見出し画像

御社のCEOがコアバリューを大事にする理由を社員目線で解説してみた

こんにちは。Collaというテレワークが楽しくなるSlackアプリを作っている会社の共同代表のせりかわたろうです。

先月久しぶりに「Slack内でキャンディと一緒に感謝や称賛のメッセージおくる」という新機能をリリースしまして、わりとたくさんの会社さんに使いはじめてもらえて、ほっと胸をなでおろしております。
興味がある方は詳しくはこちら↓を読んで見てください。

このキャンディ機能は、実は”感謝の気持ちを伝え合う”というだけではなくて、”会社のコアバリューの実践・浸透状況を可視化する”という目的も実現できるようにつくっています。

なのですが、当社の社員に「バリューってなんで大事なのかよくわかりません」と言われたので、「なるほど」と思ってあらためて解説することにしました。

そもそも「(コア)バリュー」ってなんだ?

そもそも「(コア)バリュー」とは何か。インターネット上では検索するといろんな定義が出てきますが、一応根拠があった方がいいと思うので、ここでは『ビジョナリー・カンパニー ZERO』を引用しておきます。

コアバリューと理念は、組織を動かす根本原則や信条を体系化したものだ。事業と人生で何が重要か、事業をどのように遂行すべきか、その会社の人間観、世界観、社会における自らの役割、絶対に守らなければならないことなどを示す戒律だ

『ビジョナリー・カンパニーZERO ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる』

ここでは「コアバリューと理念」という形でセットで定義されていますが呼び方は「バリュー」「行動指針」など多少変わっても、内容はいずれも同じと考えてしまってよいと思います。”DeNA Quality”のように独自の名称をつけることもよくあります。

もうちょっとわかりやすく言い換えると、コアバリュー(以下すべて「バリュー」と書きます)とは「組織の価値観。組織の人格を形成し、物事の判断や日々の行動における基準や指針となる考え。」と考えておけばよいかと思います。

企業(経営者)がバリューをめちゃくちゃ大事にする3つの理由

経営者、とりわけ創業経営者は会社のバリューをめちゃくちゃ大事にするし、それが社員にしっかり浸透しているかをすごく気にしています。

とりわけコロナによってリモートワークが増えたことによって、一層バリュー浸透が気になっています。これはある程度の社員数がいたり、一定数の新しい社員が入社している会社の経営者たちは、マジでみんな気になっています。

一方で、働いている社員から見ると、なぜそんなに大事にされているのかよくわからないこともあるかもしれません。それはバリューを理解していないとか、軽視しているということでは必ずしもなくて、ちゃんとバリューが浸透していると、「当たり前すぎて、ない状態が想像できない」、といったこともありそうです。(むしろそれは素晴らしいこと)

実際のところ、会社のバリューが薄まると(曖昧になると)、会社はすごく大変なことになります。なぜかというと、バリューはみんなが意識しないところで以下のような役割をになっているからです。

1) 会社としての「らしさ」を保つため

その定義の通り、バリューはその会社の人格そのものを形成する価値観を言語化したものなので、これがないと自分たちの会社「らしさ」が曖昧になり、失われます。

「別にこの会社じゃなくてもいい」という状態だと、そもそも社員に継続して働いてもらえませんし、お客さんにも自社の製品・サービスを選んでもらえなくなります。

たとえば、スノーピーク社は"スノーピークらしさを形づくる3つのルール"として
1. まねをしない
2. とことんこだわる
3.シンプルにつくる

を掲げていますが、このルールに従うからこそ、この卓上コンロのようなユニークな製品が生まれるわけです。


2) 成果を挙げるため

バリューには、その会社が得意とする「成果をあげるための行動規範」が含まれていることが多いです。それは、創業者・経営者自身の得意なことや経験に由来する成功パターンや、その会社が経験から学んでいった勝ちパターンなどを含まれます。

たとえば、楽天はバリューらしきものを「楽天主義」としてまとめていますが、それは「ブランドコンセプト」と「成功のコンセプト」の2部構成になっています。

後者の方は、三木谷さん自身の経験に基づいて抽象化された”成功パターン”であり、今でも三木谷さん自身がとても大事にしていると聞いたことがあります(僕は楽天の中の人だった経験がないので、あくまで聞いた話です)

https://corp.rakuten.co.jp/about/philosophy/principle/

このように、「成果をあげるための行動規範」であるからこそ、バリューを個人評価の評価基準にも使われたりするわけです。

「バリューに基づいて評価する」というのは、「会社の色に染まった人を大事にして給料を上げる」というようなことではなく、「バリューを実践することで必ず大きな成果が生まれる」という、その会社の確信に基づいているはずです。

