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【 歌詞 】オレンジ



込み合ったバスに揺られながら
名も知らない人達と共有した西陽
オレンジが家路を溶かす中
少しだけ眠りに いざなわれた

それはいつかの苦い出来事だ
胸に寄せるイメージの逆上がり
補助に回ったつもりの迂闊さが
君に怪我を負わせてしまった

諦めてしまったあの日から
上手く話すことが出来なかった

頼ってくれたから嬉しかった
笑ってくれたから信じられた
君の初めてを見届けたくて
僕で良かったと思いたかった


踏み込んだバスに揺られたから
目覚めついでの三粒が頬を急降下
オレンジが団地に遮られて
公園にはまだ子供がいる

諦めてしまったあの日から
随分と永く時間が経った

今日は仕事を一つ任されて
明日からは帰りが遅くなる
僕はほど良い疲れを抱えて
君のいない街で暮らしてるよ


頼ってくれたから嬉しかった
笑ってくれたから信じられた
君に会いづらいままが過ぎて
僕らは離れてしまったけど

"ありがとう"をずっと憶えてるよ
"ごめんね"を今でも思ってるよ
僕は言葉で伝えられるから
君にもう一度だけ会いたいよ


がらんどうなバスが辿り着いた
停車場の空風が肌を刺す
ウィンカーの灯りが間もなく消えて
数える程の星空を仰いだ

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