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インスタントラーメンのこと


深夜ロケの翌朝のメシ

昨夜は夜遅くまでドラマの撮影、お仕事でございました。疲れも溜まっておりましたですね。今朝はカミさんが仕事に出かけた後にゆっくり起きまして、さて何を作ろうかと冷蔵庫や台下をゴソゴソ、ありましたねカミさんの隠し持ってたブツが。

食べてはいけないやつ、インスタントラーメンです。笑
しかもお隣韓国の、とても美味しそうなやつでございます。
こいつをタンメンにしてやろうと思いまして豚コマと野菜を炒め、そこにスープを投入でございますよ、水は袋に書いてある分量、これでもって肉と野菜を煮込みまして、別に茹でた麺と合体させたら出来上がりでございます。


麺もね、3分茹でろとか書いてございますでしょ、茹であがってすぐ食べる人ならいいんですが、やれ白メシ盛らなきゃですとかザーサイ切らなきゃ、写真撮らなきゃ、などと食べるまでにはそれなりに時間がかかる場合がございます。

食品業界の方々には大変御無礼かと存じますが、麺はほぐれる程度に茹でて、後はスープの中で成り行きに任せる、これがわたくしなりの知恵というものでございます。


仕事について思うこと


わたくしですね、TVに出るなら知らせてよなどと有難いご声援を頂くんです。
出るったってまだまだヒヨッコみたいなもんですよ、出させていただけるだけ有難いんです。田舎の両親も喜びますし。
だけどあらかじめ教えておいてくれといったって、小っ恥ずかしいという気持ちもございます。

ですので、ご要望に対して生意気にもお応えしておりません。
まだまだ修行中の身ですので尚更控えさせていただいております。
どうぞその辺のところはご理解ください。

そもそもですよ、立派な役者ならこちらから宣伝するまでもないという話でございますよ。笑

頑張りますのでどうぞひとつよろしくお願いいたします。

舞台なら宣伝いたします、じゃんじゃん宣伝いたしますよ、何故ってチケットを売らなきゃいけませんから。
だけどTVは全国に多くのファンの方、待ってらっしゃる方がいます。
わたくしが宣伝したところで、それは告知ではなく自慢になります。
そこのところをどうぞご理解いただいて、どうしても見てやろうと思って下さる方は所属事務所の皆さんがホームページで宣伝してくれてますので、こちらでご確認いただけると幸いでございます。

演劇のこと

告知。
わたくしもさんざんSNSを活用してチケットを売ってまいりましたが、今こうして演劇が出来ない、距離を置いた生活をしておりますと色々と考えるものでございます。

告知してるのか浮かれてるのかわからないものもございますよ。
演劇なんて奇妙なものやりやがってという価値観の方も世の中には多勢いらっしゃいます。
演劇界には社会の気風がわからない輩が多いです、それは当然といやぁ当然で、遊んで暮らしたいから芸事に現を抜かしてるんでございます、社会なんてクソ喰らえという人もいるでしょう。

ですが彼らを擁護させていただきますと、演劇って興奮するんです、実に高揚いたします、特に若いうちは。
人様の前で何か芸をするということはそれぐらい勇気のいること、命懸けの作業でございますよ。

しかも男女が一緒になって命懸けでやる事なんで当然色恋なんてのもあります。
色々と失敗するんですよ。
そうやって格好付けて自分に酔って、気が付きゃいい歳こいたオッサンになってしまった自分自身にゲンナリするんです、いつか彼らも。

本当の芸事の厳しさ素晴らしさはその先にあるかも知れません。そして苦難の30代の終わりには、一座を構えたい、後進を育てたいという次の勘違いの時期が来ます。
わたくしはそうでございました。
自分の蓄積を他人に押し付けるという欲求が生まれるんでございますよ。

この欲求が砕かれた時に初めて自分を、少しだけ知るんでございます。
ここがスタート地点。

演劇の良いところは思いやりの大切さに気付くところじゃないかと、わたくしは思っております。
我を通しているだけなら、それはまだまだということでございましょう。

困難な時期、酔いが覚めてしまった時に人は役者を辞めていきます。
それでも続けていくなら少しばかりの努力を要します。
家族や友人の理解も必要でしょう。
その入口に立つ、高揚と興奮のみで舞台に立っている若者は、きっと昔の自分の姿なんだとわたくしは見つめておりますよ。

これから強烈な不安と苦悩が待っているかも知れません。
歳を取って限られた出番で大仕事を期待されることもあるでしょう。
いつまでも王子様ってわけにはいきません。
高揚したロミオやジュリエットを後ろから見守るだけということもございます。
その旅路の始まりを、わたくしは批判してはいけないんじゃないかと、こう思います。


後日譚

仕事の話はあまり書くつもりはないんですが、一度出したものを修正して載せておきました。

これは自分でも時々読み返してみようかと思うんですよ。
役者というのは職業なんだか生き方なんだかわからない部分があります。
好きで芸をやっている、最近はあまり役者に芸を求められていないような感じもありますが、それでも好きでやっているなら野垂れ死したっていいじゃないか。

こういうことは今の時代、これからの時代にはフィットしないんでしょうが、忘れられていく価値観なら、せめてここに記録として載せさせてくださいよ。

というようなことを四十代半ばのわたくしは申しております。
十年後にこれを読んで何と思うのか。
まだまだ階段は長いですよ、わたくしにとっても。

それではまた。

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