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2023年の振り返り その3

昨年は環境の変化も大きい一年だった。もともと数年ごとに異動に伴った引っ越しを繰り返すようなふわふわした生活を送っていたが、退職し、いったんそのあたりにピリオドを打つことになる。2023年の振り返りは今回で終了です。

③ 会社を辞めた

前職(CCC)を辞めようと思ったのは2022年に入ってからだった。20年間同じ会社に勤めていて、この先60歳で定年を迎えるまでこの会社に居続けることが自分にとってプラスなのだろうかと疑問を呈したことから、うっすらと転職を考え始めていた。

退職を決めた理由は他にも幾つかあって、決定的な何かがあったわけではなかったが、敢えてひとつあげるとするなら、自分の人生が会社に左右されている現状がおかしいと感じてきたことだった。前に記事でも書いたが軽井沢で自分らしい生き方について考える機会があったことも大きい。
会社の定めた人事には従う義務があり、よほどのことがない限り内示を断ることはできない(はず)。これまで、関東に7年、関西に7年、また関東に7年と会社の人事に従って店舗を異動し、必要であればその都度引っ越しをしてきた。
店舗勤務が長い社員は地域限定の方を除くと全国各地に異動する。京阪エリアには長く留まる同僚もいたが、それでもいつの間にか別のエリアに異動していった。ずっと本部に居続ける社員組と地方どさ周り組の自分とでは、違う会社に勤めているのだという気持ちすらあった。まったく捻くれてるな。

軽井沢への異動の話をもらった時、この歳になっても会社の都合で簡単に生活環境が変わってしまうことに対して、戸惑いを感じてしまった。
これが独身時代であったら何のためらいも持たずに受け入れていただろう。何せ縁もゆかりもない関西に、年次の異動期間が落ち着いたゴールデンウィーク前に異動を命じられてGW明けには大阪の寝屋川にいたくらいだから。
軽井沢チームは社内でも独特な立ち位置の部署で、今後の社の動きからすると栄転といってもいいかもしれない場所だった。なにしろ大ボス直轄のチームだったもので。
異動先について悩む私を、そんな悩む必要などあるのかと支店の同僚たちはきっと不思議に思っていたことだろう。

軽井沢での私のミッションは主にふたつあった。オープンしてから5年が経って、今一度地域の方々に対してあるべき売場を考えようとした本店の運営のテコ入れと、中軽井沢に2号店がオープンし組織として厚みを持たせる意味もあって採用した新入社員への教育だ。
上長には退職の意志を4月には伝えていて、半年間でミッションを遂行する約束をして私の意志を尊重してもらった。

かくして退職という自分なりのゴールに向けて動き出し、久しぶりに自分の棚を持った売場に立つことになった。毎日棚の商品を入れ替えたり売場で接客をすることは楽しかった。やっぱり自分はマネージャーよりプレイヤーでいる方が向いてるなあと改めて感じた。半年間出来る限り売場を耕してきたつもりだ。あと半年居たらまたいろいろやれることはあったと思うが、そうやってずるずる先延ばしにするうちに50歳の大台に乗ってしまうので割り切ることにした。
最終出勤日もたんたんと業務をこなした。品出しをして、レジに入って、雑誌の抜き取りをして、閉め作業をした。
お疲れ様、俺。

④ 引っ越した

前の住まいは会社の社宅扱いで契約を結んでいたので、退職と同時にそこを出ることは決めていた。契約内容を変更してそのまま住み続けることもできたかもしれないが、近所にあったスーパーが一年前に建物の老朽化に伴う建て替えで閉店し、引っ越した時の決め手がそのスーパーが近かったためということもあり、そのスーパーがないなら別にここに住まなくてもいいのではないかという結論に達した。住みやすい良い街だった。

もう会社の都合で引っ越す必要がないのだ、自分が住みたい場所で生活を送れるのだ。これは思っていた以上に嬉しかった。
オフィス勤務しかしたことがない人には分からないかもしれないが、店舗勤務の場合まず店舗に出勤できる距離に住む必要があった。早朝から深夜遅くまで店が開いているので何かあった時に電車が動いていない時間帯でも通勤可能な場所だ。私の移動手段は基本的に自転車なので、おのずと店舗の近くに住むことになる。
例外として新橋店に勤務していた時は世田谷区の経堂から通っていた。その前の年経堂から歩いて通える馬事公苑店に勤務していたからなのだが、終電を逃したときは新橋から経堂まで3時間くらいかけて歩いて帰った。ひとり夜のピクニックだ。あれはイベントごとのようで結構楽しかった。

前職在籍中の引越しの段取りだが、店舗の近くという場所の縛りがある中で、内示をもらってから2週間以内に新住居を決めて引っ越しをしなければならなかった。前職はだいたい内示が出るのが3月に入ってからで、それから部屋を探そうとしても引っ越しシーズンが下火になりつつあるタイミングで時期的には遅かった。あらかた部屋が埋まってしまっていていい部屋を探すのが大変だった。

退職の手続きを進めるのと並行して引っ越し先を探し始めたのは8月の終わりで、なかなか希望に合う物件はなかった。あってもすぐに他の人に決まった。というのも不動産業界にもオフシーズンがあるそうで、秋は人の動きが少ないそうなのだ。そのぶん空き物件の競争率が高い。
今まで部屋を決めるときは不動産屋さんと一緒に数部屋内見をして、その中から実際の住まいを決める流れだった。しかし、今は内見する前に部屋を抑えておいて契約することも多いようだった。

物件の間取りはどうか、近所にスーパーはあるか、駅までは歩いてどのくらいか、賃貸サイトで気になった物件は可能であれば実際にひとりで見に行った。当然中には入れないので周辺環境を確認して、サイトでは分からない部分をそのつど妻に説明した。
今住んでいる部屋は駐輪場が屋根付きで建物の奥にあるため、風雨に晒されることがないのが良かった。歩いていける距離にスーパーが幾つもあって生活もしやすそうだった。前の部屋よりも広いので住まいについては満足している。

前職時は住む場所を探す時に自分の都合を二の次にしてきたので、そういう縛りから解放されて今は晴々としている。あとは仕事だなあ。

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