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宿り木の下で

本質に届く
パズルをする夜に
雨は宿り木の
屋根を鳴らして
僕らは
自己探検の
旅に出た
お互いに持ち寄った
価値観と
経験を糧に
時間旅行は進み
本当は
こうだったと
雨に打たれた
身体がはみ出て
気づいたり
ひとりじゃ
決して辿り着けない
深夜の丘の上
パースペクティブは
傘を越えて
位置情報を与える
仕方ないを
繰り返し
漕いできた
一艘の舟に
揺られながら
雨の中
進む人達の明かり
優しく
包んで
それぞれの
港に帰る
ひとりじゃない
パースペクティブは
いつかの
景色に
正しく配置する
思考を連れて
行くべきところを
ほんの僅か
照らしたり
また
忘れたり
繰り返し
繰り返し
波にゆられる
すべての総体を
かたちに見せる
僕もそこにいながら
そこを越える
誰でもない場所に
たぶん
すべてがあって
命は生き長らえるのだろう

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