マガジンのカバー画像

掌編2024

139
2024年の創作物です
運営しているクリエイター

記事一覧

【66 ポップコーン】#100のシリーズ

理想の休日ですか? うーん… 映画三昧ですかね? ミステリ映画が好きなんです。 だから、新作…

たつきち
1時間前
6

【65 ゴミ】#100のシリーズ

遺品整理屋が案内したのは元廃校。 「不要と言われるモノを不要となった場所に収めておく。ち…

たつきち
1日前
10

【人魚の尾鰭の先の色】#新色できました

馴染みのカフェに置いてあったオーストラリアの雑誌を眺めていた。 読んでいたとは決して言え…

たつきち
2日前
14

【山岳カルマ】#毎週ショートショートnote

登山仲間の葬式の後は約束などなくても皆いつもの店に集まる。 「なぜ山に登るのか?」「そこ…

たつきち
3日前
12

【文学トリマー】#毎週ショートショートnote

出された名刺には「文学トリマー」とあった。 「え?編集さんですよね」 「そうです。この度担…

たつきち
4日前
16

特殊機関-【帰りたい場所】#青ブラ文学部

旅鼠に関する情報が入って来た。 テロ組織レミング。 テロと言っても彼ら自体には主張する主義…

たつきち
4日前
15

【白い靴】#シロクマ文芸部

「白い靴を履いた男、ですか?」 「えぇ。ご存知ないですか?」 先週近くであった殺人事件の捜査だという刑事とここの社長の話を背中で聞いていた。 「目撃証言によると、走り去る男は夜でも目立つ白い靴を履いていたというんです」 「はぁ…いや。記憶にないです」 「そうですか…」 そのあとも二、三の質問をして刑事たちは帰って行った。 「なんだか物騒ですね。殺人事件とか」 「うん。5年前もあったんだよね」 「え?近所でってことですか?」 「うん。そう」 小さな印刷所の社長は改めてコーヒーメ

立入禁止

公園の遊具に黄色と黒のテープが巻かれてあった。 黄色いテープに「ちかづかないでください」…

たつきち
7日前
12

メッセンジャー

久しぶりに筆が全く進まない状態だった。 とはいえ、連載が終了すると、必ずこの状態に陥る。 …

たつきち
8日前
14

午前3時13分

我ながら器用だと思った。 キーボードに手を置いたまま寝落ちしていた。 その手の上にうっつぷ…

たつきち
9日前
12

【二億斉藤】#毎週ショートショートnote

「三億佐藤と二億斉藤?なんだこれは?」 「集めてほしい」 「ちょっと待て。日本人が今、どれ…

たつきち
10日前
17

【冷凍記憶】#毎週ショートショートnote

冷凍睡眠のコースはふた通り。 ひとつは肉体ごと、もうひとつは記憶のみを冷凍保存するもの。 …

たつきち
11日前
14

探偵-【君に届かない】#青ブラ文学部

I cannot reach you.I cannot reach you.I cannot reach you.I cannot reach you… A4用紙に…

たつきち
11日前
21

【風薫る】#シロクマ文芸部

「風薫るの薫といえばたいていは通じる」 「羨ましい」 「あぁ」 男3人がオープンテラスで頭を突き合わせている。 「俺は年配の人には割と説明は楽なんだけど、若い人に困るんだよなぁ」 「オレも」 「井上馨の馨です。で、あぁ…ってなる」 「イノウエカオルって?」 「大昔の政治家」 「ふうん…」 「って、お前みたいなリアクションの人には、女子レスリングの伊調馨選手の馨の字です。と」 そう言いながらテーブルの上で指で馨の字を書いてみせる。 「あぁ」 「ほら?伝わるでしょ?」 ふたりがウ