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お面を付けたまま商取引はできる?

今年最初に書いたのが下の記事です。

ネットのアカウントのままでリアルを明かさず、ネットで知り合った人たちとモノやオカネのやり取りが出来たらいいなと思って書きました。

そんな未来を夢想した記事です。興味のある方は読んでみてください。

前回の記事を書いたあとも、どうやったらできるのか考え続けていました。

今回の記事では、実際いまどこまで進んでいるのか、そして実現のためのアイデアを書いてみます。

お面をつけたまま商取引はできる?

言い換えるなら「エイリアスで商取引はできるか?」という話になります。

エイリアスとは「別名」「本体とは別のもの」を意味するPC用語です。Windowsならショートカットアイコンをイメージしてもらうと分かりやすいかも。それ自体は本体へのリンク先情報しか持ってないから、ショートカットアイコンを削除しても、本体には何も影響はありません。

話が固くなりそうなので、ここでは「お面」という言葉で話を進めます。仮面だと怪しげなので、縁日のお面を頭に浮かべながら読んでください。

「tao」は私の本名ではありません。ネットでの別名です。つまり「tao」はリアルの私にとって、ネットで活動するための「お面=エイリアス」です。

私はtaoのまま、あなたはあなたのネットIDのまま、気軽にモノやオカネのやり取りがしたい。ネットは危険?リアルは安全?リアルであれネットであれ、成熟した豊かな社会を作れるかは、私たちしだいです。今後はネットでも、個人の信用や信頼がより求められる世の中になっていくでしょう。それを技術がどのように支えていくのか、私はそこに興味があります。

では今どこまで「お面をつけたまま商取引」はできるのでしょうか?
いろいろ調べてみました。

個人間送金 & 配送

「お面をつけたまま商取引する」とは、お互いリアルの名前も住所も振込先も知らずに、モノやオカネのやり取りをするということです。

つまりその状態で送金(オカネ)と配送(モノ)が出来ればいいわけです。

そのとき私はtaoとして、もしくは「tao」と紐づくIDを伝えることで、個人間送金&配送ができれば「お面をつけたまま商取引」は可能になります。

では現状どこまで可能なのでしょうか?

事例1:PayPayを使った個人間送金

・PayPay IDを使えば、そのIDで個人間送金が出来ます。

※このリンクは見てみる価値アリです。特に動画の内容が興味深い。

「送る・受け取る」機能を使うと、PayPay残高を送ることができます。
※他の決済アプリでも同等の機能は存在します。

PayPay残高とはPayPayで使う電子マネーのことです。PayPay残高の送り方はいくつかありますが、そのひとつにPayPay IDを使う方法があります。相手がPayPay IDを設定していれば、PayPay残高を送ることが出来ます。

これはまさにIDを使った個人間送金といえます。ただし・・

【現状の課題点】( 2022.02.11時点 )

1.現金ではなく、PayPay残高であり、当然PayPayでしか使えない

2.PayPay IDは検索手段にのみ使用されるようです。相手にはPayPay IDではなく、自分がPayPayで設定した表示名が表示されてしまう。
※PayPay IDのままで「送る・受け取る」が出来る仕様にしてほしい

3.PayPay IDは一度設定すると変更できない。
※別の人が使ってないID名であれば変更出来る仕様にしてほしい

【要望】
2つ設定出来るようになればいいと思いました。リアルの知り合い用と、SNSでの知り合い用を別々に設定できれば、利用シーンが増えそう。

taoにつながるIDを、リアルの知り合いに伝えるのは抵抗があります。またSNSの知り合いに、リアルにつながる「表示名」を知られるのも困る。

【結論】
現状のPayPay IDはリアルで使うか、SNSで使うか、用途を決めた上で、どちらか一方でしか使えないなと個人的に感じています。
PayPay運営されている方:ぜひカイゼンお願いします

事例2:メルカリの匿名配送

メルカリでは、通常の配送方法だと、発送元発送先の住所氏名の開示が必要ですが、特定の条件を満たせば匿名配送が可能です。

※詳しくはこちらのリンクをご覧ください。

これは匿名での個人間配送といえます。正確には個人間売買です。
※他のフリマアプリでも同等のサービスは存在します。

この匿名配送サービスは、出品者の事前設定が必要であったり、「らくらくメルカリ便」や「ゆうゆうメルカリ便」といった指定の配送方法を利用するなどの条件が必要となります。

