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一見の価値あり。大阪市中央公会堂

東京に次ぐ大都市「大阪」
大阪といえばいろいろ観光名所がありますよね?
USJ、通天閣、大阪城、道頓堀・・・
ですが皆さん
”息を飲むほどに美しい”建築が大阪にあるのをご存知ですか?
それは中之島にあるシンボルのような建物「大阪市中央公会堂」
今回はその「大阪市中央公会堂」をご紹介します!



それは1人の男の巨額の寄付から始まった

男の名は「岩本栄之助」
明治10年、大阪市の両替商「岩本商店」の次男として生まれ
大阪株式取引所の仲買人として時に多くの北浜の仲買人を大暴落から救ったり
「学問せなあかん」と私財を投じて塾をつくったりと人気のある人でした。

明治42年、彼は「渡米実業団」(おそらく視察団)に参加し
そこでアメリカの富豪たちは財産や遺産を慈善事業や公共事業に投じていることを知り感銘を受け、自分も株式で得た利益を公共のために活かしたいと100万円を大阪市へ寄付しました。
これ今の価値だと数十億円だそうです😳

公園や学校の整備などいろいろな案が出たそうですが
最終的に母親の「誰にでも使ってもらえるものを」という一言でホールに決定。
ですが大正5年、第一次世界大戦の影響による高騰相場で莫大な損失をだし
自宅でピストル自殺。39歳の若さでした。
この中央公会堂が完成したのが大正7年なので
悲しいことに中央公会堂の完成を見ないまま生涯を終えたのです。

泣いてしまうやないか😭
この話を是非とも次回の朝ドラにしていただきたい。


お伝えしたいのはこの「美しさ」であります!

外観

レンガのオレンジと白い花崗岩のコントラストが美しく
装飾もいたるところに施されとても華やかです。

はい、ここで質問です。
この外観とある有名な建物に似ているのですが
さて、その建物とは何でしょう?

正解は「東京駅」
当たりましたか?
実はこの建物は東京駅を設計した辰野金吾と当時一緒に建築事務所を構えていた
片岡安がコンペで採用された岡田信一郎の案を元に設計したので東京駅と似ているのです!

陽の光を受けるとオレンジの色と装飾の影がはっきりしてとてもキレイなので
できたら天気のいい日を狙ってください。
ちなみに正面から見るのは午前中がお勧めです!
午後は逆光なのでツラいよ。

細かなところまで装飾がたっぷり

1F 大集会室

今も使われる約1,000人収容できるホール
開業して翌年にはロシア歌劇団が「アイーダ」を講演したそうです。

2階席の座席が真正面を向いてて、いやこれステージ見るのしんどいやん・・・
と思っていたらどうやら当時は柔道や剣道の試合にも対応できるように設計されていたということで一気に納得。

ステージの上の飾りは舞楽「蘭陵王」の面をモチーフにしたもの。

「蘭陵王」

古代中国北斉の王・長恭は、あまりにも眉目秀麗で、戦士たちがその容姿に見惚れて戦意を喪失したため、王は恐ろしい形相の仮面を着けて戦士たちを叱咤し、戦いを勝利に導いた
という逸話をもとにした舞楽

大阪市中央公会堂パンフレットより

四天王寺では聖霊会と言われる聖徳太子の命日に舞楽を奉納する行事が長く受け継がれている文化があり、そのシンボルとしてこの仮面が飾られたのでは?とのことです。
説明読んだらなるほどと思うけど、知らんかったらちょっと怖い。

復元されたシャンデリアも美しい

3F 中集会室

約500人収容できるホール

パーティーやコンサート、研修会などに使われる中集会室。
なんと天井の高さは約9メートル。
ここからずっと見上げる鑑賞が続くので首に注意です。

シャンデリアは周りを囲むガラスグローブ以外は当時の物

このステンドグラスは四季の花なのかな?と思って説明探したけど何も書いてなかったので多分そうだとしておこう。

南北側には大阪港をイメージさせるステンドグラス
東西の天井には油絵。 こちらは全部で6枚あり全て違う鳥が描かれている。

美術品だらけでもう見応え十分ですが、まだまだこの先にこの建物のクライマックスがあるのです!

特別室

お待たせしました!一番の見どころ3階の特別室です!
思わず息を呑む大聖堂のような神々しい空間は挙式や撮影に利用されています。

鳳凰がデザインされたステンドグラス
約5.000個のガラス片はほぼ当時の物
天井一面に描かれた日本神話の一場面
イザナミとイザナギが国を創るための矛を授かるところ
スサノオノミコトが物資を運ぶ船を作れと命じている日本書紀の一場面
反対側に描かれているのは工神フトダマノミコト

どこを見ても隙のない華美な空間。
「大阪にどこにも負けないホールを」と計画が始まったこともあり
「ここが日本一だ」というような静かなプライドと迫力を感じます。

もしかしたら大阪は派手好きな豊臣秀吉がいたから華美な美意識が根付いてたりするのかな?と思うとこの建物は大阪だからこそなのかもしれない。
知らんけど。

ここまで色々と紹介してきましたが、百聞は一見にしかず。とにかく一度は見てほしい建物です!

Information

大阪市中央公会堂は外観とロビーや一部の部屋は誰でも見ることができますが
今回ご紹介した部屋の見学は自由にできません!
公式のガイドツアーに申し込むか年に一度開催される「生きる建築ミュージアムフェスティバル大阪」というイベントに参加すれば見学できます!
建物の中にはレストランがあって、ランチ付きのガイドツアーも楽しそうですよ!

所在地  大阪市北区中之島1丁目1番27号
公式サイト↓


以上です!

ここまで読んでいただきありがとうございました!
ホントはもっと紹介したいポイントがあるのですが全部ネタバレしたら実際に見た時の感動が減るかなと思って抑えました。
ぜひ一度でいいからご覧ください!

それではまた次の記事でお会いしましょう!それでは👋

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