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【私の活動領域②】スタートアップ支援


2013年9月、電機メーカーの最終出社日の翌々日に入学式があり、早稲田大学の大学院に通い始めました。大学院に進学した目的は、「11年間の商品企画業務の棚卸をすること」「中小企業診断士として活動していくにあたり、中小企業の実態について知っておくこと」の2点でした。

大学院での活動は、期待した通りこれまで自分が業務で行ってきた活動の意義を再確認できるものでしたし、中小製造業を研究対象とする教授とともに、大田区や墨田区の町工場を回り、優れた経営者の話を聞いたり、製造現場を見る機会にも数多く恵まれました。

スタートアップ支援に関わるきっかけ

そんな中、1点予想外の機会だったのが、大学の起業家教育について知り、また関わることができたことでした。担当教授は中小企業論の研究者でしたが、当時、早稲田大学インキュベーションセンター(起業支援施設)のセンター長を務めていました。そのため、教授の計らいで起業家教育の授業のTA(ティーチングアシスタント)をさせてもらい、多くの起業家の講演やビジネススクールの教授による講義を聴く機会を得ることができました。

さらに、大学院修了後には、インキュベーションセンターのコンサルタントとして、学生や教授・研究者の方の起業相談や、起業後の経営相談を業務として担当することになり、現在まで続けています。

また、この活動をきっかけとして、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)のNEP(NEDO Entrepreneurs Program:ディープテック分野での人材発掘・起業家育成事業)の技術経営アドバイザーや、福島県浜通り地域での起業・創業支援事業「Fukushima Tech Create」のプログラムの1つ「ビジネスアイデア事業化プログラム」のメンター等も務めています。

メーカー時代の経験を生かす

大学院に入学する以前は、スタートアップとの関わりはほぼありませんでしたが、それまでの業務経験は、スタートアップ支援において役立つものでした。私は、理系の研究科から電機メーカーに入社し、商品企画業務に従事していました。メーカーにおける商品企画業務は、自社の持つ技術(シーズ)を活用して、市場/顧客のニーズにマッチする商品のコンセプトを構想することと、構想した自分にとって理想のコンセプトをなるべく崩さず、顧客が求める形で商品として具現化することです。

商品コンセプトの構想においては、商品に活用する技術についての理解力を有していること、また、顧客のニーズを的確に把握することが必要であり、その理解を持って、適切に商品コンセプトや商品のスペックに落とし込めることが必要なスキルとなります。顧客のニーズの把握には、リサーチ設計・実行・分析のスキルも必要になります。

商品としての具現化力については、商品開発部門や商品製造部門に、商品コンセプトの狙いを正しく伝え、理想の商品像・スペックを実現できるように協働していくことが必要となります。メーカーにおける各部門は、売上・利益への貢献を目指しつつも、それぞれ部門としてのミッションを有しています。例えば開発部門は、量産時に不良の出ない設計を最優先とする指示を受けているかもしれません。製造部門の担当者は、できるだけコストを抑制することを最優先とする指示を受けているかもしれません。各部門のビジョン、ターゲットを最大限実現しつつ、理想の商品コンセプトも実現するために、商品企画担当者は各部門(担当者、または責任者)とコミュニケーションを取り、商品開発を進行させるスキルが必要となります。

こうした商品コンセプトの構想力や商品の具現化力は、特にテック系・モノづくり系のスタートアップ企業が商品を構想し、世に出していこうとする際に、スタートアップの行動に示唆を与えることに活用しています。

スタートアップ支援を深める

とはいえ、自分の支援のやり方が本当に正しいのか?ということについては、常に不安も持っていました。どこかでスタートアップの支援の仕方を体系的に学んだことはありませんでしたし、誰かに仕事の仕方をチェックしてもらえるわけでもないので、自身の経験をスタートアップの経営に適切に応用できているかについても、不安を抱えていました。

そんな折に、ユニコーンファームの主催する「Startup Advisor Academy」の存在を知り、受講しました。Startup Advisor Academyは、『起業の科学』の著者として知られる田所雅之氏がCEOを務めるユニコーンファームが主催する「スタートアップアドバイザー」を育成するプログラムです。メンタリング・メンターの役割から始まり実際にクライアントの成果をだすための関わり方、および事業が成長するまでのステップ(顧客発見、顧客課題の把握、ソリューション仮説、PMFなど)について、体系化されたメソッドを体得することができました。

もちろん、スタートアップを取り巻く外部環境が変化していく中で、常に新しい知見を取り入れ、現場での支援実践と振り返りを重ねつつ、自身の支援スキルをブラッシュアップさせていく必要があります。

これからも、多くのスタートアップと出会い、サポートする機会が得られたらと思っています。スタートアップの皆さんやスタートアップ支援に関わる皆様、どうぞお気軽にご連絡・ご相談ください。

スタートアップアドバイザーとしてのサポート領域


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