『日本3.0 2020年の人生戦略』佐々木紀彦
NewsPicksの佐々木編集長の著書。
2020年を節目に日本は大きく変わる。なぜそうなるのか。具体的にどう変わるのか。その変化の時代に私たちはどう行動すべきなのか。
ということを、「国家」「経済」「仕事」「教育」「リーダー」という観点から論じている。
極めて広いトピックを扱っていながらリーダブルなのはさすが佐々木編集長といったところだが、現代の日本人に対する痛烈な批評と最重要でアクショナブルなアドバイスはそれぞれ「はじめに」と「おわりに」に見られる。
まず、「はじめに」を見てみる。
今の日本人は「チャレンジ童貞」になっているのではないかとすら思います。
もうひとつの日本の病は「サブカル病」です。
童貞とサブカル。双方に相通じるのは、「失敗」のないゆるい場所に逃げ込んでいるということです。
国家も社会も経済も人間の営みによって回っていると考えれば、これから起こる変化に対応できなそうな日本人の根本原因は、このチャレンジを避けて失敗しない場所に逃げることであるということだ。自戒も込めて200% Agree.
昨年1年を振り返ったとき、ふつうに考えたら失敗しそうなチャレンジをしただろうか。
してなかったら自分も上記にあてはまると考えよう。
今年自分がしようと思っているチャレンジで一番難しそうなことはなんだろうか? その成功確率はどのくらい?
想定成功確率が50%以上だとしたら、そのチャレンジは目標が低すぎるかもしれない。
次に、「おわりに」を見てみる。
ここでは世代別にメッセージが分かれる。
本書は30代を念頭に書かれているので、ここに40代以上の方へのメッセージはない。40代以上の方はnewspicksを呼んで参考になる意見を探してください。
30代へのメッセージは副題に集約される
30代よ。いい子ちゃんを卒業せよ。
誰に何を言われようと大胆に暴れまくれということだ。本当にそのとおりだと思うので、僕もこれまで以上に空気を読まずに頑張ろうと思う。
もっと具体的でためになるのは30代以下の世代へのこのアドバイス。
30代以下の世代が絶対にやってはいけないこと。それは親の言うことを聞くことです。
自分の親たち世代まで含めて自分の周囲を見回した時、最も不幸そうなのは素直に親の言う通りに人生の重要な局面で意思決定してきた人だ。(親の言うことを聞くだけでなく、自分と親の価値観や意見が一致しすぎている場合も危機感を持ったほういいと思う。)
ここで問題なのは、このメッセージを一番真剣に受け止めるべき人たちはおそらくこの本を読んでいないということだ。
こんなに真面目な本を読んでいる意識高い人は親とは違う時代を生きていることを遅かれ早かれ自覚できるはずだ。これから起こる日本3.0の時代に最も厳しい影響を受ける人達はこれまでも今も親の言うことを聞いてきた真面目な子たちだろう。彼らにはこの本だけではこのメッセージを届けることができない。
このアドバイスをしっかりみんなで社会の隅々にまで届けることが重要であり、それはちょっとだけ先輩である30代の役割でもあると思う。それを怠った先には現在の米国のような分断された社会が待っている気がする。
ということで、今年35歳になる僕もしっかり若者に背中を見せてリードしないといけないと思いました。
お読み頂いただけでも十分嬉しいですが、サポートして頂けたらさらに読者の皆様に返せるように頑張ります。