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教育のはしくれ

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塾産業の中で教育などと偉そうには言いませんが、父親として息子たちと向き合ってきた一人としての体験と意見。時代的に早すぎた「イクメン」としての背景から、言葉を零してみます。
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#文章

言葉を考えたりとかしませんか

言葉を考えたりとかしませんか

作文を小中学生に教えることがある。中学生となると、いろいろな大人の文章に国語で触れるものだから、さすがに感得できるようになるが、小学生だと、どうにも直らない性質がある。それは、話し言葉をそのままに文字にする、ということである。
 
耳で聞いて言葉を覚える幼児の段階では、文字で書いたときに発覚することがある。宿題を「しくだい」、体育を「たいく」、言うを「ゆう」のように書いてしまうのだが、これも話し言

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読点

読点

文章を書くのが上手でない人の特徴の一つは、読点が打てない点にある。小中学生の作文を見ると、言いたいことが整っており、スムーズに伝わってくるときには、概して自然な読点が打たれている。だが、風呂上がりにジャージを穿くように、足がひっかかりもっかかりとなるような印象で読む文章は、読点の打ち方がおかしいという場合が多い。頻繁に不自然にブレーキランプが点く車の後ろを走るとドキドキすることがあるが、読点は、走

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教え、教えられ

教え、教えられ

不思議なもので、うまい人が見ると、文章の上手さ下手さはよく分かるらしい。私の文章もそうで、人に読ませるようなものではないのだという。
 
だが、文章をそれなりに書き続けていると、小中学生の作文の指導くらいはできるようになってくる。彼らもまた、自分では頑張って書いているつもりなのだが、そこは教育的指導をこちらがすることで、いろいろ気づかされることがあるようだ。文章を比較的書き慣れているであろう生徒も

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