『アローン・シアター』主宰 女優 谷 英美(たに えみ)

『アローン・シアター』主宰 女優 谷 英美(たに えみ) 金子みすゞを描いた一人芝居…

『アローン・シアター』主宰 女優 谷 英美(たに えみ)

『アローン・シアター』主宰 女優 谷 英美(たに えみ) 金子みすゞを描いた一人芝居を、1999年から続けています。他、演目多数。 facebook https://www.facebook.com/emi.tani.10

最近の記事

金子みすゞの伝記執筆、山場に向かう下準備

金子みすゞがデビューした大正12年9月号~廃刊となる大正15年7月号までの『童話』34冊、チェック完了!!! もーーー字が小さくて、目から血が出そう。 『童話』に投稿された詩の選者をしていた西條八十が、みすゞを絶賛。 しかーし、鮮烈なデビューから9か月後に、八十はフランスへ行ってしまうのよ、2年間も!!! 代りの選者・吉江孤雁は、みすゞの作風を好まなくて… みすゞと二個の星と言われたライバルの島田忠夫ばかりをエコひいき(号泣)。 どうもその間に、島田の処女

    • 本の話『しをかくうま』について

      詩と馬への愛に溢れてた。 【理解不能であればあるほどより遠くへ行くための駆動力になります】 金子みすゞを追いかけ続けている私は、この言葉に、首をブンブン縦に振りました! 【だから詩を読まないというのは人生の大きな損失です】 そうです!だから【みす塾】にお入りになりませんか? OLクラスもあるので、全国どこからでもご参加できます。 OLには入門クラスもあります。 講師は金子みすゞの伝記執筆中の私こと谷英美。 余談小屋(?)では、執筆こぼれ話的な金子

      • 北原白秋の詩『片戀』について

        先日の【みすゞ塾】はお休みが多く、出席者2人💦 時間が余るので、余談小屋で、北原白秋の話をしました。 大正10年、18歳のみすゞは、16歳の弟・正祐に、白秋の『片戀』に曲を付けてと頼みました。 金子みすゞの伝記を書くにあたり、当時の表記を知りたくて神西清編『北原白秋詩集』を借りたら… 何と、『片戀』の前に置かれている『新生』という詩の註に、聞き捨てならないことが!!! 白秋は、明治45年に、人妻・俊子との姦通罪で訴えられています。 ってことは、この註にある【壁に画

        • 恐山でのこと

          去年の7月、地獄へ落ちる練習をしに恐山へ行って、宿坊に泊まった。 夜中目が覚めて、部屋に置いてあった南直哉著『刺さる言葉』をめくってみた。 しゃくりあげて一人、泣いた。 この言葉に出会うために、私は呼ばれたのかもしれないと思った。 先日、書評欄で見かけた、こういうお顔の方だったんだ。 それに”なおや”だとばかり思っていたら ”じきさい”と読むのでした。 なんて優しそうなお顔なんだろう。 南先生、ありがとうございました 苦しみが消えたわけではないけれ

          金子みすゞの詩、『ながい夢』と『手品師の掌』の並びについて

          みすゞは日記のように詩を書いたので、遺稿は詩作順に並んでいるとされています。 が、命を絶つ前に3冊の手帳に清書した遺稿は、『美しい町』『空のかあさま』『さみしい王女』と題され、各巻章立てがなされ、立派な3冊組の詩集の体です。 書いた順に並べただけで、果たして【詩集】になるでしょうか? 詩を書いている方なら、お分かりになるでしょう。書いた順に並べても【詩集】にはなりません。【詩集】は編まなければできない。 みすゞの結婚直前、弟から、たくさんの詩の感想を述べた短評の

          金子みすゞの詩、『ながい夢』と『手品師の掌』の並びについて

          金子みすゞの伝記執筆、進捗状況

          フ~~~金子みすゞの伝記、やっと下関に移り住むところまできました。 編集さんに、「序は、全部書けてから書き直すことになると思う」と言われてるので、序を除いて… 400字詰め原稿用紙換算で、213枚。登山なら5合目といったところか。 読み返すのも大変なボリュームになってきました💦 シャッチーとアザラッシーが見守ってくれてます💛 おお~~~何と、去年の今日、ご依頼をいただいたのでした!!! 寝耳に氷水のようなお話で… 興奮しちゃって、黄泉の国から蘇ってきたみすゞが「

          金子みすゞの詩『かたばみ』の舞台はどこ?

