鮮烈の大東亜!(全44話分で100円)

現代に生きる男女2人の学生が、大東亜戦争[太平洋戦争]の開戦直後の日本にタイムスリップする。
2人はその世界で出会い、そして共に、日本の未来を変えようと決意し、
各海戦に参加し、活躍していく物語。その時代の日本そして世界はどうなるのかを描いた話。
史実を背景にした物語です。

本作はチャットノベル形式で書かせて頂きましたので、凝った小説らしさというより
漫画の様な読みやすさがあると思いますので是非楽しんでください。


1話:序章

玄冬が季節を織り成す中、世の人々は本年を振り返る者も、その暇も無いものも、
今年の最後の月を精いっぱい過ごすのであった。
この年は御代替わりが行われ新元号の令和が始まった年である。
この年の春人々は新元号を祝っていた。
昭和から平成に御代替わりした時の昭和天皇が崩御されたときとは違い、平成の世を
務められた今上(きんじょう)陛下の父上は、退位され上皇陛下となられたからで
ある。
その令和元年も終わりを迎えようとしていたころ神奈川県横須賀市の防衛大学校
では人によっては厳しい訓練また人によっては楽しい講義がなされていたのである。  
  
井上胡桃(いのうえくるみ)「おはようー、一花」

園田一花(そのだいちか)「あ、おはようー、胡桃」

防衛大は全寮制であり園田一花(そのだいちか)と
    井上胡桃(いのうえくるみ)は防衛大の数少ない
    女子生徒で、寮の同室であり同じ3年生のルームメイト同士である。

胡桃「今朝は一緒の講義だね」

一花「そうだね。そういえばもうじき年末だけどどうするの?」

胡桃「もちろん帰省すると思うけど一花は?」

一花「私も帰省するよ。って言っても近くだけどね」

胡桃「どこか行く予定あるの?」

一花「家族で初詣行ったあと、高校時代の友人と福岡から熊本、鹿児島と、
   九州縦断旅行だよ。
   鹿児島では知覧特攻平和会館に行く予定よ。胡桃はどっかいくの?」

胡桃「私も昔の友人と京都観光と大阪食べ歩き旅行ー。クリスマスは
   相変わらず寂しいけどね」

園田一花はやや長髪でくっきりとした二重瞼の美女であり、
    井上胡桃は園田一花より若干短めの髪でこれまた活動的な
    美女である。

一花「それは私も同じよ、しかたないわよねー、特に私たちの場合は」

胡桃「一花はかわいいんだからさー、今まで休日東京行ってスカウトされたり
   したんじゃないのー?」

一花「何言ってるのよー、私はそんなんじゃありませんー。胡桃こそいい線いってる
   じゃないのー」

胡桃「ありがと、それにしても1年のときの訓練はきつかったよね」

一花「そうね私も女子では体力も自信ないではなかったけど、1年のときはそう
   だったよ。
   同じようにしたら男子との違いを見せつけられたよあの時は」

防衛大は入学後も女子は訓練も分け隔てなく男子と同じ課題をこなさ
    なければならないのである。
    それも鍛え抜かれた男子である。

胡桃「一花はまじめだからねえ、私はしばらく慣れたらなんとか甘えたふりして
   やってこれたけど」

一花「私もよく続いたもんよ、男子でも訓練や上級生との折り合いでどんどん
   やめていったもんね」

大日本帝国時代の軍隊は男の世界で、ただでさえ軍人は色々な意味で
    娑婆(しゃば)なんかと一緒にするな等と言っていたくらいである。

一花「勉学のほう頑張ることにしてるけど、これもなかなか戦略とか戦術は
   どうもね。
   法律とか経済とかその辺は社会科学だから普通の大学でもやるし、そんなに
   苦手でもないんだけどね」

