田口佳史(TAGUCHI, Yoshifumi) / 東洋思想研究家

「人生を豊かに、愉快にする『東洋思想』の知見と言葉」  皆様に、新しい時代の生き方をガ…

田口佳史(TAGUCHI, Yoshifumi) / 東洋思想研究家

「人生を豊かに、愉快にする『東洋思想』の知見と言葉」  皆様に、新しい時代の生き方をガイドします!

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最近の記事

「辞(ことば)を以て人を尽くさず」

「礼記」の言葉です。 言葉だけで人を判断してはいけないという意味です。 人間は言葉を持ち、それを口に出して言うことが出来ます。 最近の世の中で特に気になるのは、こうした「口の旨い人」が何と多いか。 実に美しく時には感動するようなことを言いますが、行動が伴(ともな)っていないのです。 演説などを仕事にする人ばかりでなく、一般のごく普通のおじさん、おばさんも、実に「口が旨く」なってきたのにはつくづく感心します。 “オレオレ詐欺”などもその最たるものではないのでしょうか。 〜

    • 「不覚」

      「ふかく」仏教の言葉です。 「不覚にも……」というように使います。 思わず、知らずの言動をいいます。 本来の仏教の言葉の真意は、大分違うようです。 人間はそもそも生まれながらに「覚(さとり)の心」を持って生れて来るのです。 これを「本覚(ほんがく)」といいます。 ところが育つ過程で、私欲などでこれを忘れてしまうのです。 したがって「覚の心」とは、本覚を持って生れて来た本来の自分に気付くこと、 これを「不覚」思わず、知らずに出る本覚という意味なのです。 〜〜〜〜〜〜〜

      • 「民免れて恥無し」

        「たみまぬがれてはじなし」 「論語」の言葉です。 「規則」で組織、人間集団をまとめていこう。 「罰則」で食(は)み出す人を無くしていこうとすると、「民免れて恥無し」多くの人々は規則や罰則を破っても、何とか逃れることを考えうまく免(まぬが)れると、自慢さえするようになる。 それは「恥」を失っていくことになる。 つまり「厚顔無恥」の人間を育成していくことになるといっているのです。 「コンプライアンス憲章」などにばかり頼るのでなく、立派な人間とは何か。 「徳や礼を大切にしてい

        • 「無住処涅槃」

          「むじゅうしょねはん」 仏教の言葉です。 ねはんとは、サンスクリット語のニルヴァーナを音与したものです。 煩悩をすべて消した状態、つまり悟りの境地に入ることを意味しています。 ここで我々が考えるべきは、悟りの境地に入ることを目指すことも良いのですが、 むしろ理想的な暮し、仕事などの在り方を一回しっかり考えてみることであると思います。 いわば、「実生活における涅槃」を思い描くことこそ大切だと思います。 それでないと、どの様な目標に向って毎日生きているのかが判然としなくなりま

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        • 『言葉の本当の意味』
          5本
        • 「東洋思想の役割について」
          11本
        • 【明日への扉】 全25話
          26本
          ¥5,000
        • 【明日への扉】 若手女性社員(5話)
          5本
          ¥1,500
        • 【明日への扉】 男性新入社員(5話)
          5本
          ¥1,500
        • 【明日への扉】 女性キャリア管理職(5話)
          5本
          ¥1,500

        記事

          「行雲流水」

          「こううんりゅうすい」 仏教の言葉で私が一番好きな言葉といえば、これです。 この言葉にはどれだけ助けられたか。 見上げれば、青空に浮かぶ雲がゆっくりと動いて行く。 下を見れば清い水が流れて行く。 何かすべてが流れて行ってしまうような気がして、少々心配なことなどあっても、この言葉を思い出し、この光景を思い浮かべれば必ず心が晴れます。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 叡智を、動画で!学びを、いつでも、どこでも。 『幕末の偉人』

          「君子は人の美を成す。」

          「論語」の言葉です。 立派な人間は、人の長所を見て長所を伸ばすことを心がけるといっています。 更にいえば、なるべく相手の嫌なところを出させない会話の仕方というものがあります。 相手の人を怒らせたり、不愉快にさせれば、それは当然相手の嫌なところを出させることになります。 したがって「礼儀正しい」ということがとても大切なことだということがよく解かります。 こちらが非礼無礼になれば、当然相手もそうなるものです。 ================ 叡智を、動画で!学びを、いつ

          「大欲得清浄」

          「だいよくとくせいせい」 仏典「理趣経」の言葉です。 欲を否定している仏教が、何故欲を説いているのでしょう。 どうせ欲を持つなら大きな欲、「大欲」を持ちましょうといっているのです。 自分だけが幸せになろうとするからいけないので、皆で幸せになろうというならそれは違った意味を持つといっているのです。 いまこそ自分、自国といわないで、皆で、地球全体が安定することを願う時代です。 この時代に最もうってつけの言葉です。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 叡智を、動画で! 学びを、いつで

