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【365日のわたしたち。】 2022年4月16日(土)

誰になんと言われようと、私の親友はミーちゃんだった。

幼い頃にお父さんが駐車場で拾ってきたミーちゃん。

すぐに獣医さんに連れて行ったけど、「3日生きられるかどうか」と言われたミーちゃん。

そんな獣医の予想を裏切り、ミーちゃんはミルクをゴクゴクと飲んで、どんどんぷくぷくになっていった。

2週間後に再度動物病院を訪れた際は、獣医さんも驚いていたくらいの回復ぶりだった。


あの日からミーちゃんは、我が家のアイドルになった。

私は一人っ子で、両親は共働きだったから、学校から帰った私を待っていてくれるのはミーちゃんだった。

時に擦り寄って出迎えてくれることもあれば、抱き上げようとして頬を引っ掻かれたこともある。

「ミーちゃん、ひどい!」と言って、30分ほど口を聞いてあげなかったけれど、やっぱり恋しくなってミーちゃんに近づいていくのは私の方だった。


それから私が20歳になるまでの12年間、ミーちゃんは私の家で、私の妹として一緒に成長してきた。

いや。途中から私の姉になり、私の母と同じ歳になり、そしておばあちゃんの年齢になったはずだから、妹はおかしいだろうか。

とにかく、ミーちゃんがいなかった時間は、8歳の誕生日を少し過ぎたあの日から、一度足りとも私の中に存在しない。

だから、今日も朝ごはんを食べている時に、「あ、ミーちゃんのご飯用意してないじゃん!」と本気で思ったし、

みいちゃんが足に擦り付いてくる様な感覚に何度も襲われた。


ミーちゃんは、あの箱の中で静かに眠っているのに、どうしても私の脳はそれを処理しきれないらしい。


もう少しかかるかも。

もしかしたら一生このままかも。

それでもいいかもな、と思ったけど、なんだかミーちゃんに怒られるような気もする。

私はここで寝てるんだから、邪魔しないでよ。なんて風に、また頬を引っかかれるかも。


思い出して、頬をさする。

小さい頃は痛くて泣いたそれも、今は恋しくてたまらないよ。


ミーちゃん。
今いるところは、幸せかな?



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