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【 歌詞 】すもものころ


もうすぐ新しい命が
光に触れて 産声をあげます
私はすべてを裏切り
堕ち逝くことを密かに目論みます

答えってどこにありますか
心の中? 私の外?
不安で仕方ないんです
受けても流してもひとりぼっち

だから会いたくて 
だから誰より会いたくて
忘れてしまった
あなたの声に縋りたくて
徒長枝だらけで 
でも白い花を咲かせる
庭の歪な李の木 
ベランダで眺めています
春の彼岸に宿った
優しい眼差しが皆を照らした頃に



どうしてこんなに出来ない
私のことを求めてくれるんでしょう
家族って即ち呪いと
同じものだと思えてしまえるんです

いつだって 何をしていたって
心の隅 居座っています
これだけのものが生まれる
痛みを超えた愛しさとか

だけど泣きたくて
わからないから泣きたくて
この命の重さだって 
その手の温もりだって
あなたはどうです
生涯を貫き通して
意味と理由を得ましたか?
それは素敵でしたか?
春の彼岸に惑う そよ風に
撫でられた傷がまた疼きます


どれだけの物差しがあれば
自分を測ることができるのか
それとも そんなものは
たいして重要じゃないのかな


引っかかっていて
どこかで引っかかっていて
結局 今でも逝けずに 
生けずに 足掻いています

だから会いたくて
だから誰より会いたくて
憶えて消えぬ
あなたの笑顔に縋りたくて
水はあげてない
でも白い花を咲かせる
枯れずに笑う李の木 
間近で見上げています
春の彼岸に宿った
優しい眼差しが皆を照らした頃に

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