度が増えたように思います。
今月末も、姫路で登壇予定です。
こういったことは、やはり地方に来て仕事をする大きなメリットと感じています。
③自治体の支援が手厚い
地方の自治体の職員の方(公務員の方々ですね)は、その地域の活性化に非常にご尽力をされています。
その中で、やはり新産業育成というのは、地域の起爆剤になるので、とても力を入れている自治体が多いです。
その支援対象が、主にスタートアップとなっています。
東京や神奈川にいるころは、スタートアップ同士で、この自治体の支援枠の奪い合いみたいになっていました。
もちろん、兵庫でも支援枠を超えての応募があることは多々ありますが、僕の体感値から言うと、非常に支援をして頂きやすいとは思います。
僕らも兵庫に移転してきて2年。
ようやく、自治体の方々にも認知していただくようになりました。
すると、自治体の方の方から、「このイベントにも来て」とか、「ここでも登壇して」と、お声がけをいただくようになりました。
当然ながら、貴重な公的な機会を利用させて頂くわけですから、しっかり会社を育てて地域に還元したいと思っています。
その足がかりとして、自治体側からの支援を、こういった僕らのような小規模スタートアップにしていただけるというのは、非常に有り難いです。
④チャンスがない?いや、十分にある
これはよく世間で言われていることやと思います。
「地方にいくと仕事がない」
個人的には、全然そんなこと無いと感じています。
探せば、いくらでもあります。
それが僕の経験値です。
首都圏で仕事をしていた時と、完全同じ仕事は無いかもしれません。
でも、少しズラせば良いのです。
それだけで、ほぼ近しい仕事に辿り着けます。
分かりやすい例でお伝えすると、僕は川崎にいた時は、講師の仕事は大学が多かったです。
一方で、今兵庫にくると、大学の講師の仕事はまだ出会っていません。それは、絶対的な大学数の少なさも関連していると思います。
しかし、兵庫では、高校の講師の仕事をさせて頂くようになりました。
もちろん、僕としては、高校生向けにより分かりやすく講義する内容を修正する必要があります。
しかし、このような少しターゲットをズラすだけで、十分に仕事のチャンスはあるなというのが、感想です。
そもそも、仕事のターゲットを、冷静に見極める必要があります。
首都圏で仕事してても、当然ながら全ての首都圏人口にアプローチできていたわけではありません。
一方で、地方と言っても、当然ながら、そこで人が生活しています。
砂漠のど真ん中でない限りは、人が生きている以上、必ず何らかの仕事はあると思います。
地方であっても、仕事もあり、お客さんもいる。
それが僕の経験に基づく結論です。
一方で、
「仕事を見つける難しさ」
「仕事をものにする難しさ」
は、当然あります。
しかし、それは個々人のスキルの課題やと思うんです。
決して、”地方だから”チャンスが無い、ということは当てはまらないと、僕は思います。
僕が思うに、「地方では仕事がない」という人は、そういった"仕事を取る"という個々人のスキルの課題と、地方というイメージを、ごっちゃにしてしまっているのでは、と感じています。
④(番外)妻も、すぐに新しい仕事についた
さて、妻は、東京で会社勤めをしていたと書きました。
妻は、引越しに当たって、前職を退職し、同業種で神戸で仕事を探す予定をしていました。
結果的には、妻は今は前職とは違う仕事をしていますが、本人は「今の仕事の方が楽しい!」と大満足をしている様子です。
なんなら、僕が兵庫で根を張って、仕事をし始めるのよりも、圧倒的に妻の新しい仕事の方が早く始まりました。
③とも関連しますが、地方でも仕事のチャンスはなんぼでもあるな、というのが、僕の感想です。
悪かった点
引越しして満足度が高すぎるためか、良かった点が長くなりました。。。
正直言って、あまり悪かった点は思い浮かびませんが、なんとか絞り出して、書いていきます。
▶︎家庭面
①坂が多い町
これはもう、どうしようも無い話なんですが。。
坂が多いというのが、この町の一番のネックかなと思います。
引越し前は、川崎市という関東平野のど真ん中で暮らしていました。
徒歩でも自転車でも、スイスイどこまでも行けました。
今住んでいる明石は、ともかく坂が多い。。。
「電動自転車でも登られへん坂って、この世にあんねんな」
ということを知りました。
地形と歴史を紐づけて考えれば、このような険しい地形だからこそ、ここに大きな都市が出来へんかったんやろうなと思います。
②飲食店が減った
近所に飲食店は、圧倒的に減りました。
川崎に住んでいた時には、商店街もあり、ショッピングモールも近くにあり、飲食店が多数ありました。
一生かかっても食べきれへんような店舗数が、近所にあったように思います。
一方、今。
3ヶ月ぐらいで、近所の主だった飲食店は行き終わりました。
でも、数としては十分だなと思います。
実は、飲食店の少なさは、引っ越す前のネガティブポイントと思っていました。
しかし、引っ越してみれば慣れるもので、大きなデメリットとは思いません。
また、スーパーとコンビニは、以前住んでいた場所よりも近くなりました。
なので、外食が減り、家でご飯を食べることが多くなりました。
③店が急に休んでいる
これは地方あるあるかなと思います。
大体どの店も個人商店です。
店舗の運営も、大企業のチェーンみたいに、システム化されていません。
皆さん、好きに休まれます。
慣れてはきましたが、最初は戸惑いました。
▶︎仕事面
①人脈作りがゼロから
次に仕事面です。
僕に限った話かもしれません。
起業のような自分で創り出す仕事をしていると、新たな人間関係を、ゼロから作り始めるというのは、なかなか大変だなと感じています。
これが大きなデメリットと思います。
”地方”に限った話ではないですけどね。
移住すると、ついて回る話かなと思います。
今引っ越して2年。
ようやく、「人脈が出来てつつあるな」と実感します。
「ROXという会社が明石でAIやっとんな」
と、地域のスタートアップ界隈の方にも認知いただけるようになったと感じています。
・・・
正直、それ以外の悪かった点が、ほぼ無いというのが本音です。🤔
仕事面で言えば、「住むだけで差別化になる」というメリットが強力すぎます。
また、そもそも僕の会社はフルリモートなので、何かが大きく変わることもなかったです。
以上となります。
長くなりましたが、最後まで読んでくださった方、有難う御座います。🙇♂️
地方移住、とても良いですよ😃
ご関心ある方は、ぜひ一歩踏み出されたらと思います。
このnoteが、参考になったのであれば嬉しいです。
最後までお読みいただき有難う御座います! サポート頂ければ嬉しいです😃 クリエイターとしての創作活動と、「自宅でなぜ靴下が片方無くなることがあるのか?」という研究費用に使わせて頂きます!