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フグタ社長業務日誌『ギョーザ問題勃発』

このシリーズは2007年9月~2008年9月まで1年にわたる、福田康夫総理の「首相動静」を基にしたフィクション(パロディ)です。※巻5は自2008年2月1日~至2月28日。

フグタ社長業務日誌(巻5-1):2月10日(日)

 2月「如月」である。が、朝、社宅を出て会社に行って、ずっと会議室にこもって、色々お詫びをして、時々来客があって、社宅に帰って寝る・・。この繰り返し、ほぼ永田町ひきこもりである。(というような事情でしばらく日誌が空白でした・秘書注)

 懸案の板金問題とガソリン案件が一息ついた、と思えば、今度はギョーザ・・だ。
 私自身は何の問題もなく、何の関りもないのであるが、色々な厄介ごとが次々に起こる。そのほとんどがマスハゲ君の部署に関係している・・のは、気のせいであろうか。
 何もせず放っておくわけにもいかないので、また一つ「会議」を立ち上げる。(以下、社内発表文の抜粋です。秘書注)

 ・・・輸入食品ひとつとっても、厚生労働部、農林水産部、保安室、都道府県支社など多くの部署が関係しますが、何か問題が起きた時に、迅速に責任を持って対応する仕組みが必要です。
 また、消費者の皆さんが、どこに相談に行けばよいのか、どこから必要な情報が得られるのか、迷う必要のない体制を一日も早く整えることが非常に重要です。
 昨日、本社に「ギョーザ安心会議」を立ち上げました。また、新たに、ギョーザ相談の担当部長を任命しました。今後、消費者の立場に立った弊社冷凍事業はいかにあるべきか、できるだけ早く結論を出し、「消費者を守る」ための強い事業組織を、会社の中につくりあげていく決意です。
 とまあ、いつもの常套手段である。

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注:
2008年1月末に中国製の冷凍ギョーザによる中毒事件が起こった。警察は中国内で毒物が混入された可能性が高いとみて捜査を開始した。しかし(例によって)当初中国側は徹底して否定し、さらに日本に輸入後、流通過程で毒物が混入したとも主張した。こうして真相はうやむやになった。(というのが2008年時点のことである)
2010年になって、中国は容疑者を拘束した。ギョーザ製造会社の元臨時雇いの従業員だった。待遇に不満を募らせ、騒ぎを起こせば会社も何か考えるかもしれないと考えての犯行だったという。
当時は「中国だから・・」とも思われていたが、何のことはない、日本でも「騒ぎを起こせば・・」という理由で事件が起きていることは(例を出すのはやめるが)少なくないのである。
※『フグタ社長業務日誌:ギョーザ問題勃発』は、ブログ『tanpopost』に2008年2月11日 付けで掲載したものです。


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