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高座

やりたいことが
本当はないから
疲れたら
皮を剥ぐように
空虚になる

やりたいと思うことは
元気の皮を被って
調子のいい顔して
誰かに会いたがる
虚しさの裏側

疲れたら
悟りを開いたように
空回りしていた
すべてが
どうでもよくなる
高座から
観客席を
見下ろすように
魂はこの世を
離れる
それが心地よい

今さら
さらさら
風に流れて
声も届かない
青い空の向こう

どうもこうも
言葉や意味や
常識や安定や
何もかもを
正直に
嫌い過ぎたみたいで

コアは変わらず
素直なままに
素顔のままに

たゆたうことは
この世での
死に等しいけど

疲れたら
理不尽も
情けなさも
承認不足も
建前ロードも

全部捨てたい

やりたいことはない

死刑宣告だとしても

今は黙って
聞けてしまう

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