そうすることで、出品者と購入者が互いの住所氏名を知ることなく、メルカリと配送業者が住所等のデータを連携し配送することが可能になってます。

【現状の課題点】( 2022.02.11時点 )

・メルカリのすべての配送方法に対応しているわけではない制限が多い

・フリマアプリなので、知り合いなど特定の個人間配送には向いてない

【結論】
メルカリのすべてを匿名配送にするのは難しいと感じました。なぜならメルカリと配送業者間のデータ連携があって初めて実現できるサービスだから。

では別の仕組みがあればいいのでは・・?

氏名と住所があれば、どの配送業者でも届けることができるわけですよね?

デジタルIDの可能性

ここからは私なりのアイデアを書いてみようと思います。

私(Me) と 私のNetID(MyNetID) が・・
あなた(You)と あなたのNetID(YourNetID)が・・
本人であると証明できたらどうでしょうか?

Me=MyNetID
You
=YourNetID

これが社会のインフラとして成立したとき、PayPayやメルカリなど特定のサービスだけでなく、あらゆる場面でリアルと同様の使い勝手で、IDが自分のお面=エイリアスとして機能するのではないかと思います。

私のアイデアは、自分と自分のNetIDを、自分のデジタルIDを介して連携する方法です。これならたぶん可能なはず。

Me=MyデジタルID‥MyNetID
You=YourデジタルID‥YourNetID

◇デジタルIDとは?

デジタルIDという言葉を初めて聞く方も多いのではないでしょうか。
私も最近知りました。デジタルIDとは何か?

デジタルIDはオンラインの世界で本人を特定する身分証明方法の1つです。個人がデジタルのIDを持つことで本人かどうかを一意に識別し、その権利や資格の正当性を確認して、ネットワークへの接続やオンライン上での各種手続きや取引、自身に関するデータへのアクセスや共有などを可能にする取り組みです。ーFinTech Journalより抜粋ー

ネットの世界でリアルの自分を証明するのが、デジタルIDです。

これまでは各サービスごとに発行された個人IDとそれに紐づく個人情報をサービス事業者がそれぞれ保有してました。

例えばPayPayに登録した情報と、メルカリに登録した情報が、同じ人物であることを証明するのは難しいことです。でも個人に紐づく共通デジタルIDがあればどうでしょうか?

個人がデジタルIDを持てば、いろんなことが出来そうな気がしませんか?

世界では各国がすでに取り組みを始めています。そして日本も。

◇マイナンバーカード

実は日本のデジタルIDは「マイナンバー制度」が担っています。マイナンバーカードのデジタルIDとしての活用が今後期待されているようです。

xID(クロスID)社の取り組みも興味深いです。マイナンバーカードの機能をスマホに取り込んで活用しようとしてます。デジタルIDの可能性を感じてワクワクしました。

お面をつけたまま商取引はできる?

産学官民こぞってマイナンバーカードをどう活用するか検討しています。
※詳しくは「マイキープラットフォーム」で検索してみてください。

その一方で私は、個人の利活用がマイナンバーカード普及の推進力になるのではないかと考えています。個人にも利用権限があってもいいのでは?

Me=MyデジタルID、はマイナンバーカードで実現できてます。

MyデジタルID‥NetID、こんな風に紐づけることが出来れば、
※改ざんされないようブロックチェーン技術を活用※

Me=MyデジタルID‥MyNetID、この図式は可能なはず。

相手から見えるのはMyNetID。ふだんのNetID同士で商取引をします。
実際は仕組みの裏側でデジタルIDを使うのがポイントです。

◇ ◇ ◇

自分のデジタルIDを使って、必要なデータを必要なサービス事業者(配送業者や振込先など)と直接連携することで、相手に氏名や住所を教えずとも、商取引は可能になるのではないでしょうか? 

突き詰めれば、私の夢想する未来は、ひとりひとりが個人事業主になる社会です。デジタルIDがその「屋号」の礎となれば面白い。みんなが自分の「屋号」を持って活躍する社会になれば、未来はもっと楽しくなる。そう思いませんか?

そんな未来になることを願って、ここにアイデアの種を書いておきます。


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