【ひらめき膝】#毎週ショートショートnote
大変だ。大臣が膝を打ったよ。
マジ?ヤバイよ。また閃いちゃったの?
ほらほら口元。笑ってるよ。
うわぁ。本当だ。閃いちゃったよ。
え?どうした?
大臣の膝打ち。
え?「ひらめき膝」の発動?
記者たちが詰めているモニタールームが騒然とし始めた。
記者会見室に向かう記者たちの足取りは重い。
さっきのあれは本決まりなの?
決まりなんでしょ?なんたって大臣が閃いちゃったんですから。
今回はいつにも増してくだらないこと閃いちゃいましたね。
おいおい。くだらない言うなよ。
モニター越しに見ていた議会の模様を思い出す。
何故、議員たちは大臣の言葉に異を唱えないのだろう。
大臣の閃きは絶対なのか?
問題は、たまにある的確な閃きだよな。
あれがあるから無闇に反対できないんだろうなぁ。
記者会見室で大臣が言う。
「この度、発行ビザの名称を変えることにしました」
やれやれ。それに何の意味があるんだよ。と誰かがぼやきかけた時、大臣はパンと膝を打った。
また何か閃いたようだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?