胡桃「でも一花の戦史は学内でもトップクラスだからね」

一花「胡桃だって法律は相当じゃない」

胡桃「でも法学部行ってたとしても、司法試験は難しいよ」

一花「私だって過去の戦争の歴史はともかく、ここから未来のことまでわかるわけ
   ないもの、役にたつものかどうか」

胡桃「私たちはこれでやっていくんだから自信もっていこー」

一花「そうね、それしかないもんね。まあ服も着替えたし行こ、胡桃」

胡桃「うんそうね。遅れたら大変」

一花「あ、ちょっと寝室に忘れ物、先に行ってて」

胡桃「わかった、じゃ先に行ってるね」

一花「はーい。さてと、どこいったっけかな、無かったら無かったでさっさと
   いかないと」
     
    一花は寝室に入って忘れ物を探していた。しかし部屋の
    辺りが急に歪んだようになり、平衡感覚を失った。

一花「え、なにこれ目まい?」

どこからともなく声が聞こえる。
 
声「・・君には教訓を授けよう・・そしてもっと自信をつけることだ・・」
    
一花「何?何なの?これどういうこと?誰の声?」  
   
    声が段々小さくなっていく。一花は朦朧(もうろう)としてきた。
    そして意識を失った。

一方同時期

同じく防衛大学校学生寮

渋野忠和(しぶのたたかず)「よう、おはよう、晃司」

岡本晃司(おかもとこうじ)「おうおはようさん、忠和」

岡本晃司と渋野忠和は同じ防衛大4年生のルームメイトである。
    性格は結構違うのだが本人たちは気が付いているかどうか、
    なかなか気の合う二人である。

忠和「どうだ?任官するのか?」

晃司「うーん、拒否する人間はとうに決めてるからなあ、早く決めんとなあ」

忠和「晃司、お前は得手不得手がはっきりしてるけど、なかなか切れ者
   だからなあ任官しないと、もったいないんじゃないのか?」

晃司「各教科にも優秀なやつはなんぼでもおるやろ、お前もその一人やないか、
   忠和。
   でもそうやなあ民間企業行くにしてもとっくに就職決めとかんとだめな
   時期やしなあ。
   大手企業はもう無理やし就職浪人になりそうやしなあ、うーん防衛かあ」

岡本晃司は中肉中背の好男子であり関西出身ということもあり
    同学年や下級生には関西弁を使うのである。
    一方の渋野忠和は晃司よりやや長身で細目の同じく好男子である。

忠和「もう就職浪人は決まりそうで、就職浪人しても大手企業は無理だろ?
   お前軍隊ならとか言っていたが、自衛隊どころか防大でこれだけ厳しいん
   だぜ。
   お前持久力使う訓練でへろへろになってたじゃないか」

晃司「瞬発力使う運動やったら自信あるぞ、けど持久力はあれはもういやや。
   瞬発力の白金と持久力の赤筋の比率やったかこれは遺伝的に決まってるやろ。
   まあそれよりせっかくやったら大手企業いかな専門職ないもんな。
   文転して新聞社に就職してジャーナリストってのもおもしろそうやな」

岡本晃司は物心つく前から軍人志望であり、そのころ何故日本には
    軍隊が無いのだろう、あれば軍人になりたかったのにと思って
    いたが幼くして祖国の過去の敗戦を知りその理由の本質を知らずに
    一旦納得していたのである。
    その後、ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム
    (戦争についての罪悪感を日本人の心に植え付けるための宣伝計画)
    をはじめとする、GHQ連合国軍最高司令官総司令部のあらゆる
    日本が二度とアメリカに逆らえないようにする戦後の日本占領政策
    を知り少年の内にほぼ正しくその理由を知ったのである。
    軍隊に入り、実は更に残されたアジアの解放をしたいという思いが
    あったのであるが、それは現在の国際法上厳密には問題があることと、
    国防には今一興味を持ち切れずにいたことで煮え切らずにいたのである。

忠和「仕事だぜ、そんな興味あるなし言ってる場合でもないだろ、これだけの
   ことをしてきたんだ、任官するのが一番得策だぜ。
   俺に言わせるとこれで民間流れるなんて大損だ。
   ありえないけどなあ」

