会いたい人に会いに行く
当時 mixi に書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。
=2010.05.28の日記=
「会いたい人に会いに行く」
人と出会うとはどういうことなのか、ここ最近ずっと考えていました。実は思った以上にすごいことなんじゃないかという気がしています。
NHKの大河ドラマ「龍馬伝」で坂本龍馬が日本中を駆け巡り、会いたい人に会いに行く姿勢に感動を覚えました。
歴史は詳しくないのでエラソーには書けませんが、坂本龍馬が勝麟太郎(勝海舟)に出会ったときの衝撃はどれほどのものだったでしょうか。自分の考えたこともないことを考えている人物がいる。そんな人に出会えて、見たこともない世界が広がるのを感じた時、人はどれほどの高揚感を味わうのでしょうか。
そして本屋大賞に選ばれた「天地明察」。江戸時代、改暦に挑んだ主人公が出会う2人のご老人。これがなんとも魅力的な人物たちでした。暦を作るためには全国規模の天体観測が必要。そこで全国行脚の旅に出るのですが、そのリーダーがこのご老人たち。宇宙が大好きで、嬉々として使命を果たし、旅を続ける姿に、最初は乗り気でなかった主人公もだんだん引きこまれていきます。
このご老人の夢がすごい。ここでは書きませんが、あまりのスケールの大きさに、主人公は度肝を抜かれてしまいます。見たこともない世界観の提示。目の前の扉が一気に開かれた感じがしたことでしょう。
「龍馬伝」と「天地明察」のどちらのエピソードも、出会いがキーワードになっています。主人公たちは人と出会うことで、自分の知らない世界が広がっていきました。現代ではなかなかこれほど劇的な出会いはないでしょうが、出会いの本質はここにあるのだと感じています。
本を読むことや、何かを自分で体験することはとても大切なことです。でも人が一生で出来ることには限りがあります。自分の興味のあるものだけ選んでは「深み」は出ても「広がり」はあまり期待できない気がします。
人と出会う面白さは、自分の知らない世界を教えてくれるところです。
いや、自分はそんなすごい人間じゃないから、と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはないです。今まで過ごしてきた歳月があって、それぞれ体験してきたことは違うはず。いわばその人の中には、それだけのものが内包されていることになります。人と出会うということは、それに触れるということです。そこに途方もない可能性を感じます。
いや、そうは言っても人に語れるほどの知識もなければ経験もないという人もいるでしょう。でも本当にそうでしょうか。その人らしさというものがきっとあるはずです。それが人柄なのだと思います。
これまでの年月で積み重ねたものは知識や経験だけではありません。その人の持つ雰囲気は、その人だけのものです。長い間じっくりと育ててきた結果が、人柄というものになるのだと思います。
例えば、いつもほがらかにニコニコと笑う人と出会ったとき、例えば、子どものような好奇心を持ち続けてる人と出会ったとき、私たちは、その人たちから知らぬ間に良い影響を受けるのだと思います。
だから人と出会うのは面白いし、逆に慎重にならざるをえません。
人との出会いは、化学反応のようなもの。近づいてはいけない人も現実にはいます。人を見る目も必要になるかと思います。
私自身は、あの時会っていればよかったとか後悔したくないので、「会いたい人に会いに行く」 というのを基本方針にしたいと思います。ただそれも相手あってのことなので、実現すればの話ですが・・。
これから先 自分にどんな出会いがあり、どんな化学変化が待っているのか。そんなことを考えるとわくわくしてきます。
そして自分も誰かをわくわくさせる化学変化を引き起こすような人間であれたらいいな。そんな風に考えています。
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