闇の河

あの頃と同じ
オレンジの光が
水面に揺れる

闇の向こうを
眺めながら
レディオヘッドを
聴いていた

同じ河の
同じ光
違うのは僕だけか

もう揺れていない
根本なら
崩れるようには
もう揺れていない

闇に飲まれた
情景は
断片的で
儚く人生と世界の
真実を垣間見せて
青い春に
戻りたいなんて
まだ思わせる

非生産的な
すべてを愛して
高層マンションを
維持し続けるものに
抵抗する

自然に
流れていく一切が
指の間から
こぼれ落ちていくのを
ただ眺めていたい

青い春は
永遠に
僕に宿り続けるだろう