晃司「まあ任官して佐官までがんばって出世して、防大の教官目指すってのも
   ありやな」

忠和「やる気があるならがんばってみろよ、俺がお前の立場ならとことん頑張って
   それなりに知略をめぐらす地位に就こうとするけどな」

晃司「まあえっか、もう時期連休やな、年またぐけどゆっくり考えてみよ」

忠和「そういやもうしばらくしたら連休だな、連休は帰省するだろ?」

晃司「もちろん」

忠和「色々考えないとだめだろうけど、どこか出かける予定あるのか?」

晃司「そうやな泊りがけとかの予定はないけど、実家帰って古い友人と日帰り
   くらいで出かけるかな。
   大学校最後の連休やし遠出してみたいが、個人的には東京はもうよう
   行ったしな。
   どっか行くにしても、元旦くらいは実家で年超すかな。
   爺さんの将棋の相手もせなあかんしな。
   お前はどっかでかける予定とかあるんか?帰省して」

忠和「帰省って言っても近くだからな、俺も泊りがけの予定とかはないぞ。
   そうだな、お前とおなじく旧友と出かけるくらいかな。
   で、お前の爺さんネット出来ないのか?出来るのならネットでやれば
   いいのにな」

晃司「お前も予定なしか。爺さんな、ネットは出来るようになったんやけど、
   画面とか操作がどうとかでネットでは将棋は指さんらしいわ」

忠和「そうなのか?まあそれにしても大学生活ももうわずかだな。
   この寮ともお別れかと思うとなんだかなごりおしい気分だよな」

ほとんどの防衛大性が、卒業した後二度とこんなところに来るかと
    思うものなのだが、この二人も例外ではない。
    特に晃司の場合は。

晃司「ほんまやな、でもまあしかし4年で卒業できるんやったら御の字やで、
   まだ気いつけんとあかんけどな」

忠和「ほんとお前の場合むらがあるから及第点ぎりぎりってのもあったな。
   もうちょっとしっかりやればもっと安全にこれたのによくやるよ」

晃司「そこそこやったよ、結構な回数及第点ぎりぎりなんか狙ってやれる
   もんでもないやろ。
   なんとかすれすれって結構な回数安心できたで」

忠和「その分不安も多かっただろうが、なんだかしらないけどこっちまで
   ひやひやして損した気分だぜ」

晃司「そらどうもご苦労さんでした、あと残り少ない寮生活もそれで
   よろしゅうお願いしますわ」

忠和「頼むぞほんとにお前、じゃあ俺着替え終わったし先行ってるぞ」

晃司「おう。さて着替え終了、ああ帽子や、あれどこやったかな寝室かな、
   うーんとあった、こんなとこおいたっけな、まえっか行こっと」
 
    晃司は寝室を出ようとしたとき急に辺りが歪みだした風に
    なりちゃんと立っていないような感じに襲われた。
   
晃司「あれなんや目がくらむ、なんやこれ」

どこからか声が聞こえたようだった。

晃司「なんや、誰か呼んだんか?」

声「・・君には試練を与えよう・・そして使命を果たすことだ・・」
 
晃司「誰なんや?使命?どういうことや?」

声がどんどん小さくなっていく。

晃司「あかん意識が」

そして晃司は気を失った。


2話:出会い

西暦1941年12月日本

園田一花「・・ません、すみません、大丈夫ですか?どうなされたんですか?
     起きれたら起きてくださいませんか?」

岡本晃司には自分に呼びかける声が聞こえたようである。
    気が付くと、若く綺麗な目をした女性が、意識を
    失っていた自分を呼び起こしていたのがわかった。

岡本晃司「ん。あなたは?」

一花「気が付かれましたか?大丈夫ですか?怪我(けが)などはないですか?」

晃司は起き上がり軽く体を動かしてみた。

晃司「ええ、気を失っていた様ですが、大丈夫の様です」

一花「心臓も鼓動が聞こえて、見たところ怪我などはしてられないようでしたから
   起こさせてもらいました」
     
    晃司はさっきまでのことを思い出し考えを整理して、
    状況の把握に努めた。
    そしてこの女性は見たことある服装だったのに気付き聞いてみた。

晃司「その制服は、あなたはひょっとして防衛大の学生さんですか?」

一花「はいそうです。私も気を失っていたようで起きたら、あなたが
   倒れていたので声をかけさせてもらいましたが、その制服、
   あなたも防衛大の学生さんですよね?」

