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供養140字

 一分一秒でも長く、あなたといたかった。
「手をつながない?」
 徐に聞いた私に、あなたはうなずいて私の手を握ってくれた。
 愛する友達との、久しぶりのお出かけだったのに。
 互いの温度を分け合うことが出来るのは、あとどれ程なのだろう。
 バスが来て、私は涙を堪えて手を離した。

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