たつきち

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たつきち

或いは「達吉」/ 紹介するもの何もないんですよ、自分 / 100%創作垢 /毎日一本「お話」アップ続けてます。20230814で1000本達成!/日記アカウント( https://note.com/tatsukichi_24_02)

マガジン

  • 日記2024

    • 264本

    2024の日記・雑記です。

  • 掌編2024

    2024年の創作物です

  • 夢の話

    • 55本

    寝て見る夢の話

  • 殺し屋シリーズ

    副業殺し屋なのでprofessionalと呼べるか否か?

  • ふたりのはなし・番外編

    「ふたりのはなし」の番外編がだいぶ増えてきたので時系列で並べています。 上の方が幼い頃のお話です。

最近の記事

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自己紹介(最終更新20240814)

はじめに この自己紹介以外、アップしている文章は全てフィクション・創作物です。 そのあたりのご理解よろしくお願い致します<(_ _)> ▪️▪️▪️ 自己紹介 自己紹介的なもの何もしてませんでした<(_ _)> お初にお目にかかりますの方が多いようなので↑を消させていただきます。 (20240814) 「たつきち」と申します。「たつきち」は「達吉」とも書きます。 何処かのSNSでひょっとしたらお目にかかっているかもしれません。まぁ、あちこちに出没しております。 その昔は「

    • 【83 一夜干し】#100のシリーズ

      昨夜泊まった友人が風呂場にかけた洗濯物を取り込んでいる。 風呂場自体が乾燥室の役割を果たしているマンスリーマンション。 仕事で来ていたこの町で、たまたま昔の友人に会った。昔…そう小学5年まで一緒だった。彼は6年生に上がるのと同時に転校して行った。 20年ぶりくらいの再会だったが、彼から声を掛けてくれたし、彼はあの頃の面影を強く残していてすぐにわかった。 彼もここには仕事で来ていたのだという。 「本当に一晩で乾くんだね」 友人は俺の貸したスエットを着ていた。 乾かしていたのは彼

      • 記憶の埋葬 Ⅱ

        妹は外つ国で安楽死を選択した。 日本を出る理由を妹は、子どもたちも大学を出てひとり立ちしたことだし、夫婦で新しい環境に身を置きたいのだと言った。 その2年前に私たちは父親を病気で亡くした。虚血性心不全。突然の死だった。 父の死後間もなく、母の様子がおかしくなり、認知症と診断された。 それまで周囲に認知症を患っている人がいなかったのもあり、認知症は記憶障害の病気だと思っていた私たちに、母の状態はただただ驚くものだった。 母は几帳面で真面目な人だった。私も妹も母には大きな声で叱

        • FP-【魔法の言葉】#青ブラ文学部

          空室だった隣に新しいテナントが入るようで、昨日から工事が始まった。 防音壁のおかげであまり音は気にならない。 だけど、人が出入りを繰り返す気配がドア越しに伝わってきて落ち着かない。 自宅マンションから徒歩5分という場所にある5階建のあまり大きくないビルの4階に「経営コンサルタント」として事務所を構えている。 自宅に仕事関係の客が来るのが嫌だった。 だから応接代わりの小ぢんまりとした場所でよかった。 顧客であるビルオーナーが、「以前どうしてもと頼まれて、ひとつの部屋をふたつに分

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        自己紹介(最終更新20240814)

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        記事

          【ひらめき膝】#毎週ショートショートnote

          大変だ。大臣が膝を打ったよ。 マジ?ヤバイよ。また閃いちゃったの? ほらほら口元。笑ってるよ。 うわぁ。本当だ。閃いちゃったよ。 え?どうした? 大臣の膝打ち。 え?「ひらめき膝」の発動? 記者たちが詰めているモニタールームが騒然とし始めた。 記者会見室に向かう記者たちの足取りは重い。 さっきのあれは本決まりなの? 決まりなんでしょ?なんたって大臣が閃いちゃったんですから。 今回はいつにも増してくだらないこと閃いちゃいましたね。 おいおい。くだらない言うなよ。 モニタ

