ももちゃんのお父さん
近所に「ももちゃんのお父さん」と呼ばれる人がいる。
自分が小学生の頃には既に、その人は「ももちゃんのお父さん」と呼ばれていて、近所の人たち、自分の両親も「ももちゃんのお父さん」を絶大に信頼していた。
何か困ったことや、よくわからないことが起きると「ももちゃんのお父さんに訊いてみる」と言っては、どこかに電話をしたり、出掛けて行ったりしていた。
電話は大抵繋がり、父も母も「ももちゃんのお父さん」にいろいろ尋ねる。
「会長さんのお葬式の香典はいくらが妥当か?」
「アブラムシの駆除は