小説『海風』僕の話(2)【第一章を無料公開中】
二
ピンポーン
……
ピンポーン
誰だ?というか今は何時だ?スマホの画面を見ると午前四時だった。明らかな異常事態である。
ヴゥヴウウウウウウウ……
手に持ったスマホが震える。電話のようだ。無視して眠りたいのはやまやまだが、仕方なく出てみる。十中八九チャイムの押し主だ。
「おいおい、ピンポン押したの六回目だぞ。いいかげん起きろよ!」
呆れているらしいが、呆れたいのはむしろこちらの方だろう。間違いなく。
「いきなり何?というか、押しすぎでしょ」
「リプライしただろ。俺