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建築を生み出す【概念を設計する1】

20代の後半から30代にかけて、「自分が建築をつくる意味」について深く考えた時期があった。

単に言われたことだけをオーダー通りにつくっていてもいいのだろうか?
果たしてそこに“自分がつくる意味”はあるのだろうか?
その答えを導き出すために、当時のぼくは概念的なことばかりに想いを巡らせていた。

アトリエで修業して建築を学んできたわけではない自分自身の背景に対して、どこかコンプレックスのようなものを抱いていたのかもしれない。
建築をつくる上で「コンセプトから設計する」という土台が自分の根底に培われていないのではないかと、自分への疑いもあったのだと思う。

概念をつくり、それに相応しい建築のつくり方を考える。
当時のぼくは「そこに意味がなければ、建物をつくるべきではない」とまで思い込んでいた節さえある。
「建物以前に、概念を設計することが大事だ」とスタッフにも口うるさく言っていた。
先に概念をつくり、後から方法を編み出し、形式へと落とし込んでゆく。
そのようにしてぼくは、概念から設計して建築をつくっていった。

“建築を開く”とは、何だろう?

「建築を開いていく」と表現されることがある。

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