          【ひらめき膝】#毎週ショートショートnote

          【ときめきビザ】#毎週ショートショートnote

          「政府はこの度留学生のために発行するビザの名称を『ときめきビザ』と変更することを発表いたします」 まただよ。政府の悪い癖。名称とか変えてどうなるんだ?ってとこを変更しては、さも改革・改善しました、みたいな顔するんだよ。 留学生の数が激減しているのはビザのせいじゃないのに。しかも外国人に「ときめきビザ」なんて言ってもちっともときめかないっつーの。 「なぁなぁ。英語で『ときめき』ってなんて言うの?」 「実際に期待で胸が高鳴る時はExcited。所謂、胸キュンはButterflie

          【ときめきビザ】#毎週ショートショートnote

          【懐かしい】#シロクマ文芸部

          懐かしい匂いがした。 秘密基地に続く道の匂いだ。 土の匂いと踏まれた草の匂いと枯れ草の匂いと雨の匂い。 「それだけじゃ、ないんだよなぁ」 多分それが一番大切な要素なのに言葉で言い表すことができない。 でもその匂いを嗅ぐと、今はもうない秘密基地に心だけは飛んでいく。 それは名前の知らない木だった。 地上から1.2mぐらいのところで、枝が横に伸びていて、ひとつの枝に2、3人乗ってもびくともしなかった。 頭上にも枝は伸びていて、尚且つそれに野葡萄が絡んでいた。 ちょっとぐらいの雨は

          【懐かしい】#シロクマ文芸部

          運び屋-【写真de妄想】#青ブラ文学部

          昨日は予報を裏切る大荒れの天気だった。 ゲリラ豪雨で済ませるには強すぎる雨と雷。流石の相手も「今日は中止だ」と連絡してきた。 高校の野球グランドが見える。 電話ボックスから右にふたつ目の電柱の側に立つ。 電柱に「小橋2丁目6」と書かれたプレートが巻かれ、そのプレートと電柱の間に紙が挟んである。 ちぎれないようにそれを出す。 二つ折りのそれを開く。 住所が書かれてある。 それをスマホに打ち込み地図で確認する。 おそらくこれが30年ほど前だったら、電話ボックスの電話帳に地図が挟ん

          運び屋-【写真de妄想】#青ブラ文学部

          FP-【写真de妄想】#青ブラ文学部

          事業主相手の保険講座を終えて、駐車場に向かう。 講座は商工会議所の主催のものだった。 生命保険といえば死亡保険のイメージだが、今は誰かに残す保険ではなく自分のための保険「生きるための保険」であるという話を4回に分けて話す。 今日はその2回目だった。 個人事業主、中小企業の社長は社会保険や雇用保険からの傷病手当等の休業補償が得られない。という話を初回にした。今日はデータに基づいた話。保険料はどうして男女差があるのか?年齢で違いがあるのか?について話した。 講座に参加しているのは

          FP-【写真de妄想】#青ブラ文学部

          【タンバリン湿原】#毎週ショートショートnote

          タンバリン湿原に行きたいとタクトは言っていた。 タンバリン湿原は独自の生態系を持つ湿原で、空から見るとタンバリンのようだった。丸いヘッドの部分は湿原でその周りにジングルのように見える部分は空からだとわからないが実際は険しい岩山。その岩山が湿原を囲むことによって、なん人の侵入を防いでいた。 もしも湿原に足を踏み入れても、人の重さでは身体が沈んでしまう。 湿原はドローン技術が開発されるまで、何もわからない文字通りの秘境だった。 ドローンによっての調査が進み、その独自の生態系が見え

