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谷郁雄の詩のノート17

こいつは、高円寺の駅前で見つけました。とっても大きなフクロウでした。日向ぼっこの最中です。この北口広場は、ちょっと怪しげな人たちがたむろしていたり、喫煙ブースで煙を吐き出す男女がいたり、無料PCR検査に列を作る人たちがいたりと、俗世間の空気感が濃厚に漂う場所。そんな場所で、でっかいフクロウが日向ぼっこする姿はなんともシュールで、ほほえましい景色だったので、すぐにスマホで記念の1枚をパシャリ! あとで調べたら、ワシミミズクという名前の大型のフクロウだと分かりました。また、会えるかなぁ?(最新詩集「詩を読みたくなる日」絶賛発売中) 


「王子様」

遠くの
トム・クルーズより
近くの
恋人を大切に

手の届かない
福山雅治より
手をつなげる
夫にやさしく

熱を出して
寝込んだとき
おでこにそっと
手を当ててくれる人が
あなたが探していた王子様


「恋文」

背のびして
間違った
漢字を
書くくらいなら

知っている
ひらがなで
書けばいい

ぼくは
きみのことが
だいすきです
おおきなめも
ちいさなても
みえないこころも


「エロ本」

してはいけないと
言われたことが
したいのだ

見てはいけないと
言われたものが
見たいのだ

父が
引出しの奥に
隠していた
エロ本から
ぼくの旅は始まった

いけないと
言われたことを
勇気を出して
やってみる旅

©Ikuo  Tani  2022


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