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[時事]手作り漬物が作れなくなった。改正食品衛生法により!

#時事 #食品衛生法
#漬物 #浅漬け #食中毒  

今年(2024年) 6月から「道の駅」の漬物、その種類が一気に減ったようにみえる。食品衛生法の改正によりルールが一変。それまでの設備では作ることができなくなった。深刻なのは農家といえる。第二の収入源として地場野菜や果実を利用して加工販売していたからだ。ただでさえ生活が苦しくなっている農家、さらに厳しい状況となった。

*法改正のきっかけとは?
今からおよそ12年前(2012年)、北海道札幌市の食品メーカーで作られた白菜の浅漬けによる集団食中毒。腸管出血性大腸炎O157により、169人が発症し、子供を含む8人が死亡している。この事件がもととなり、厚生労働省で審議され、結果として法令が改正された。

しかし、不思議な事は、浅漬けは「漬物」なのか?という疑問。漬物に詳しい専門家によると、過去20年で漬物による食中毒は一度も起きていないのだ。食中毒になったのは、すべて浅漬けか、キムチを混ぜただけの食品だと言う。

*行政の問題点?
国の役人、その担当者はそれぞれ短い期間で移動するため、じつは専門的知識を持っているものが少ない。知識や経験の少ないものが、机上で考えるのだ。これでは現実に即した法令(規制)になるはずがない。

もう一つの問題点。一度決まってしまうと、それを変更できなくなるということがある。人間、誰でも間違いを犯す。間違いはそのものをなくす事は不可能だろう。だとしたら、第三者がそれを指摘し、修正すべきだと言えるのではないか。そういった制度が日本にはないのは致命的といえる。今回の法改正で、一番打撃を受けたのは農家とその高齢者。弱い者イジメをしているようにしか見えない。

*オンブズマン制度とは?
この制度、スウェーデンで1809年に生まれている。スウェーデンの場合、議会オンブズマンと呼ばれ、監視する対象は、行政機関と公務員そして裁判所である。仕事としては、法令の遵守状況の監督。年間5千件ほど取扱っているようだ。

日本においては、地方行政を監督するオンブズマン制度がほとんど。それもごく一部の自治体に限られる。国がおこなう制度に問題があっても、これでは泣き寝入りをするしかない。今回の漬物に関する法改正、明らかにオカシイ事はその専門家なら、誰でもわかることだ。日本の食文化のひとつが失われることに看過することはできない。

*どう法改正されたか?
まず今までは自宅のキッチンでの調理が一般的だった。今回は専用の作業所が必要になるようだ。流しや手洗いに、肘で開閉できるハンドル付き蛇口をつけなければいけない。さらに壁面も水で流せらせる素材である必要がある。また土間には水を排水できる「排水溝」も完備しなくてはいけない。

作業所から造るとなると、およそ300万円ほどかかる。自宅を改造するのであれば、100万から200万円くらいのようだ。これら漬物を作ってきた人は高齢者が多い。役所への手続きも必要とされ、かなりの負担となってしまう。そこで止めることにした人が多くでたことだと言う。

2018年に法改正し、施行が2024年6月からだった。その間にほとんどの人が対応できなかったということだ。地方自治体や農協などの支援がほとんどなかったというのも問題だった。欧米各国は、農家に対して手厚い保護をしている。日本にこの考えがないというのは残念ということだろう。

*マスコミにも問題あり!
マスコミ本来の使命、それはこういった問題への早めの警告にある。ここに来てようやく騒ぎ始めたが、ただ食文化のひとつがなくなることを訴えるのみ。マスコミは本来やるべき仕事をやっていないと言っていいだろう。

もっと早くから地方自治体や農協などに警鐘を鳴らすべきではなかったか。マスコミを報じている情報、これら全て後手後手に回っている。この辺の改革も必要といえるだろう。

*まとめ
日本にあるべきものは、国家やマスコミを監督するオンブズマン制度と言える。政財官界とマスコミに対し「モノ申す」、そんな組織が欲しいところだ。そんな仕組みがあれば、今回のような問題を起こらないはず。「変な忖度」」がまかり通る国ではいけない。そういうことだろう。

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