          【タンバリン湿原】#毎週ショートショートnote

          【モンブラン失言】#毎週ショートショートnote

          モンブラン失言は僕の苦い記憶だ。 親が甘いものが苦手だったせいか、ケーキをあまり食べたことがなかった。そしてなぜか親が買ってくるのは決まって栗のケーキだった。栗の甘露煮を搾り出したケーキ。モンブランという名前すら知らなかった。 僕の中の理想のケーキは苺ショート。 だから彼女にも「栗のケーキよりも苺のケーキが好き」と言った。 彼女はお菓子作りが得意だった。 僕の誕生日に手作りのケーキを作ってくれた。 それは苺のモンブランだった。 今だから苺のモンブランだと言える。 でもその時は

          【モンブラン失言】#毎週ショートショートnote

          【レモンから】2#シロクマ文芸部

          「レモンからしか得られないものがあるんだよ」 真夏の夕べ。食前酒と称してリモンチェッロを煽りながら黄味島威は言う。 黄味島のレモン好きは学者仲間の間で有名だった。 瀬戸内産のレモンを蜂蜜漬けにしたものを夏は冷たく冬は温かい飲み物として常用しているし、酒に関してもレモンなんちゃらしか飲まない。 そして、家だけでなく研究室もレモンの香りと常に漂わせている。 今年で42歳になるが、もちろん独身。 本人曰く「レモンと結婚しているようなものだ」とのことだった。 家にはレモンの木がある。

          【レモンから】2#シロクマ文芸部

          【レモンから】#シロクマ文芸部

          レモンから手紙が来た。 久しぶりの手紙だった。 ほとんど毎日、モニター越しではあるが顔を合わせているからレモンが元気でいることはわかっている。 手紙を送るとは言っていたがこんなに早く届くとは思っていなかった。 手紙の中には種が入っている。 種化した生物。 ここではその種を発芽させることができる。 そうなるまで随分と時間を費やした。 向こうではまだこんなふうに種になっている生き物がいるのだ。 レモンはそこにひとりでいるのだ。 おそらく散歩に出るように外に出ては種を探しているのだ

          【レモンから】#シロクマ文芸部

          poison - 1

          先生の仕事部屋を訪れる。 「すまないね。急に呼び出して。ちょっと訊きたいことがあってね」 と先生は部屋に招き入れた。 「他からも訊かれているかもしれないけれど、先日亡くなった君の共演者の篠川シオンのことなんだけど」 珍しい、と思った。 先生がこういうゴシップネタに食らいつくことはない。 共演といっても、自分が主役を演じているドラマのシーズンゲストで、全10話のうち彼女の登場は最初の2話と最終話。主人公の探偵に仕事を依頼する女性の役だった。絡みは最初の1話と最終話に少し。2話は

          警察官-【妬いてるの?】#青ブラ文学部

          酔っ払いの喧嘩の仲裁に呼び出されるのは、まだいい。 夫婦喧嘩や恋人同士の痴話喧嘩で呼び出されると、時折居た堪れなくなることがある。 今回も少しだけ嫌な予感を感じながらも交番を出た。 同僚の金澤が「ご指名じゃ仕方ないだろう」と見送ってくれた。 「お店の子の彼が来て言い争いになっている」 電話を受けたのは新人の福嶋だった。 「山縣さんは今日はお休みなんですか?」 「いえ、今は警ら中です」 少し前に山縣は金澤と交通事故現場に出向いていた。 「戻られたらいいです。来ていただけないでし

          警察官-【妬いてるの?】#青ブラ文学部

          【入浴委譲】#毎週ショートショートnote

          「意味がわからない」 「そのままです。私の入浴に関する全ての権利をあなたに委ねるということです」 「わからない」男は首を振る。 差し出された紙には「入浴委譲」とある。 「文字通り。風呂に入るか否か。いつ風呂に入るか?入浴時間はどの程度か?どこを洗うか?全てを決める権利があなたにあるというのです」 男は今一度入浴委譲の紙を見る。 「それが一体何だというのだね?」 「入浴時、人は文字通り丸腰となります。その入浴を全て委ねる。それがこの国の主従関係を結ぶことの象徴なのです」 片膝を

          【入浴委譲】#毎週ショートショートnote