名作を読み解き表現する!「文学編」
こんにちは!探究学舎のホッシーです。
現在三鷹校舎で行われている中高生向けのリアル授業の様子をお届けする授業レポート第五弾!
今回は「文学編」の様子をお届けします!
中高生授業は、毎週水曜〜土曜の19時から三鷹校舎で開催中で、2ヶ月で1テーマを扱う形式(1テーマは合計8回で完結)です。
第一弾から第四弾までの授業レポートはこちらのマガジンをご覧ください!
授業のコンセプト
みなさんは普段、文学に触れる機会はありますか?文学とは、あえて簡潔に言うならば、ズバリ「言葉の芸術」です!
小説、物語、俳句など、文学は歴史的価値を持ち、言葉の芸術として今にも受け継がれています。
そうした文学の名作を題材にしながら、「名作を読み解き表現する」ことが、この授業のコンセプト。
名作文学を読み解くだけではなく、実際に自分でも表現する。それによって表現力を磨いたり、表現すること自体が楽しいことだと知ってもらうことがこの授業の狙いです。
そんな文学編第1章のテーマは「神話」です!
第1章「神話」の秘密
神話は、世界各地に存在する神々のお話。
ギリシャ神話、インドの神話、日本の神話など、興味深い神話が世界中に存在し、それぞれの国の文化や風土に大きな影響を与えています。
その他にも例えば、「鬼滅の刃」をはじめとする日本のアニメや、「ゼルダの伝説」を始めとするゲームなど、神話をモチーフにしたエンタメも非常に多いです。
神話は現代に受け継がれるだけでなく、私たちの日常の様々な場面や作品に活かされているのです。
しかし一方で、何千年も昔のお話が、なぜこれほどまでに語り継がれ、現代の様々な分野で活かされているのでしょうか?
それはズバリ!神話の中に、様々な物語に活かせる「人の心を動かす秘密」が隠されているから。では一体、その秘密とは何なのか?神話の秘密を解き明かした偉人であり、第1章の主人公となる人物がこの方です!
彼は研究者として、世界中の神話を比較しながら研究を進めていました。そんなある日のこと。キャンベルは世界中の神話の中に、とある共通の構造があることに気づきます。
では、その共通の構造とは何なのか?それを参加者自身に解き明かしてもらうために行ったアクティビィティが「神話並び替えチャレンジ」です。
内容は、以下の2種類の神話のストーリーを、キャンベルのように実際に分析するというもの。神話の構造の共通点を、生徒自身が導き出せるように設計しています。
では一体、神話にはどのような構造が隠されているのか。それはズバリ以下の8つの構造です!
んんん!?一体全体これは何なのでしょうか。さらにキャンベルは続けます。神話においてもう一つ重要な要素は「登場人物の役割」だ!と。
んんん!?これまた一体全体何なのでしょうか!?主人公や仲間などはイメージしやすいですが、影だの道化だのは何者なのか。
授業では、こうした神話の登場人物について、実際の神話や現代のアニメなどを具体例として挙げながら解説していきます。
そんなキャンベルの最大の発見の一つが、こうした神話における「構造と役割には明確な関係がある」ということ。
そして実は!キャンベルが発見したこの神話の「構造」と「役割」の関係性こそが、様々な物語に活かせる「人の心を動かす秘密」なのです。
こうしたキャンベルの発見を追体験する中で、生徒自身が作品を作る時にも活かせる「物語作りのエッセンス」を身につけるのが第1章の内容です!
第2章以降の内容
第2章以降では、神話以外の様々な文学を扱っていきます。例えば、第2章の題材は「詩」です!
宮沢賢治さん、谷川俊太郎さん、俵万智さんなどなど、日本にも数多くの有名な詩人がいます。そんな第2章のテーマである「詩」について、面白い発言を残している人がいます。その人物がこちら。
万学の祖と呼ばれ、様々な学問に精通した古代ギリシャの偉人、アリストテレスさんです!彼は詩についてこんな言葉を残しています。
みなさんは、大天才アリストテレスが残した、この〇〇に入る言葉が何かわかりますか??
正解は、、
「比喩」です!!
また、彼は「比喩」という表現についてこのような言葉も残しています。
大天才アリストテレスさんが、天才のしるしであるとまで言った「比喩」。でも、比喩は皆さんも日常で自然に使っていますよね?
などなど。比喩は私たちの日常に溢れています。ではなぜアリストテレスは、「比喩をつくることは天才のしるしである」とまで言ったのか。
第2章では、こうした詩に数多く登場する比喩表現について、様々な偉人たちの比喩穴埋めクイズなどを通して探究していきます。
偉人たちの比喩を通して、その表現の奥深さについて学び、自分の表現の引き出しを増やしていくこと。そして、アリストテレスの発言の真意を解き明かしていくこと。これが第2章のテーマです。
授業が終わった時には、比喩は文学において超重要であること。そして長きに渡り、私たちの世界の認識を支えてきた窓であり、時に社会すらも変える力を持っていることがわかるでしょう。
第3章以降では、他にも「漫画とオノマトペ」「短歌」「俳句と松尾芭蕉」などなど、様々な切り口で文学を探究していきます。
特に短歌は、全ての日本文化の基となる存在、「日本文化の母」と呼ばれるほど重要なものです。
毎回の授業毎に、歯応えのある問い、奥深い文学の世界が広がっています。
探究文学賞
文学編の最大の特徴は、最終回の授業で行われる「探究文学賞」です。
全8回の授業で学んだ、短歌、俳句、詩などに関する多様なお題が出されます。そのお題に答える形で生徒は作品を提出し、それぞれの部門ごとのNo1作品を決めるという取り組みです。
前提として、生徒たちの表現したものに優劣をつけたい訳ではなく、あくまでも積極的にアウトプットする動機付けとして行っています。
「名作を読み解き表現する」という「文学編」のコンセプトを体現するための取り組みであり、作品を作る中で、生徒たちが表現する楽しさに気づいてもらえればという想いで実施しています。
この「探究文学賞」では、生徒たちの独創的な作品が次々と出展されました。作品づくりを通してお互いに切磋琢磨し合いながら、文学の奥深さ、表現することの楽しさに気づいてくれたようでとても良かったです。
今回のレポートで紹介した内容は授業のほんの一部ですが、他にも様々な工夫を散りばめた授業となっております!今後もこうした記事を執筆していきますので、ぜひご覧ください!
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