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聖書と信

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聖書はひとを生かすもの、という思いこみだけで、お薦めします。信仰というと引かれそうですが、信頼などの信として、ひとや世界を大切にする思いが、少しでも重なったらステキだな、と思いつ…
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2023年6月の記事一覧

よい聴き手

よい聴き手

「説教者は、よい聴き手によって支えられる」――加藤常昭氏の『自伝的説教論』に出てきた一文である。加藤氏は、説教者の立場でこれを書いている。自分の生い立ち、特に説教者として立てられることと、立てられてからのことが、克明に書かれている。
 
「説教者は、よい聴き手によって支えられる」――まさに、その通りであると私も思う。私は聴き手としての立場でこれを書いている。そしてこのことは、「よい聴き手のいない説

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ダイヤモンド

ダイヤモンド

Eテレで週に一度放送される5分間のミニアニメ「かいじゅうステップ ワンダバダ」がなかなか可愛い。円谷プロが生みだした怪獣のチャイルドバージョンが、子どもたちの身に起こるような問題を乗り越えてゆく。失敗したり、少々わがままな子がいたりするが、赦しと和解が最後に待っているということが多い。子どもにもメッセージがはっきり分かるように制作されているため、大人から見れば先が分かっている展開であるように思われ

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見えない・聞こえない

見えない・聞こえない

見えない・聞こえない――そこに呪いのようなものが描かれる。サムエル下5:6-8である。
 
6:王とその部下の者がエルサレムにやって来て、その地の住民エブス人を攻めようとした。エブス人はダビデが町に攻め入ることはできないと思い、ダビデに言った。「ここには来られまい。目の見えない者、足の不自由な者でも、お前を追い払うことは容易だ。」
7:だが、ダビデはシオンの要害を攻め落とした。これがダビデの町であ

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聖書について願うこと

聖書について願うこと

聖書について霊感説と称されるものがあり、一部の人にはたいへん不評である。もう少し的確に言えば「逐語霊感説」という。聖書を直接記したのは、間違いなく人間である。だが、それは神の霊感を受けて書かれたものであり、一字一句誤りがない、とする考え方である。
 
確かに、それは信仰という点では正統的であると言えよう。聖書は神の言葉であるとするなら、そこに誤りがあるという目で見ることはよろしくない。どうも、カト

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