エッカ―マン [ゲーテとの対話] を読んで
みなさん、こんにちは。エッカ―マンの「ゲーテとの対話」を読んだ感想を書いていきます。
あらすじです
エッカーマンという詩人がゲーテとの関わりを日記としてまとめたものです。ゲーテは当時のドイツの中で偉大な詩人であり、作家でもありました。この作品が書かれたのは1830年代、日本では江戸時代にあたります。その時代の作家は今でいう、芸能人に近いもので影響力も大きなものでした。
エッカーマンが24歳の頃。ドイツの詩人たちの本を買い漁り、自身のスキルを向上させるため、ひたすら読んでいました。そのとき、たまたま書店で見つけたゲーテの本と出会ったことで彼の運命を大きく変わります。
ゲーテの作品は、他の詩人と違った独特な感受性や自身の哲学性に心が惹かれ、感動を覚えます。そして、彼はゲーテに手紙と自分が書いた詩を2~3個ほど送りました。すると、彼のもとにゲーテから返事が届きます。しかも返事だけではなく、ゲーテの家に招待されるという、思いがけないものでした。
例えるとしたら
作家の村上春樹さんの本を読み、感動して彼に手紙を送ったしましょう。そして数日後に、彼から返事と家への招待が来るようなものです。
後日。エッカーマンはゲーテの家に行きます。初対面にも関わらず、話が合い、ゲーテは彼を気に入るようになります。それから親交を深めるようになり、ゲーテの助手として文学や芸術、人生論など学んでいくようになります。当時のゲーテは70代という高齢で身体も弱っていました。それでも彼は体力が続く限り、執筆に専念します。
「ファウスト」という、戯曲を二部の作成から完成至るまでのエピソードも、この本に書かれています。
エッカーマンはゲーテが亡くなるまで、彼と関わったことや会話を紙に書き留めていくようになります。
感想です
今では、ボイスレコーダーやスマホなどがあるので、記録しやすいご時世です。昔は、そんな便利なものはなく、紙に書いて記録するしか手段はありませんでした。なので、エッカーマンはゲーテのことを残したとなると、相当な時間と労力がかかっていたと思います。年の差も約30歳離れていますが、堅苦しい関係ではなく、親子関係のようなに近いものでした。本書を読んでいると、エッカーマンはゲーテに気軽に相談しているように思えました。そのうえ、技術や知識も申し分ないレベルで信頼できる。微笑ましい関係だなと感じます。
私はゲーテという作家は、3年前まで知らない存在でした。ゲーテを知ったのは、作家の三島由紀夫さんがきっかけです。
当時の私は
そういえば日本で、有名で偉大な小説家は誰なんだろう
と考えていました。小説を書いてみたいと思ったのも、この時期でした。Wikipediaで文学について調べていると、三島由紀夫という名前があったのです。
彼の記事を読んでみると
作家、劇曲、随筆家など様々なジャンルで活躍され、世界でも活躍されていた。
ことを知りました。
やがて私は、彼の影響を受けたものに興味を持ち始めました。
私が古典文学が好きになったのも、おそらくこれがきっかけだと思います。そのとき、ゲーテという作家を知りました。
初めは「若きウェルテルの悩み」という本を読み、独特な文体と世界観に惹かれました。ゲーテという作家にも興味を持つようになり、
どう過ごしていたら、こんな発想やアイデアが思い付くのか。
と思うようになった頃。「ゲーテとの対話」という本に出会いました。
この本は、上中下に分かれており約1200ページありました。しかし、本書は日記形式のようなものでした。
今でいうと、水野敬也さんの「夢をかなえるゾウ」のようなものです。
ガネーシャと主人公の関わりが、エッカーマンとゲーテとよく似ているなあと思い読んでいました。
この本を読むとき、完読を目的として読むのではなく、名言の宝探しをしている感覚で読んでいく方がおすすめです。
風邪などの体調が悪くなったとき、家庭の医学を読む。
料理を作るとき、料理本を開く。
何か分からないことがあれば、辞書やスマホで調べる。
といった感じに、心のモヤモヤ生き方などで悩んでいるときに、使う感覚です。
「ゲゲゲの鬼太郎」の作者の水木しげるさんも、青年時代に「ゲーテとの対話」を読んでおり、第二次世界大戦のとき、御守り代わりに持っていた。というエピソードを聞いたことがあります。
私の「ゲーテとの対話」はこんな感じです。
付箋を貼ったり、蛍光ペンで線を引いたりしています。自分の心のケアみたいな感じで読み返すことがあります。
私がその中で響いたものを載せます。
「だから、私がすすめたいのは、けっして無理をしないことだ。生産的でない日を時間にはいつでも、むしろ雑談をするなり、居眠りでもしていたほうがいいよ。そんなときにものを書いたって、後で、いやな思いをするだけだからね。」
引用
ゲーテとの対話(下)252ページ
エッカーマン 著書 山下 肇 訳 岩波文庫 赤四〇九―三 出版社
どんな仕事もあまり無理をせず、適度な休暇を取る。気持ちや体力を引き締めた後、取り掛かる。といった感じです。仕事や趣味など、頑張っている人に向けられたメッセージのようにも思えます。
最後まで、読んで頂きありがとうございます。
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