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夕焼け雲

夕焼け雲に
見とれながら
連れていく

夕飯の支度
おばあちゃんの声
自転車こいで
帰り道
踏切の音
赤いランプ

まだ魔界を
彷徨うような
妖気が漂い
闇が
辺りを染めて
帰る足を早めた

お母さんは
仕事で今日も遅い
おばあちゃんと
二人で
夕飯を食べていた

何を話したのだっけ
当たり前過ぎて
何も覚えてないや

葬式の後
悲しいのか
どうかさえ
わからなかった

夕焼け雲が
心に響くのは
なぜだろう

言い足りないから
ずっと
忘れないのか

それとも
満たされていたから

故郷の空へと
変わったいったのかな──

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