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谷郁雄の詩のノート43

小さな手作りのぬいぐるみをリュックにたくさんぶら下げた女子高生をよく見かけます。お守りなのか、おまじないなのか、ただの友だちなのか、よく分かりません。心の中で笑ってしまいます。女子高生は面白いいきものだと思います。柔らかな心をもって生きているようです。前回お知らせしましたが、インスタもはじめました。ぼちぼち投稿していきますので、ぼちぼちのぞきに来てください。プロフィールのインスタのアイコンから入れます。(詩集「詩を読みたくなる日」他、好評発売中)



「やさしさのリレー」

誰かさんに
もらった
やさしさは

他の
誰かさんに
手渡していく

その
誰かさんも
他の誰かさんに

そうして
やさしさは
世の中を回る

お金よりも
温かい
命のぬくもり



「日向ぼっこ」

人は
いまの中でしか
生きられないけれど
このいまは
あのときとつながっている

しみじみと
そんなことを
思いながら
木のベンチで
日向ぼっこした

帰り道など
どこにもないよ
日は急ぎ足で
昏れていくから

そろそろ
家に帰ろう
いまこのときも
やがてあのときになる



「道」

明日は晴れる
かもしれない

いい出会いがある
かもしれない

長生きできる
かもしれない

夢が叶う
かもしれない

かもしれないので
とりあえず
生きてみる

目の前に
一本の
道があるかぎり
どこかに
行けるだろう

©Ikuo  Tani  2024


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