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小説『海風』【第一章を無料公開中】

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無料公開中のオリジナル小説『海風』のまとめです。
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#海風

小説『海風』僕の話(7)【第一章を無料公開中】

七  それから僕は部屋でただ息をしていた。喉の奥まで綿をいっぱいに詰められたぬいぐるみの…

武藤達也
1か月前
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小説『海風』僕の話(6)【第一章を無料公開中】

六  意識を取り戻した時、僕は自分のベッドで寝ていた。彼はベッドの横にキャンプ用のマット…

武藤達也
1か月前

小説『海風』僕の話(5)【第一章を無料公開中】

五  今日は曇天が広がっている。歩き始めてから三日が経つが、結局のところまだ宿には一度も…

武藤達也
1か月前
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小説『海風』僕の話(4)【第一章を無料公開中】

四  朝、目を覚ますと彼は豆を挽いていた。ガラガラと音を立てるミルと豊かな香りが空気に染…

武藤達也
1か月前

小説『海風』僕の話(3)【第一章を無料公開中】

三  僕は宿に泊まる想定だったのだが、彼が強引に勧めるので外でテント泊をする流れになる。…

武藤達也
1か月前
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小説『海風』僕の話(2)【第一章を無料公開中】

二 ピンポーン …… ピンポーン 誰だ?というか今は何時だ?スマホの画面を見ると午前四時…

武藤達也
1か月前

小説『海風』僕の話(1)【第一章を無料公開中】

全編購入はこちらから 風を浴びたい。 僕らの間を吹き抜ける海風を。 そして全ては命を取り戻すだろう。 重荷もきれいに、風と共に去っていく。 沈んで。波にのまれて。太陽に届いて。 最後はどこへ行きつくでもなく、ただ海風として。 僕の話一  生きることは死ぬことを内包している。出会いは別れを孕んでいて、幸せもどこか悲しげな顔をしている。 「君を、愛していないんだ」 正確にはその時、愛がどういうものなのか、僕にはわからなかった。そんな高尚なものがこの世にあるのかすら