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読書メモ

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#ビジネス書

『逆説のスタートアップ思考』はスタートアップしなくても役に立つ良書です。

『逆説のスタートアップ思考』はスタートアップしなくても役に立つ良書です。

一部の界隈で話題になっていた『逆説のスタートアップ思考』(馬田隆明、中公新書ラクレ)という本が評判通り素晴らしい本だったのですごく簡単にご紹介(というかほぼ自分用のメモ)。

「スタートアップは半直感的である」ということが全体メッセージですが、それより具体的各論が非常にためになるので最初から最後まで精読をお勧めします。特に�プロダクトに関する章はインターネットサービスに携わっている人すべてに役立つ

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明日から社会人になる人たちにオススメする5冊

明日から社会人になる皆さま、おめでとうございます。
僕もこれから新卒を育てなくてはならないので、そのために使おうと思っている本をせっかくだからご紹介します。

(2019年版を書いたのにこちらの方が読まれるので、リンクを貼っておきます)

【基本姿勢1】『入社1年目の教科書』(岩瀬大輔、ダイヤモンド社)

社会人1年目を迎えるにあたっての基本的な姿勢を正しく身につけることはその後のキャリアの大きな

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問題は1%の富裕層ではない、中産階級(エリート)なのだ

問題は1%の富裕層ではない、中産階級(エリート)なのだ

エマニュエル・トッドの『問題は英国ではない、EUなのだ』を読んだのですが、この本の中でのエリート批判が痛烈で興味深かったのでメモ。

BREXITとトランプ大統領誕生を予期していただろうトッド氏の問題意識の中心のひとつが、この本で指摘されているエリートのナルシスト化。注意すべき点は、ここで言う"エリート"とは"1%の富裕層"のような狭い話ではなく、高等教育を受けた中産階級全体、ざっくり言えば社会の

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『日本3.0 2020年の人生戦略』佐々木紀彦

『日本3.0 2020年の人生戦略』佐々木紀彦

NewsPicksの佐々木編集長の著書。

2020年を節目に日本は大きく変わる。なぜそうなるのか。具体的にどう変わるのか。その変化の時代に私たちはどう行動すべきなのか。
ということを、「国家」「経済」「仕事」「教育」「リーダー」という観点から論じている。

極めて広いトピックを扱っていながらリーダブルなのはさすが佐々木編集長といったところだが、現代の日本人に対する痛烈な批評と最重要でアクショナブ

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理系になりたい僕が成毛眞氏推薦図書から読んだ本とこれから読む本6選

理系になりたい僕が成毛眞氏推薦図書から読んだ本とこれから読む本6選

正月に成毛眞さんの『AI時代の人生戦略』(SB新書)という本を一気読みしたのでご紹介する。

いわゆるSTEM(STEAM)教育がこれからの若者だけでなく、おっさん達にも大事であるということを主張する本である。
(STEM教育の意味すらわからない方は是非ググるか、成毛さんの著書を読んでみたください。)

概要を個人的に参考になった部分でウェイトをかけて要約(意訳)すると、
・15~16歳くらいまで

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2016年に読んでよかった本8冊

2016年に読んでよかった本8冊

2016年は年間でだいたい50冊くらい本を読んだようです。
(写真はツタヤ発祥の地、枚方の蔦屋書店)

自分のために記録している読書ノートから、個人的に特によかった本をご紹介します。2016年に出版された本というわけではなく、あくまで芹川が2016年に読んだ本ということなので、今更感があったとしても怒らないでください。

(ビジネス編)

『ピクト図解』:板橋悟(ダイヤモンド社)2010年刊なので

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『新・所得倍増論』(デービッド・アトキンソン)

この本の主張は極めてシンプルであり、以下の3点に要約できる。

・日本の生産性は世界27位であり、先進国最低水準である
・ その原因は、日本人の客観的に数字を見て事実を受け入れない姿勢や、それに伴う危機感のなさにある
・日本の生産性を改善するには、生産性改善に向けて政府が経営者にプレッシャーをかけるべきである。年金基金などを用いて物言う株主になればそれは可能である。

本書を通じて筆者が主張する「

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『SMARTCUTS:時間をかけずに成功する人 コツコツやっても伸びない人』 シェーン・スノウ

本書の主張はきわめてシンプルで、大きな成功はコツコツと努力を積み重ねた結果ではなく、時間をかけずにスマートに成功する方法がある、ということに尽きる。

それは以下の4つのメッセージに現れている。

- 思わぬ成果を偶然に生み出す能力は意識的に発揮できる

- 運は自ら切り開ける

- ルールやしきたりは無視していい

- 成功への裁量の道はいつも同じではない

こうした、本来時間をとられるべきでは

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『99%の会社はいらない』(堀江貴文、ベスト新書)

『99%の会社はいらない』(堀江貴文、ベスト新書)

ホリエモンの新刊がまたいいこと言っていたので、個人的に刺さったことをまとめておく。

成功の要件は賢いことではない。バカになり、行動することである。社長というのはバカか天才しかいない。そして、バカと天才は紙一重だ。優秀なエリートは、保険をかけるような「小利口」な人間が多すぎる。(p.42)

成功する人は、みんな身の丈に合わないチャレンジをしている。第1章でも述べたが、大成功したと言われるような会

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「日本の論点 2016~17」(大前研一、プレジデント社)

“日本の教育体系から論理学が抜け落ちている”

という問題意識から、現在の日本と世界の諸問題を簡潔に端的に説明する。

論理的に議論が深まらないというのは誠にその通りであり、テレビを見ればすぐわかる。

大前氏の指摘する論理性の欠如は「A=B」かつ「B=C」であれば「A=C」であるという普遍的なロジックが理解されていないということよりは、そもそも前提となる「A=B」という事実認識が間違っているとい

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