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本とのつきあい

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本に埋もれて生きています。2900冊くらいは書評という形で記録に残しているので、ちびちびとご覧になれるように配備していきます。でもあまりに鮮度のなくなったものはご勘弁。
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2022年5月の記事一覧

『説教 十字架上の七つの言葉』(平野克己・キリスト新聞社)

『説教 十字架上の七つの言葉』(平野克己・キリスト新聞社)

ようやく手に入ったのが、5月。3月の発行以来、待ち焦がれていた。
 
副題に「イエスの叫びに教会は建つ」とあるが、すべて看板に偽りなしであった。加藤常昭先生の弟子として、日本の説教をいま背負っているような人の、実に意外なことだが、初の説教集である。これを期待しないで、何を期待すればよいのであろうか。
 
時は2020年、イースターを前にした2か月の間。覚えておいでだろうか、新型コロナウイルス感染症

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『感染症の世界史』(石弘之・角川ソフィア文庫)

『感染症の世界史』(石弘之・角川ソフィア文庫)

新型コロナウイルス感染症以前の本である。単行本としては2014年に出ており、この文庫も2018年である。新型コロナウイルスについて知るところのない本である。おそらく2003年のSARSまでは十分知るところであるにしても、文庫版はその後の情勢をも踏まえて加筆修正を施しているのだという。
 
微生物が人や動物などの宿主に寄生し、そこで増殖することを「感染」といい、その結果、宿主に起こる病気を「感染症」

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『ここが変わった!「聖書協会共同訳 旧約編」』

『ここが変わった!「聖書協会共同訳 旧約編」』

(大島力・小友聡・島崎克臣編 日本キリスト教団出版局)
 
2018年末に出版された、日本聖書協会の新しい聖書。30年を経ての言葉の変化を背景としているとも言えるけれども、新しい研究や見解を踏まえていることが、今回非常に目立っている。これまでの教義や神学を変えねばならないほどにまで、その変更が及ぶことがあるとなると、教会もすぐに全面的にこの聖書を取り入れることは難しいかもしれなかった。
 
比較的

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