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「この学校を選んでよかった。」

🐧はじめに


 Twitterでもnoteでも、心掛けていることがある。それは、「誰かを悲しませるような発信はしない。」こと。
(負の発信は#教師のバトンに任せた笑)

 画面上にはプラスな言葉ばかりが表示されているけれども、私にだって辛い時、悲しい時、苦しい時、落ち込む時、負の感情はたくさんある。






そんな時に思い出す言葉がある。

「この学校を選んでよかった。」

卒業生の保護者から頂いた感謝の言葉。




 子どもたちを学校で育てるということ、社会へ送り出すということ、卒業学年で得た経験や感謝の言葉は、今も私を奮い立たせてくれる。今回は保護者から頂いた言葉を振り返ろうと思う。




🌸特別な1年

 卒業学年を2回担当したことがある。正直、若手の私にとって仕事に慣れることでさえ精一杯なのに、卒業学年の特有の仕事も重なり、本当に辛かった。



 だが「もう卒担は嫌か?」と問われると、「はい」とは言えない。なぜなら、この教員という仕事の集大成が「卒業」と言っても過言ではないと思っているからだ。





 そのくらい、1年間の終わり方が違う。それは、今読んでいるあなたも同じ経験をしてきたと思う。思い返してみてほしい。自分が子どもだった頃、親になってから、卒業学年の年は一際特別な年であったのではないだろうか?


 教員として、多くの重圧と責任を感じながら過ごす一年間は、私の中でも特別だった。持ち上がりや配置替えとも全く違う。言葉では上手く表現できない。そんな最中頂いた保護者からの感謝の言葉は今も胸に刻まれている。



💐感謝の花束

 特別支援学校には幼稚部、小学部、中学部、高等部があり、ひとつの学校にまとめられていることが多い。ひとえに卒業といっても、長ければ10年以上も同じ学舎で過ごしてきた子もいる。悩みに悩んで小中学校から転校してきた子もいる。子どもも保護者も教員も、思い入れは強い。




「先生。最後の話とっても素敵でした。あなたはもっともっといい先生になれる。頑張ってね!」




「昔は友達がほとんどいなかった。この間ね、娘の名前を呼んでくれて娘の周りの友達がたくさん集まっているのを見て嬉しくてたまらなかった。この学校を選んでよかった。」



「先生、写真撮ってくれませんか?この子まだ卒業したことがわかっていないようで笑。お家に写真飾らせてください。」



「ずっと迷っていたんです。支援級か支援学校か。ここでのびのびと過ごしている娘を見て確信しました。支援学校で良かったと。」



「先生のこと大好きなんです。このまま一緒に卒業してくれませんか?笑」


「卒業しても、また会いに来て良いですか?10年以上もここで過ごしたんです。寂しいですよ先生。」


「いつも先生方がたくさん工夫してくれて頑張ってくれたおかげです。この学校で本当によかった。私たちの選択は間違ってなかった。先生、ありがとうございました。」


もったいなほどの感謝の言葉を花束と一緒に受け取った。クスッと笑ってしまうような言葉も。私の大切な宝物です。






🌷卒業式から1ヶ月後


とある保護者から一本の電話があった。

教頭に呼ばれる。「たれめさん。〇さんの保護者から電話来てるよ。」

私は考える…「何かやらかした?」「いや、一ヶ月も会ってないし。」「もしかして写真や手紙の送り先か中身を間違えたか?」

いろいろな思いが一瞬で駆け巡ったが、不安を押し殺して受話器を取る。「はい!お電話代わりましたたれめです!」



「先生!うちの子今日就職しました!ちゃんと就職しました!」




『就職するのは知ってるよ。卒業生なんだから。』と思いながらも、とっても嬉しかった。私の不安は嬉し涙に変わっていた。


 人の一生に関わることができた。そしてその喜びを分かち合うことができた。こんなにも素敵で貴重な体験ができるのも、教師という職業ならではなのかもしれない。もちろん感謝されるために仕事をしているわけではないが、子どもたちの成長を喜ばない人はいない。


 今日も明日もこれから先も、笑顔で子どもたちの前でいられるように、自分を奮い立たせていきたい。





あとがき

 多くの人が卒業担任に感謝をして去っていく。私はひとつだけ必ず保護者に伝えることがある。「ここまでお子さんが成長できたのは、私のおかげではありません。この学校で多くの先生が関わり、保護者の皆さんの協力があったからこそです。私はたまたま卒業の年にあたっただけです。どうか、私たち担任だけでなく、これまで関わってくれた先生方にもお別れの言葉をかけていただければ幸いです。」


 卒業担任だけじゃない。多くの先生が様々な場面で尽力してくださったからこその成長であり、卒業である。私たち(卒担)だけ気持ちよく終わっていいわけがない。せめて最後に一言、元担やお世話になった先生へにも挨拶をして、桜咲く校門をくぐっていただけたら嬉しい。



おしまい



🐧たれめより

 最後までお読みいただきありがとうございました。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。これからもみなさんのお役に立てるように勉強していきます。今後もよろしくお願いします🐧


また、遊びに来てくださいね。お待ちしています。


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