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【本から学ぶ】無料より高いものはないという話

みなさんこんばんは、福田達也です。

今回は書籍から学ぶということで、以前読んだ書籍『行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』から学んだことについて、自分の身の回りのことも含めて紹介したいと思います。

本日のトピックは、第三章「ゼロコストのコスト なぜ何も払わないのに払いすぎになるのか」よりです。

本のサマリ

私たちは失うことを本質的に恐れているため、目に見えて何かを失う心配がない無料に対して強い魅力を感じる。しかし、一見目に見えて何も失わない無料を選択することで、往々にしてほかの活動へにかけるための時間や、よりよい選択を選ぶチャンスを失う傾向がある。そのため、無料の選択祭がある場合には、本当にそれによって失うものが無いか、気をつける必要がある。

逆に自分がビジネスを展開するのであれば、無料の概念をうまく利用することだ。値段ゼロは単なる値引きではなく、まったく別の価格であることを認識すべきだ。

無料のコスト

書籍では、いかに無料なものが私達にとって魅力的であるか、無料であるというだけでいかに私達が合理的に判断できなくなるかについて紹介されていました。

無料に惹かれる理由は明らかで、無料のものは一見して失うものがないためです。行動経済学の中では、私たちは何かを失うことを極度に恐れる傾向があることが知られています。普通であれば購入によりお金を失う痛みを味わうはずが、無料でことで痛みを味わわなくてすむ。そこに大きな魅力があります。

しかし一方で、無料に飛びつくことで、実は何かを失っているということはよくあります。

例えば、お金を失うケースです。この例は、海外でよくある『Buy 2 Get 1 Free』(2つ買えば1つ無料)や、コンビニでよくある〇〇円以上買ったら『無料で』〇〇プレゼントというものです。本来一つで十分なものなのに、無料のために追加で買ってしまう。コンビニのケースであれば、〇〇円以上の数字は、平均的な客単価より高いことが知られています。このように、一見得しているように見えるもののために、追加のお金を払って不要なものを手に入れているケースがよくあります。

あるいは時間を失うケースもあります。パッと思いつくのはポイ活(ポイントを手に入れるために様々なタスクをこなす活動)でしょうか。私たちは『無料』で、他のものに変えられるポイントを手に入れていると感じています。しかし、その裏では貴重な時間や機会などを失っています。あるいは、入場無料の美術館や、今だけ無料の漫画など。それほど興味がないのにも関わらず、無料のために長時間並んだり、読むために時間を浪費する。

無料の力

このように、消費者目線から見ると、多くの無料サービスにおいて、実はその裏に目に見えない代償を支払っているケースは多くあります。逆にこのような時、企業にとってはどのようなリターンを得ているのでしょうか。

お金を失う例は、客単価を上げるというリターンです。小売の売上は、客単価×客数で計算されますが、一人一人の客単価が上がることで、売上が大きく上昇します。無料提供分による利益減を補って余りあるほど上昇すれば、戦略として成功と言えるでしょう。また、このような無料がより認知されれば、客数の向上も期待できます。

時間を失う例では、認知やタッチポイントを増やせることです。サービスの成長度合いを示すものにAARRRモデルというものがあります。

AARRRとは、サービスの成長段階を表す5つの言葉の頭文字をつなげたものです。

それぞれ、Acquisition(獲得)、Activation(活性化)、Retention(継続)、Referral(紹介)、Revenue(収益)の5つです。その成長段階ごとに可視化する事で、現在のビジネスステージの確認や、課題を抽出しやすくできるのです。

https://www.innovation.co.jp/urumo/aarrr/

認知が増えれば潜在的な顧客が増え、将来的な売上げアップが期待できます。1日待てば1話無料!のようなサービスは、Retention(継続)率のアップが期待できます。毎日触れる理由を作ることで、ユーザーをサービスにつなぎとめる。その結果、将来的に求めているものが刺さり売上につながる、あるいは他のユーザーへの拡散が期待できます。

終わりに

今日は、書籍『行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』から、学んだことや感じたことを書いてみました。

身の回りにある沢山の『無料』ですが、私達にとってよいものもあれば、実は何かを失っていることもたくさんあります。ただ飛びつくのではなく、それは本当に自分にとって必要かを考えるのが重要です。

また、無料を使ったビジネスモデルや理論については、『フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略』という本が面白かったです。まだ読み途中で積んでいるので、機会があれば読み進めて、紹介できればと思います。

本日も読んでいただき、ありがとうございました。
また次の記事でお会いできることを楽しみにしています。

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