          「人の己を知らざることを患(うれ)えず。人を知らざることを(うれ)患う。」

          「論語」の言葉です。 とかく自分中心になりがちになり、何で私のことを認めてくれないのか、何で私を評価してくれないのか、など思うものです。 ではあなたは他人のことをしっかりと知っているか。 どういうことが好きで、嫌いなのかなど知っているか、といわれれば、全く返す言葉もないのではありませんか。 何事も自分がまずやって、そして他の人に要求することが必要です。 うまく生きるコツはまず何事も自分からです。 ================ 叡智を、動画で!学びを、いつでも、ど

          「人の己を知らざることを患(うれ)えず。人を知らざることを(うれ)患う。」

          「年年是好年、日日是好日」

          「ねんねんこれこうねん、にちにちこれこうじつ」 私のように80年も生きていれば、愉快な年もありますが、不愉快な年もあります。 一日一日についても全く同様です。 しかし、思い返してみるどの年もどの日も、実に懐かしいものです。 貴重な日々、かけがえのない年々であったと、つくづく思います。 そういう日々、年を与えてくれていることに感謝することが大切です。 「生きてるだけで百点!!」

          【Update】『動画講義』サイト公開致しました!

          「幕末の偉人」 一人ひとりの『偉人たる所以』を詳細に分析し丁寧に解説致しました。 勝海舟・西郷南洲・佐久間象山・横井小楠・渋沢栄一・吉田松陰、「幕末の偉人」一人ひとりの偉人たる所以について、生い立ちからその生き様についての要訣を濃密に凝縮させ、学ぶべき要点について田口佳史が丁寧に解説した動画講義です。   ※無料サンプル(3分)動画は、こちらからご視聴できます。 (本編は、各30分動画です) 「大転換期を切り開いた偉人たち」から学ぶべき要点(ダイジェスト版)https://w

          【Update】『動画講義』サイト公開致しました!

          『動画講義』用のサイトを公開致しました!

          お待たせ致しました!   多くの皆様方のご要望にお応えし    本日(1月31日)10時 『動画講義』用のサイトを公開致しました! これまで多くの「タオ・クラブ」ファンの皆様より、以下の様なご要望を頂戴しておりました。 ・通勤時間に集中して学習できる「30分程度の濃密な動画講義」を作成して戴けないか。 ・スマホ、タブレットでも気軽に視聴できるタオ講義(できれば動画)を企画して欲しい。 ・比較的短時間の動画講義ならば、家事・育児の合間をみつけて柔軟に学べます。 ・反復学習こそ

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          「雪花迷柳緑」

          「せっかまよいてやなぎはみどり」と読みます。 雪の花とは美しいものの代表としています。 木々に美しい花のように雪が降り積もって、まるで花が満開のように輝いているという景観です。 しかし時は真冬のこと。 やはり皆が見たいと待ち望んでいるのは、あの新緑の美しさなのです。 冬の美しさを見て、春の美しさを思い浮かべるという二重に美しい情景を楽しめるのも、心の持ちようだといっているのです。

          2024年 甲辰(きのえ たつ/こうしん)

          きのえは“かぶと”という意味で、堅固な殻を破って芽が少し出たところを表わしている象形文字。堅固な旧体制の殻を破って新体制の芽が少し出たとこ ろを表わしている。新しい体制に対する理解がまだ弱く、旧体制の支持派の方 が多いので、苦戦を強いられるが、「辰」の意義が強まれば、何とか力を得る ことが出来る。 あるべき状況や理想に向って進みだすが、悪戦苦闘する。諦めず、一歩一歩しぼ 努力を重ね全力を振り絞って前進しているうちに光明が見出せることに

          2024年 甲辰(きのえ たつ/こうしん)

          「玄関」

          「げんかん」仏典「碧巌録」にある言葉です。 「玄妙なる道にはいる関門」という意味です。 もともとは寺院を訪れ山門をくぐり、本堂の玄関へと入りますが、 “さぁこれからこれまでになかった全く別の世界へ入りますよ” したがって心をそのように整えて下さいという意味です。 何が出てくるのか、何を感じるのかとドキドキしながら訪れるところが玄関なのです。 何ごとにもこの玄関というものがありますが、その時の心構えとしては、期待と好奇心にあふれていることが大切です。

          「本来無一物」

          「ほんらいむいちもつ」と読みます。 禅の言葉です。 あなたの原点をいっているのです。 あなたは、丸裸で生まれて来たのです。 貯金通帳や部長や社長の名刺をもって生まれて来たのではありません。 全く何も無いところから全ては始まったのです。 そう思って今の自分をよくよく見て下さい。 凄い!といわざるを得ません。 自分の原点「丸裸の赤ん坊」を考えれば、どうしたって自分を肯定せざるを得ません。 たまには自分を褒めてやって下さい。 その調子でこれからも進んで下さい。

          「頂上に行かなければ次の山は見えない」

          学生時代はよく東京近郊の山に登りました。 最初は余り登山好きというわけでもありませんでした。 学校で隣りに座っていた友がやや強引に引っ張ってくれたのです。 ところが頂上に立つと周囲の山の頂上が雲の上に良く見えるのです。 その中でも決まって「登りたくなる頂上」があるものです。 その山が次の目標です。 こうして様々な頂上に登りました。 後年仕事を持つようになると、全く同様なことに気付き、感動したものです。 実力がついて当面の目標(頂上)が達成されると、必ず次の目標(頂上)が見

          「頂上に行かなければ次の山は見えない」