一花は晃司が倒れている時から人が倒れていて心配したのだが
    この男性が同じ防衛大の制服を着ているのにも驚きを感じ不思議に
    思って聞いてみた。
    
晃司「ええそうですよ。ここは校外のようですが、どうしたんでしょう。
   さっき登校しようとして、寮内で妙な出来事が起きたと思うと、気を
   失って今目が覚めました」

一花「私もですよ。同じように寮内でそのような出来事で気を失って、今さっき
   目が覚めたとこです」

晃司はびっくりしてこの一花にもう少し状況聞いてみることにする
    のである。

晃司「そうなんですか?同じような体験してるようですが、やっぱりここは
   校外のようですね。寮内からいきなり目が覚めると校外ですよね、
   同じですか?」

一花「同じですよ。確かにここは校外です。私も寮内で意識を失ったので、
   ほんと同じ様です。
   学校も見当たらないしここがどこかわからないですし、
   あたりに人気が少なくあなたが倒れていたので、それ以上状況を確認せず
   起こさせてもらいました」

晃司「そうでしたか。校外に出てはいけないですが、どうせ学校も見当たら
   ないんじゃしかたがないですね。ちょっとあたりを回って人を探し
   ましょう」

晃司と一花は移動しながら人を探した。
    子供が3人いたので晃司は声をかけてみた。

晃司「ねーねー君たち、ここはどこなの?」

子供「横須賀だよ。お兄さんたち見慣れない服着てるね軍人さんみたいな
   服だね?」

2人は目を合わせて、お互い疑問に思った様に顔を見合わせた。
   
晃司「軍人?どういうことかなあ」

一花「ねー君たちー、私たち軍人じゃないよー。近くに軍人さんっているの?」

子供「そりゃそうでしょう。女の軍人さんなんかいないよ。すぐ近くかどうかは
   わからないけど、軍人さんは結構いるよ」
    
    また2人は目を合わせたが、2人とも今度は違和感がはっきりと謎に
    変わり顔を見合わせた。 
          
一花「ねー、今いつ?何年何月?」

子供「昭和16年12月だよ、8日に開戦記念日があったところだけど、
   お姉さん達知らないの?」
     
一花「うーんちょっとね。ありがと。私たち行くからじゃあまたね」

2人は信じられない顔をしていたがこれがほんとだったら
    夢かともおもった。
    
晃司「これ夢じゃないですよね、ひょっとして僕たち現実にタイムスリップした
   のかもしれません」
 
一花「信じられませんがそうかもしれません。これ現実ですよね夢じゃない
   ですよね」

2人はそれぞれ自分のほっぺをつねったが痛かった。   
    夢ではない現実である。
    2人は信じられないという思いを感じながらこの事実を受け入れる
    しかなかったのである。

晃司「そのようですね、こんなことってあるんですね。どこかに、
   近くにも同じ境遇の人がいるかもしれません。
   付近の大人も探しながらもうちょっと情報を集めてみましょう」  
     
一花「そうですねそうしましょう」

晃司「あ、お名前等聞いてなかったですね。僕は岡本晃司と言います。
   2019年12月から来ました。防衛大4年生です」

一花「私は園田一花と言います。同じですね2019年12月から来ました。
   防衛大3年生です」

お互い自己紹介し合いながら同じ時代から来たことを確認し合った。
    防衛大というのは学年によりまるで身分が違う様に上下関係が厳しく
    下から1年生ゴミ、2年生奴隷、3年生普通の人間、4年生神様と言う
    様な関係である。
    
