褐色細胞腫闘病記 第45回「スケール・ゼロ」
目覚めたら、私の口には何かが突っ込まれている。なんだこれは。苦しい。呼吸器か。
おお、ここは新しいICUだな。以前は窓もない薄暗い部屋だったけど、とても明るくて雰囲気もあたたかい。
「三島さん、無事手術終わりましたからねぇ…」
ICUの看護師の甘ったるい声。どこか間延びしたように聞こえる。
口に何か嵌められているので声が出せない。どうでもいいからこれを外してほしいとジェスチャーで必死に伝える。
呼吸器らしき物を外してもらっていると、オポッサム麻酔科医がやってきた。
「三島さ