見出し画像

「果てしなき欲望」が形作る世界

こんにちは。みーきちです。

今日は「アルゴリズム」に関するお話です。

<<私は、株取引に関する専門家ではありません。もし、以下の内容に間違いがあれば、コメント欄からご指摘頂ければ幸いです。>>

NHKの「アルゴリズム体操」などで、「アルゴリズム」という言葉を、みなさん耳にされたことがあると思います。

Google先生によると、「アルゴリズム」という言葉の意味は、以下の通りです。

アルゴリズム = 問題を解決するための手順や計算方法

約18年前、私が情報系の大学に通っていたときに、「ソートアルゴリズム」という、数字を一定の基準に沿って並び替えるアルゴリズムについての勉強をしたことがあります。

ソートアルゴリズムの世界では、よく「バラバラに並んでいる自然数を『値が小さい順』に並び替えるには、どのようなコンピュータプログラムを作れば良いか?」という問題を見かけます。

例えば、問題が「1,9,4,6,5,2,8,10,3,7」の場合だと、並び替えた後の正解は「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10」となりますが、この正解にたどりつくための解法(=アルゴリズム)を反映したコンピュータプログラムは、「バブルソート」「クイックソート」など、何種類もあります。

以下に、「数字を小さな順に並び替える24種類のアルゴリズムを反映した、コンピュータプログラムの挙動」を視覚的に表した動画を掲載します(BGMは『関係ないので消してOK』です)。ここでは、数字の大小が、棒グラフで表現されています。

引用:Visualization of 24 Sorting Algorithms In 2 Minutes(Viktor Bohush)

この動画で面白いのは「アルゴリズムの種類」によって、「数字を並び替える時間に差がある」ということです。これはすなわち、コンピュータプログラムの「計算量に差がある」ことを示しています。

計算量が少なく、「あっという間」に数字の並び替えが完了するアルゴリズムもあれば、逆に計算量が多く、「私のように、チンタラ時間をかけて」数字を並び替えるアルゴリズムもあります。

で、前置きが長くなったのですが、この「アルゴリズム」は、様々な問題を解くための手段として、主に「コンピュータプログラム」に適用され、様々な分野で活躍しています。

9年前と、投稿日が少し古い動画ですが、このアルゴリズムに関する面白い動画を見つけたので、ご紹介します(英語ですので、必要な方は日本語字幕をONにしてください)。

引用:ケヴィン・スラヴィン 「アルゴリズムが形作る世界」(TED)

この動画では、映画の脚本に対する評価や、おススメ動画の選定などに、様々なアルゴリズムを使ったコンピュータプログラムが使用されていると、発表者のケヴィン・スラヴィンさんは述べています。

その中で私が面白いなと思ったのは、特に株取引(株の売買)について、このアルゴリズムを取り入れた「アルゴリズム取引」が、目まぐるしい発展を見せていることです(加えて、9年前の当時、ほとんど無名だったと思われる「NetFlix」に触れていることに私は驚きました)。

動画では、「他のどのコンピュータよりも速く、株取引をしているコンピュータサーバに接続して、有利に取引のプログラムを実行する」ため、「お金をかけて証券取引所から物理的に近い位置にあるビルのフロアを占有する」という一見「原始的」とも思える方法が紹介されています。

まさに、「お金への欲望」がなせるワザです。

この動画が公開されて9年の月日が経ちますが、今では「AIを取り入れたアルゴリズム取引」「AIが株式銘柄を選定するサービス」も登場し、株取引では、どんどん「コンピュータが活躍する場面」が増えています。

ちなみに、株取引をするアルゴリズムは「極めて高速」です。

先日、システム障害という問題を起こした「東京証券取引所」「コンピュータシステム(アローヘッド)」も、極めて高速に取引を行います。

東証にあるアローヘッドに対し、コンピュータで注文をすると「約200マイクロ秒」で、注文が処理されます。

秒に直すと、わずか「0.0002秒」です。

凄くないですか?

あなたが、パソコンの画面に写っている株価のグラフを目で見ながら「あ!ここで売り注文!」と判断して、マウスをクリックするまで「1秒」かかったとすると、その間に、アローヘッドは、売買に関する注文を「5000回分」処理します。もちろん、注文の相手には、高速なアルゴリズム取引も含まれます。

こんなの、手で追いつくことなんかできません。

株価の動きをリアルタイムでグラフにすると、多分、「寒さで、めちゃくちゃ震える私の手の動きよりも、もっともっと速く高速に上下する」と思います。

手で「マウスをカチカチ」しながら、株取引で利益を上げる人は、よっぽどの幸運の持ち主かもしれません。

また、株を発行している経営者の方は、会社の資産が「0.0002秒刻みで増えたり減ったりする」状況に「気が気じゃなくなる」と思います。

私のお財布で例えると、私のお財布の中身が「0.0002秒毎に増えたり減ったり」します。こんなの、「めちゃくちゃ怖い」です。

この点を踏まえると、やはり「経営者の皆様は只者ではない」と、私は感じます。

調べると、株取引に関するアルゴリズムは、数ヵ月おきに新しいアルゴリズムが開発されては、古くなったアルゴリズムが駆逐されていくという構図のようです。

私から見ると、まさに「人間の飽くなき欲望」を満たすため、ひたすら「純粋無垢なコンピュータが、酷使され続けている」ように見えます。

先ほども書きましたが、東証のアローヘッドは、昨年の10月に、システム障害を起こしてダウンしました。

私が、このニュースの第1報を聞いて思ったのは「そら、コンピュータもつらいよな」でした。

私がアローヘッドのコンピュータなら「月に4度はダウン」するかもしれません。その度に東証の社長が謝罪し交代するので、きっと東証は「社長不足」になると思います。

「男はつらいよ」ならぬ「社長はつらいよ」ですが「コンピュータもつらいよ」です。

寅さんも、天国で「ザマ見ろぃ。コンピュータはね、理屈なんかじゃ、動かねえんだよ。」と名ゼリフを決めているかもしれません。


この記事が参加している募集

スキしてみて

換気扇にこびりついた油汚れのような私の記事を読んで頂き、本当にありがとうございます。サポートして頂けると、妻がニッコリします。