ロウ

元書店員。

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最近の記事

売れた理由は商品なのか、場所なのか

『売れた理由は商品なのか、場所なのか』というタイトルだけ書いた下書きがずっとnoteに残っていた。 下書きをしたのは今から約4年前の2020年1月で、ターミナル駅直結の特殊な立地にある書店に勤務していたときのことだ。コロナ禍が叫ばれ始めたのが2020年3月なのでコロナ禍前夜とでもいうべきか。それから数年間に渡って店づくりや働き方そのものが大きく変わっていくことは想像だにしていなかった。 このとき考えていた売場の在り方と、今思う売場の在り方にそれほど違いはないけれど、コロナ禍

    • 昔ブログを書いてました

      今から15年以上前、まだ今のように出版業界に知り合いがいなかったころにひっそりとブログを書いていた。ブログを開設しようと思ったのは前職の商品部にいたO先輩の影響を受けたからだ。 https://tarotao.hatenadiary.org/ 今読み返すと恥ずかしいくらいに当時の苦悩の様子が見て取れるなぁ。 そのころは東京の店舗で働いていて、都内の直営店の担当者は渋谷のシオノギビルにあった本部に毎月集まって、担当者会に参加していた。 シオノギビルは渋谷駅を降りて宮益坂を

      • 2023年の振り返り その3

        昨年は環境の変化も大きい一年だった。もともと数年ごとに異動に伴った引っ越しを繰り返すようなふわふわした生活を送っていたが、退職し、いったんそのあたりにピリオドを打つことになる。2023年の振り返りは今回で終了です。 ③ 会社を辞めた 前職(CCC)を辞めようと思ったのは2022年に入ってからだった。20年間同じ会社に勤めていて、この先60歳で定年を迎えるまでこの会社に居続けることが自分にとってプラスなのだろうかと疑問を呈したことから、うっすらと転職を考え始めていた。 退

        • 2023年の振り返り その2

          前回の軽井沢勤務についてに続いて今回は体調面について。歳をとっていくと健康でいることにとても価値があることを実感する。元気があればなんでもできるものなのだ。 ② 目の手術を行った 実は10年以上前から白内障を患っており、日常生活に支障が出ていた。独身時代の不摂生が祟ってのことなので完全に自業自得だ。先に左目だけを10年前に手術していて、右目は裸眼、左目は眼内レンズで生活していた。 白内障は目の中の水晶体が濁ってしまい、視界がぼやけたり光がやたらまぶしく感じたりする。その当

        売れた理由は商品なのか、場所なのか

          2023年の振り返り

          正月もとっくに過ぎて世間は平常運転になっているが、昨年は環境の変化が激しく私にとって節目の年になったので自分の身に起きたいくつかのトピックスをまとめておこうと思う。 ① 軽井沢勤務となった 自分の人生に於いて、国内有数の避暑地である軽井沢に縁のある生活を送ることがやってくるとは夢にも思わなかった。勤務期間は半年間だったが良い経験をさせてもらった。 軽井沢書店勤務の内示があったのは昨年の3月中旬で、当時の上長から電話で話を聞いてすぐに軽井沢に行ってきた。たまたま大宮のコワー

          2023年の振り返り

          穏やかな日々を過ごしている

          21年間勤めていた企画会社を退職し、無職になってから1ヶ月が経った。働いていたときはいつも急かされているような感覚で日々が過ぎていたが、今はのんびりしている。 就職活動は続けているものの依然として良い方向には進んでおらず、転職サイトを見たり、採用の案内がないか企業のホームページを定期的に周回したりしている。焦っていないとは言えないが、焦っても物事が好転するとも思えないので人生のロングバケーションを楽しもうと早々に頭を切り替えた。 働いていた時に比べるとパソコンに向かう時間は

          穏やかな日々を過ごしている

          通行人を顧客にする

          当店の売場を指して「通路の真ん中に置いてある棚が邪魔だ」と言われたことがある。正確にはとあるネットの書き込みの一文なのだが、人によって見える風景とはこうも違うものなのかと傷つきつつ、少しだけ感心した。 当店は立地条件がやや特殊で、駅直結型だ。エキナカでもなく駅前でもない。改札抜けたらすぐ店舗、は大阪の鶴橋駅に隣接していたブックオフくらいしか知らない。当店の場合、改札と駅の外とをつなぐ南北に伸びた連絡路のような場所に、通路を両側から挟み込むようにして売場が存在する。ホットドッ

          通行人を顧客にする

          客層は店側がつくる

          4年前のオープン時から在籍しているスタッフさんとの雑談で、オープンしてから3ヶ月くらいはお客さんが怖かった、という話を聞いた。どんな方向から質問が飛んでくるか予測できなかったからだ。 当時はお客様からの問い合わせに答えられずお叱りをよく受けていたそうだ。中には言い掛かりのようなものも含まれる。 よくある厄介な問答として、在庫がないことに対して過剰に怒りだす例がある。書店に対する期待の裏返しである。 酷い話だが、オープン直後に視察に来て「なんでうちの雑誌が置いてないんだ!な

          客層は店側がつくる

          健全な運営

          当店は社員が私と店長のふたりの店で、店長が長期休暇を取るときに私は必然的に連勤になる。店長が長期休暇のタイミングでの会話。 「店長今冬休み中なんだよねー」と何気なく事務所にいたスタッフに言ったところ、 「そういえば最近見かけないなぁと思いました」と返ってきた。私はこのスタッフの反応はいいことだと思った。 社員のシフトを把握してないのはどうなの?という突込みはあるにせよ、店長が居なくてもお店が回っている証拠である。 我々社員は書店員であると同時に店舗の運営を担う立場にあるの

          健全な運営

          メンテナンス

          先日、売場を巡回していたら恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』の文庫版上下巻が1面に重ねてまとめられていた。 わかりにくいよ、確かに。ぱっと見別の商品には見えないよね。でもそれを発見して、こういうメンテナンスさせてるのはこちらの責任だよなぁ、と気落ちした。 メンテナンスのレベルを決めるのは売場の責任者の意識の問題と、なぜやらなければいけないかをスタッフにきちんと説明できているかどうか、あとは意識せずとも細かくメンテする仕組み化かと思う。 メンテナンスは売上に繋がる実感がなかなか持て

          メンテナンス

          お問い合わせの範囲

          書店のお問い合わせに対する業界内外の様々な意見が飛び交っている。 書店で働く者の仕事の範囲はお店ごとに違っている。どこまでが業務としてなのか、どこからが個々が考えるホスピタリティの範囲なのかまちまちだ。図書館にはレファレンスサービスが仕事の範囲に含まれるが、書店はお客様にどこまで寄り添えるか、個人のスキルや店舗の時間的制約によっても変わってくる。 異動の多い会社に勤めているのであちこちの書店を経験しているが、どこの店舗でも基本はその店に在庫があるかどうか、お客さんが持ってい

          お問い合わせの範囲

          ぼちぼちやってみる

          10年くらい前ブログを細々とやっていた。 けど、様々なSNSに手を出すうちに即効性の高いそれらの媒体を利用する割合が増えて、いつの間にかブログは休止状態になっていた。ブログとnoteの違いもいまいち分からないけど、わからないなりに取り敢えず始めてみる。 TwitterもFacebookもそんな感じだったし、やっていくうちに慣れるだろう。

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