2015年3月の記事一覧
010 全裸でよかったのか(フィンランド)
ロシア、サンクトペテルブルグからの夜行バスで、フィンランドの首都ヘルシンキに向かった。
途中、事故を見かける。追い越しをかけようとしたトラックと、対向の乗用車が正面衝突したようだ。乗用車はオープンカーかと思うくらい大破していた。そんな事故を脇に見ながらも、我がバスの運転手は、臆することなくガンガン追い越しをかけている。対向車が来ると恐ろしいし、そうでなくても、道路は真っ暗でカーブしているのかもよ
009 お客が「ありがとう」と言うロシア
モスクワから夜行列車で、サンクトペテルブルグに到着した。
風邪を引いたのか、体調が良くない。しかし、もったいないので散歩に出かける。雰囲気のある建物が多く、風情のある街だ。でも車が多くて騒々しい。
公園はちょうど落ち葉の季節で、母子がきれいな落ち葉を拾い集めていた。
宿で日記を書く。目の前のすべて新しいので、何にフォーカスしていいのかわからない。
* * *
宿にキッチンがあるので、自分
008 モスクワでなるだけ厳しい顔をして歩く
シベリア鉄道でモスクワ駅に到着したのは朝の4時だった。あたりはまだ真っ暗。メトロに乗って移動しようと思っていたけど、まだ駅も開いていないようだ。道端に腰を下ろして、夜が明けるのを待つ。
「今何時か?」
中年の女性が近づいてくる。時刻を教えてあげると何か言う。私を買わないか?と言ってるみたいだ。その女性をかわしたら、また次の女性がやってきた。放っておくと体を触ってきたり、だんだんアプローチがエス
007 シベリア鉄道とクールな女性車掌
逃げるようにイルクーツクを後にして、モスクワ行きの列車に乗った。4日間の列車の旅の始まりだ。イルクーツクまでの列車は3等寝台を使ったのだけど、今回は2等の4人用コンパートメントに乗った。3人組のロシア人が同部屋だ。
と、ドアがノックされ、警官が入ってきた。おもむろにパスポートをチェックされる。イルクーツクでのこともあったし、緊張が走る。パスポートに目をやりながら、警官が何か言う。それに対して、同
006 蜂蜜ガールとロシア停滞
ハバロフスクに長居をしてしまったのは、ある女性に声をかけられたのがきっかけである。顛末はこうだ。
ある日、公園を歩いていると、若い女性に声をかけられた。
いや、正確に言うと、公園を歩いているとき、女性3人組がこっちのほうを見ている気がしたのだ。女性がこっちを見ているなんていうのはたいてい男の思い上がりで、つまりはこっちがそっちを見ているのである。だから、そんなことに一喜一憂するのは小さな男のと
005 イルクーツク逃避行
ハバロフスクからイルクーツク行きの列車に乗る。2泊3日の道のりだ。
シベリア鉄道の寝台車には1等から3等まである。1等と2等はクペーと呼ばれるコンパートメント(個室)型の車両で、3等は部屋の区切りがない開放型の車両だ。1等は高級なので、一般の人は2等か3等を使う。3等は2等のほぼ半額なので、節約のためイルクーツクまでは3等に乗ることにした。
発車してしばらくすると車掌がやってきた。
「追加料
004 ハバロフスクで宿を追われる
今日こそ早起きしようと誓って眠ったが、やっぱり朝寝坊してしまった。寝すぎて罪悪感を感じるのは、どこの国の人でも同じなんだろうか。起きて部屋を片付ける。まだチェックアウトする予定はないけど、気持ちだけはいつでも出発できるように、毎朝荷物を整理することにしている。
昼前に外出する。目覚めはよくなかったが、外は目の覚めるような秋晴れ。ハバロフスクの街は高い建物があまりなく道が広いので、空が大きく感じる
003 アムール川と必要以上に深いスリット
25時発の列車がウラジオストクを出発した。向かいの席にはスキンヘッドの男。発車前からビールを飲んで、すでに酔っ払っている。ちょっと関わりたくないなと思っていたけど、眠りだしたのでよかった。
…と、安心してたら、急に起き上がって、話しかけてきた。サーシャという名前で清掃の仕事をやっているそうだ。27歳。英語はできないので、「指差し会話」を出してコミュニケーションする。
彼は先月結婚したばかりで、
002 ウラジオストクと3匹のハエ
ウラジオストクでは、船で一緒だったバイク乗りのTくんと、ホテルのツインルームをシェアすることにした。ロシア旅行には外国人登録という制度があって、ちゃんとしたホテルに泊まらないとその登録をしてもらえない。1人で泊まると宿泊費が高くつくから、シェアできるのはありがたい。
ひと息ついたあと、Tくんと海のほうへ散歩に出かける。ちょっとしたビーチがあり、そこらじゅうでビールを売っているので、とりあえず昼間