3) 権限を移譲していくため

特にスタートアップなどにおいて言えると思いますが、会社はとにかく社員に権限移譲して意思決定のスピードを上げたいし、社員だって権限移譲してもらって自分の判断で仕事をしたいはずです。

任せる経営者(マネージャー)の側からすると、社員の自己判断を信じ期待すると同時に、「自分が期待する判断・行動をしてくれるだろうか」という不安も程度の差こそあれ生まれます。

そのときの、会社と社員の間での約束(コンセンサス)となるのがバリューです。バリューが浸透し、社員がバリューに則って行動してくれると信じられるからこそ、経営者は安心して権限移譲できるわけです。

その意味で、バリューは一部の社員だけでなく、アルバイトのスタッフなどを含めて組織の隅々にまで浸透していることが必要です。スタバの店員さんや、CSの電話に出る人を想像するとわかりやすいかもしれません。

バリューを大事にして、社員の裁量に委ねるエピソードは、Zapposの伝説の中によく出てきます。「自社サイトで買えない商品は他社サイトから探して顧客に教える」「一人1回の割引クーポンを何度も要求する顧客に何度もクーポンを付与する」などなど、異次元のエピソードがてんこ盛りなので、興味がある人は本を読んで見てください。

ミッションに向けて足並みを揃える

結局、会社はミッション(最近風に言えば”パーパス”)を遂行するための組織です。バリューは、そのミッションに向けて足並みを揃えるためのガードレールになるわけです。

そのことを上述のザッポスの中の人は以下のように語っています。

ザッポスのコア・バリューは、私たちのあらゆる振る舞いの真意を語っています。私たちを導くガードレールです。私たちのすべての決断と挑戦の基盤となる、憲法のようなものです。コア・バリューによって私たちは自分の位置を常に確認することができ、コンパスが正しい方向を指していると信じて前進できます

『ザッポス伝説2.0 ハピネス・ドリブン・カンパニー』

同時に、会社は多くの人が集まって、一人では実現できないような大きな挑戦をするものでもあります。その醍醐味があるからこそ、今のように個人がフリーランスでも生きやすくなった時代でも、すばらしい才能が集まってくれるわけです。

それは、小さいお魚のスイミーくんが、仲間と一緒に大きな魚を形作るようなものです。みんながバラバラの行動をすると大きな魚にはなれないけど、一人ひとりが共通の基準に基づいて行動することで大きな魚になれるわけです。その、「どんな魚になりたいか」「ひとつの大きな魚になるためには、個々人(魚)がどう行動すればいいか」を示すのが、バリューなわけです。

Collaさんと一緒にバリューを可視化

このように、みんなで一貫した行動を取るためにとても重要なバリューですが、問題はバリューの社内浸透度合いがなかなか可視化できないことです。

そんなときに役立つのがCollaさんの新機能"キャンディ"です(以下宣伝)。

バリューの体現に基づいてキャンディをおくる

Collaのキャンディ機能では、自社のバリューを絵文字で登録することができ、キャンディをおくるときにバリュー絵文字をつけることができます。

これによって、社内でのいろんなメンバーの活躍を、コアバリューに紐づけて可視化することができます。また、キャンディがおくられた回数・量として、バリューの実践度合いを定量的に把握することができます

https://colla.jp/candy

個々のバリューの”お手本”を社内で見つける

たいていの会社ではコアバリューは複数ありますが、個々人の立場からすると、しっくり腹落ちしていてしっかり実践できているバリューと、いまいちピンとこなかったりうまく実践できていないバリューがあるのではないでしょうか。

そんなとき、Collaのキャンディ機能を使うと、バリュー別にそれを実践してキャンディをもらったエピソードを一覧で見ることができます。
たとえば以下のような感じです。

当社の例

また、月に1回バリュー別の"チャンピオン"を表彰するので、個々のバリューを体現している人を社内で見つけることができます(表彰が文化的になじまない場合はオフにもできます)。

"このバリューは誰よりも体現している社員は誰だろう?"
"このバリューってよくわからないんだけど、具体的にどういう意味なんだろう?"
といった疑問がわいたときに、簡単に具体的情報を探し出すことができます。

こんな感じで、"自社のバリューが見える化する"ってなかなかすごいことなんじゃないかと思ってます。個人的にとても気に入っていて、多くの人に是非体験してみてほしい気持ちです。社内の仲間たちの活躍情報が集まっていて、眺めているだけでホクホクすること間違いなしです。
Slackにアプリを入れるだけで無料でお試しできるので、つかってみてくださいね😉


お読み頂いただけでも十分嬉しいですが、サポートして頂けたらさらに読者の皆様に返せるように頑張ります。