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一般書の感想

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マンガや小説以外の読んだ本の感想です
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記事一覧

感想:食う寝る坐る 永平寺修行記:暴力と修行の錯誤

本書の背景事情本書は1994年に発行された本で、著者が当時の永平寺で体験した1年間の修行内容…

立木茂
3週間前
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感想:変な家:異世界の住人の人間観察記録と思って読むべし

本作は、映画化され、続編も好評な雨穴さんの大人気ミステリー小説です。 YouTuberでもある雨…

立木茂
3週間前

感想:地質学者が文化地質学的に考える:地質学の本ではないので注意

私は本書を地質学についての本だと思って購入したのですが、そうではありませんでした。 まず…

立木茂
3週間前
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清水俊史氏の学説をめぐる仏教学の論争を見て思ったこと

先日、仏教学の世界で清水俊史氏の学説をめぐって論争が起きていることを知りました。 私の属…

立木茂
8か月前
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感想:「私物化」される国公立大学:味方の大学私物化は正義で、敵の大学私物化は悪

本書は「国公立大学が個人や役所によって私物化されている」という批判をしています ですが、…

立木茂
8か月前
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感想:ポケモン×工芸―美とわざの大発見:全力で遊ぶ工芸職人がカッコいい

本書は 金沢の国立工芸館で2023年3月21日から6月11日まで開催されていた「ポケモン×工芸展」…

立木茂
8か月前
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感想:宗教と日本人 葬式仏教からスピリチュアル文化まで:宗教を構成する3つの要素「信仰」と「所属」と「実践」

本書では宗教を「信仰」と「所属」と「実践」の3つの要素で解釈します。 教義を信じ、それを守ることを強く意識するのが信仰。 その団体の一員である事を自覚して活動に協力するのが所属。 何らかの行動を伴うのが実践。 本書ではこの3つの要素で日本での宗教の在り方を以下のように分類します キリスト教は信仰と所属と実践がセットで要求される宗教です。 人生そのものが宗教と共にあります。そして、中でも信仰を持つことが特に重要となります 仏教は、信仰なき実践の宗教です。 例えば、日本人は

感想:パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか:説得力がある反面、分析を恣…

本書は、境界性、自己愛性、演技性、反社会性などの10タイプのパーソナル障害の特徴を解説し…

立木茂
9か月前
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感想:小説家になって億を稼ごう:小説執筆は念能力の修行ではありません

何のことか分かりにくいタイトルをつけてしまいましたが、本書で推奨している小説執筆方法の想…

立木茂
11か月前
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感想:京大 おどろきのウイルス学講義:トンデモに走った学者の駄本

本書の著者は、コロナワクチンの効果を否定する反ワクチン派の代表的な人物になります ワクチ…

立木茂
11か月前

感想:土偶を読むを読む:専門家としての責任を果たした力作

本書は、「土偶を読む」という本の問題点を指摘した本であると同時に、最新の縄文研究を分かり…

立木茂
11か月前
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感想:ネットの荒野を独り征く:ゆゆうた氏に見る成功するYouTuberの条件

1968年、現代美術家のアンディ・ウォーホールは「未来には、誰でも15分間は世界的な有名人にな…

立木茂
11か月前
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感想:予測する心:内容は素晴らしいですが、訳があまりにも直訳すぎる

本書は自由エネルギー原理について解説した良書です。 この本の内容の素晴らしさは、様々な書…

立木茂
11か月前

感想:作家で億は稼げません:文客商売

本作は、専業作家として生計を立ててきた著者がそのノウハウを紹介した本です。 本書は小説の技巧を紹介しているのではなく、本を書き始める前と無事に書き終えた後にすべきことを指南しています。 新人賞でデビューした方が生存率が高い、本を出したらあちらこちらに献本をすべし、編集からの書き直し要求にはどのように対応すべきか、等々の実用性の高い話が満載です 本書を読んで思うのは、作家という仕事は出版社の需要に応えて作品を用意する文客商売なのだということです。 建設家が自分の好き勝手な建物