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今話題のゴーストキッチン。その問題や注意点は何なのか

みなさん、こんばんは。福田達也です。

以前の記事ではゴーストレストランの事業形態やそのメリットについて取り上げました。

以前の記事にも書きましたが、ウィズコロナの時代に、ゴーストレストランのような事業形態は今後ますます増えていくと思います。

今回は、そんなゴーストレストランについて、今現在起こっている問題や注意すべき点について調べてみました。

注目されるゴーストレストラン

前回の記事の振り返りになりますが、ゴーストレストランとは、客席を持たず、キッチンのみで営業する新しいタイプのレストランです。その収益はテイクアウトやUber Eatsなどの宅配サービス、あるいはキッチンの貸し出しといった形で立てられています。

レストランからテイクアウトへと需要が添加していくウィズコロナの時代に、坪地面積を押さえられることと、客の回転を気にしなくて良いことから、より安価にスタートできるレストランの一形態として注目されています。

最近では個店のみならず、ローソンやカプリチョーザなど、コンビニエンスストアや大型チェーンも参入してきているようです。

ゴーストレストランの課題

バブルは過ぎ当初ほどの勢いはない

最近のゴーストレストラン事業の売上に関して、ゴーストレストラン事業に力を入れている盛永氏は下記のように述べています。

現在、弊社直営は9店舗(内3店舗は業務委託店舗)で、1店舗あたり月商300万~500万円程度で推移し、好調だと言えると思います。FCは2020年9月頃から募集を開始して150程度の拠点数です。この頃はいわゆる「出せば売れる」という状態で1ブランドあたり1日10万~20万円ほどの売上がある時期もありましたが、現在は1日1万~5万程度に落ち込んでいます。市場自体が伸びたことでアカウントが激増し、それにともなって1アカウントあたりの売上が落ちているということが顕著に出ています。

https://www.inshokuten.com/hikaku/fc/contents/fc_interview/3

当初は多くのメリットがあり、注目の事業形態という事で、多くの店が参入してきました。その結果過当競争となり、一店当たりの売り上げは落ちているようです。

更には、発展してきた当時に比べて新型コロナウイルスによる影響も収束しつつあります。外食の利用が以前のように戻ってゆくからこそ、本当の実力が問われるのはこれからだということでしょう。

ネットの評判の影響を直に受ける

実際に店舗を構える一般のレストランと異なり、ゴーストレストランの事業形態はユーザーからは不透明です。だからこそ、マーケティングやプロモーションの力を駆使して、いかにブランドを築いていくかが重要になります。

一般に顧客の購買行動のフレームワークとしてAIDMAやAISASといったモデルが使われることが多いですが、同じようなことがここでも言えるでしょう。まず認知を高めて興味づけて利用していただく。そしてそれをリピートし、拡散してもらう。この流れをいかに作れるかが勝負になりそうです。

ただ、簡単な世界ではない。SENTOENの山口大介代表は、この業態を「最初は写真などの見せ方が重要になるが、継続して利用してもらうには味が大切」と話す。

ゴーストレストランで一般のWEBサイトに掲載されているところは少なく、多くはデリバリープラットフォームのアプリやサイトのみで情報を見られる。そのため、利用者の評価が今後の継続利用や新規利用の獲得につながる。「美味しいと評判になればリピートにつながる。大手チェーンに比べて宣伝力で劣る個人店も同じ土俵で戦えるのでは」と力を込める。

https://www.ssnp.co.jp/news/frozen/2021/08/2021-0810-1712-16.html

店の雰囲気が一見してわからない

最後は経営側ではなく、一般消費者から見た懸念点です。店舗を構えるレストランであれば、店構えや客の入り具合、店員の態度などでどのようなお店かある程度判断ができます。

しかし、ゴーストレストランにおいては、顧客が触れるのはサービスの写真やユーザーの評価のみ。しかも、店名を変えれば何度でも新規に立ち上げ直すことができる。歯に衣着せぬ言い方をすれば、騙して少しのお金を取る事は難しくないということです。

ネットオークションや、EC販売、民泊サービスなど、ウェブ上のその他サービスで問題になってきたものと、どうようの課題を抱えているということです。

ただ、顕在化している問題として専門店でないのに専門店のフリをして営業するゴーストキッチンが多い。もう少し厳しい表現をすれば、おいしそうな画像だけ用意し、実際は説明がないままに冷凍食品を温めただけのものが届くことがある、ということだ。

https://business.nikkei.com/atcl/plus/00006/070800003/?P=2

デリバリーアプリ側も料理の評価や通報機能などを備えている。ただ、食べログやRettyなどで評価が確認できるのは、一部の店舗に限られている。大多数のゴーストキッチンはページを作成されていないこともあり、ユーザー側が初回に購入する際にはギャンブルに近い状態だ。きれいな商品画像だけを見て、お店の調理状況や片手間調理のゴーストキッチンかどうかを見抜くことができない。しかも低評価が増えてしまったら、店舗の名前とロゴを変えて新規オープンすればいいだけのことだ。

https://business.nikkei.com/atcl/plus/00006/070800003/?P=2

終わりに

今回は、今増えつつあるゴーストレストランについて、現在の状況や課題、気をつける点などを紹介しました。今後ますます増えてくるサービス形態からこそ、その付き合い方もしっかりと考えていかなければなと思います。

また、全く異なるサービスであっても、その提供チャネルによって潜在的に同じ課題にぶつかるというのは面白いですね。何をするにしても、似た所から学ぶというのはとても重要だと感じました。

本日も読んでいただき、ありがとうございました。
また次の記事でお会いできることを楽しみにしております。

参考文献


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