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逃げ水

素直になれない
水深まで
糸を垂らして
引き上げる
ボロ着れ一枚
空気に触れた
季節は夏
逃げ水を追いかけるように
届かない
追いかけるのを
やめようと思う
それ以外が
見えないから
ずっと
筒の中を
立ち上る煙に
光を当てて
世界を見ていた
回していた
傷を数えるのも
ただ
下からの風に
吹かれていたかったから
煙がいい感じに
光とコラボして
僕を包んだ
微睡みの中で
未来は
誰のものでもない
だって
ずれているんだから
追いかけるのを
やめようと思う
また
煙が立ち込めて
微睡んだとしても
いや
包まれながらも
外へ手を伸ばす
ハイブリットな
季節に
風に
吹かれて
生まれ変わりの
螺旋階段を
また
上がっていくよ

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