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windcall
夜の海
夜の海
沈む昼の疲労
星の光が
紫色して
上がっていく
私は波に揺られて
無力なままに
昨日あったこと
最近縛られたこと
自由にならないこと
言葉のままに
文字だけが
目の前に
流れていく
自分じゃないみたい
夜の海
どうしようもない
衝動
キーボードを
叩く音
光も音も
不自然に
私を包む時間
死んでいるのか
生きているのか
意識もしない
人の顔が
画面上に
記録されて
つかめないまま
沈む私と
相対的に上がっていく
最後には
すべて消えるの
真っ白になって
生まれ変わる
安心感
死にはしない
ルールの上
レールの上
まっさらに転がる
朝日のような
水晶が
明日へ消える
夜の海
紫の水面
波間に揺れる
すべてが揺れる
思い出したり
忘れたり
私の顔して
あなたの顔して
誰かの顔して
まあいいや
頑張った反動
振り子のように
単振動
落ちゆく間の観察
少し上の星が光る
私を離れる
誰でもない
言葉は白く
すべてを包む
すべてを無化する
夜の海
もう色は与えない
そして
ここから出ていく
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