晃司「そうでしたか。現役で入学したの?」

2人も決して例外ではなかったが晃司は一応高校までの学年も気になり
    聞いてみた。

一花「はいそうです。現役です」

晃司「じゃあ学年も一個下やね、俺も一応現役やから」

一花「そうでしたか、先輩でしたか」

一花は晃司が4年生と言う事を知りまるで本能的に緊張が走ったが、
    緊張ばかりしていてはいけないと思いそれ以外の現状について
    考えるしかなかった。
    
晃司「まあとにかく情報をより確証を得るまで、探索してみよ」

晃司も後輩と言うことで、こんな状況であまり緊張させてはいけないと
    思い、いつもより後輩に接する態度を和らげて言った。

一花「はい、どうせなら軍人を探して、聞いてみたらより確実なんじゃない
   ですか?」

晃司「そやね、そうしよう」
      
    2人は数十分ほど歩いたのち、一人の陸軍軍人を見つけた。
    何かの警備にあたっている軍人のようであった。
    晃司たちは確認のために声をかけてみた。
    
晃司「あのー、すみません」

軍人下士官「ん、なんだお前たちは見慣れない服装だな」

晃司「ああ、僕たちはちょっとした学生でして、お聞きしたいことが
   あるんですが」

下士官「学生?まあいい、なんだ?」

2人は本物の大日本帝国軍人というものを見て感動と敬意の念を覚える
    のであった。
    
晃司「今は昭和16年12月ですよね。この前の8日に開戦記念日があったん
   ですよね」

下士官「そうだ当たり前じゃないか。そんなこと聞きたかったのか?」
        
晃司「それでその戦況はどこを攻めてどうなったんですか?」

下士官「そんなことも知らんのか。大本営発表によると、今月8日に海軍が
    ハワイ真珠湾を攻撃大勝利をおさめた。
    そして同じ日、陸軍がマレー半島のコタバルとタイのパタニと
    ソンクラに上陸し、占領。これも大勝利だ。それに・・」

大本営とは、大日本帝国陸海軍の最高統帥機関である。      
    警邏(けいら)の陸軍軍人が言う前に、より確実に確認したいため、
    続きを一花が切り出した。

一花「あと海軍は10日にマレー沖で英国最新鋭戦艦プリンス・オブ・ウェールズを
   魚雷7本命中、航行不能にさせて、日本時間午後2時50分に撃沈、
   巡洋戦艦レパルスを、魚雷7-10本命中させて、日本時間午後2時3分に
   撃沈してますよね?」

下士官「そうだ、しかしおい女、よく魚雷の数まで知っているな。大本営発表
    ではそこまで言ってないぞ。
    貴様らその服装軍服に似ているな、何者か知らんが詳しい話は
    我々の将校を連れてきてやるからその方に聞け。
    今連れてきてやるからそこで待っていろ」

警備の下士官の軍人は陣の奥まで行った。

一花「岡本先輩、すみません私がいらないことを言ったばかりに危険な気がします。
   ここから早く逃げましょう。
   私たちは武器もなにももってないんですし。
   逆に即拘束されず話が聞けてよかったですが」

晃司「そうかなあ、より詳しい話が聞けて現状がわかっていいと思うけど、
   大丈夫と違うん」

一花「だめです、これだけ聞ければもう大体の現状はわかりました。
   これは危険です、早く逃げましょう」

晃司「わかった君がそこまで言うならそうしようか、じゃ走ろう」

晃司と一花は物の影に隠れながら、走って見つからないように
    遠くまで逃げた。

晃司「ふー、ここまでくればもう大丈夫やろう。ちょっとの喉が渇いたな、
   どっか休憩できる場所を探して水でも飲んで、これからどうするか
   考えようか」

一花「そうですね、どこか公園か何かあればいいんですが、歩きながら
   探してみましょう」

晃司と一花はしばらく歩いて公園のような場所にたどり着き、
    今後のこと等、どうするか話し合った。
   
晃司「ここでいいね、ちょうどいい場所があったね、まあ座ろうか」

一花「はい、どうやら間違いないですね。私たちここ大東亜戦争の開戦直後に
   タイムスリップしてしまった様ですね。
   それも先ほどの軍人にも聞いた通り、史実通りのようです」

晃司「そのようやね、この歴史、もし変わったら未来の日本のことも変わるとか
   そういう世界線みたいなのはどうなってるんやろね」

既に晃司は、過去にタイムスリップした時期が開戦直後という
    現実から考えて日本の未来を変えれたら、と思ってこの国を
    何とか出来るのではと考えていたのである。

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