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M-1芸人さんも根本は同じ悩み。作り手は受け手の顔色を伺うだけで本当に良いの?

これは、私がnoteで記事執筆をする中で悩んだことである。

どんな記事を読み手が欲しているか。どんなキーワードなら検索数が多いかなどということばかり考えて、いつしか「自分が書きたいこと、伝えたいことを発信する。」のではなく、検索のアルゴリズムに気にいられる事ばかりを考えるようになってしまった。


そんな中、出会った一本の動画
オズワルド畠中さんと、ヨネダ2000の誠さんが焚き火の前で自分のネタづくりに対して意見を交わし合う内容だった。

「焚き火で語る」というテレビ朝日が企画しているyoutubeコンテンツで、「焚き火の前で話せば2人の仲が溶け合う」をコンセプトに様々な組み合わせの芸人2人を焚き火の前に座らせて、仕事観・生き方・人生観などを赤裸々に語る動画シリーズがあり、お笑い芸人が好きな私は真剣にお笑いを語る芸人さんを見ることができるので、非常に好きなシリーズとして見ている。

オズワルド畠中さんと、ヨネダ2000の誠さんのネタづくりの考え方に、私はマーケティングでいう、プロダクトアウトとマーケットインの概念を見た。そして、そこから改めて作り手について考えを巡らせたのである。

畠中さんは、2019年から4年連続で決勝に進出しているが惜しくも優勝の逃しているという状況であった。焚き火では、2022年のM−1を振り返ってこのように語っていた。
このセリフにマーケットインとプロダクトアウトの影を見たのである。

「ミルクボーイさん、マヂカルラブリーさん、錦鯉さん、ウエストランドさんにしても、ずっとやっている事で結果が出た。そうあるべきだと思う。そのことに2022年に初めて気がついた。“Mー1で勝つためのネタ“見たいなものを作っていたけど、Mー1のために作っちゃだめなんだ。どういう人たちが決勝に言っているのか、ネタの後半で(笑いを)盛り上げて行くとか、自分なりに研究していたけど、そういう事じゃない。

面白いことやり続けた人が優勝できる。」


私は、この記事を書いたときの自分の気持ちと全く同じ気持ちだと思った。


プロダクトアウトとは、作り手が作りたいものを製品開発・商品開発すること。
マーケットインとは、市場のニーズ、顧客のニーズを汲み取って製品開発、商品開発するとこを指している。

それぞれの代表例を調べると、
プロダクトアウトではiPhoneが紹介されていた。確かに、ガラケーを使うことが当たり前だった市場にiPhoneのようなスマートフォンが欲しいと思って思っていた人はいなかっただろう。


マーケットインでは、朝専用缶コーヒーが紹介されていた。マーケティングデータに基づいて、コーヒーが購買されている時間帯から、コーヒーが朝飲まれているところに着目して、朝に飲むのにおすすめな缶コーヒーを開発したということだろう。

私は、畠中さんの発言にマーケットインとプロダクトアウトを見たのである。優勝している芸人さん達は、もちろんMー1で優勝するために努力をしているのだろうが、受け手がどんなものを求めているかに端を発したネタづくりではないという畠中さんの分析は私も同じことを思う。
彼らはプロダクトアウトのネタづくりなんだと思う。対談したヨネダ2000のネタはまさにプロダクトアウトで作られたもので、畠中さんはそれを関心していた。


畠中さんの紹介した発言は、Mー1の傾向と対策、漫才の傾向と対策を研究したがゆえに、マーケットインになりすぎてしまった(セオリーや顧客のニーズばかりを追い求めてしまった)ということをではないだろうか。これは、私がWebマーケに少し疲れたと思ったときの感情と似ていた。

ここからは、少しマーケティング業務よりな話にはなるが、商品開発、製品開発の場でも同じようなことが起きているのでは無いかと思う。

私の仕事としているWebマーケティングは、
検索ニーズや、SEOとして評価されるための、記事の網羅性など、自分の書きたいことよりは、ニーズを満たすために書く必要があることを集めてものを作る、マーケットインな活動が多く、プロダクトアウトのような発想をする機会から少し離れてしまっていると感じた。


しかし、一生懸命構成を考えてSEOを実施した記事は、Webに公開されると、競合記事に模倣されて、検索順位が日々変動してしまっている。また顧客のニーズ満たすコンテンツ作成においても、そもそものニーズが世の中にデータで見えやすくなってしまった為か、最終的に出来上がるものは、他社でも作成しているものと類似したものになっているように思った。社内で施策を通す時も、「他社も実施しています」がどれだけ説得力が高い言葉であろうか。


私は、競合より先に製品サイトの構成をこのように変えるべきだと主張したことがある。ただ、当時の私の説得力不足でそれは叶わなかった。しかし、半年後に、一番の競合が私が言っていた形にサイトを変更しており、うちは慌てて追随した。悔しかった。


ニーズから捉えると、確かに失敗は少なくなるし、マーケとしてはそれが常套手段なので、マーケットインなコンテンツ作りで全く問題ないと思う。でも、マーケ予算が限られている中で、マーケットインなコンテンツだけを作成して、他社と背比べをしていては、マーケ予算を多くかけれる方に軍配が上がるのではないかと思う。


私のようなチャレンジャーは、プロダクトアウトなコンテンツをアイディアを持って企画して、発信して届けることで予算のビハインドに対応していく必要があるのではないか。
その力を養っていく必要があるのではないか。
もちろんニーズから端を発するのがいいとは思う。ただ、ニーズの中で収まるようなものではなく、もっとニーズを超えていけるような、アイディアを出していけるようになっていきたいと思った。


なので、noteを書いてちょっと面白いと思ってもらえるような、コンテンツを発信する練習を始めたのかもしれない。


終わり。

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