          金子みすゞの伝記執筆の取材で、生れ故郷・仙崎の北にある青海島のくじら資料館に電話しました。 確認したかった用件がすんだ後で館長さんが、当地の見解として『かたばみ』という詩について話して下さいました。 みすゞの故郷・仙崎は1周4キロほどの小さな町に、6ヶ寺もあるのですが、どこも平地で【駈けてあがる石段】はありません。 なので館長さんは、この詩の舞台は青海島の東のはずれにある向岸寺だとおっしゃっていました。 たしかに向岸寺には、石段があるし、みすゞの父の菩提寺でもあります

          金子みすゞの詩『かたばみ』の舞台はどこ?

          金子みすゞの詩『祭のあくる日』について

          【みすゞ塾】の余談小屋(?)より、お送りいたします 先日の塾では、朗読テキスト、金子みすゞの詩5編のうちの1つが『祭のあくる日』でした。 みすゞの生れ故郷・山口県長門市仙崎の北にある青海島に”くじら資料館”があって。 鯨墓の墓銘の読み下し文についての確認で、館長さんにお電話しました。 それについては、長くなるのでまた今度。 館長さんは電話で『祭のあくる日』について、この詩の舞台は青海島だとおっしゃるのです。 みすゞの父の実家の裏には山があるからと。 う~~~ん…

          【金子みすゞの伝記】には書けないこぼれ話

          執筆中の伝記は、やっと【第4章 女学校時代】を書き終えたところです。 みすゞが女学校3年だった大正7年、その後の童謡大流行のさきがけとなる『赤い鳥』という月刊誌が、鈴木三重吉により創刊されました。 三重吉は、子どもが生まれたのをきっかけに思い立ったとか。 江戸の流れをくむ、これまでの絵草子のようなものではなく、真の芸術をと。 言ってることは立派だけど、その子どもって、愛人の子なのです。病気の妻がいるのに。 三重吉はDVだったと、下関在住の金子みすゞ研究家・木原豊美さ

          【金子みすゞの伝記】には書けないこぼれ話

          【こんな無責任な執筆者が権威って、どんだけー!】

          矢崎節夫著『金子みすゞの生涯』、マジ酷いわ。 金子みすゞの母の妹・フジの亡くなった年齢と没年が間違ってる。 来週の【OLみすゞ塾】小諸クラスで学習する豆知識の範囲が、ちょうどみすゞの女学校時代で… 私が今執筆している伝記の範囲も、ちょうど女学校時代で… じゃなかったら、気付けなかったと思う。 長いこと間違ったまま教えてきた塾生たちよ、ほんと申し訳ない!!! でもさ、あたしが謝る前に、この執筆者が【お詫びと訂正】するべきなんじゃないの? しかも、間違ってるのココだ

          【こんな無責任な執筆者が権威って、どんだけー!】

          金子みすゞ まさかの新事実!!!

          伝記執筆における取材で先日、生き字引の坂本和磨さんに、書けたところまでの原稿をお渡ししました。 間違いがあってはいけないので。 後日いただいたお電話で、初耳の話が!!! 原稿をチェックしていただいて本当に良かった。 でなければ出てこなかった話です。 綿密な調査を『金子みすゞふたたび』に書いた今野さんも、坂本さんに助けてもらっていましたが… その時には、まだ判ってなかったのかな、『金子みすゞふたたび』には書いてない。 それとも坂本さん、聞かれなかったから言わなかっ

          【金子みすゞの伝記執筆 取材第2弾】

          みすゞが、詩に書いた2つのお祭りの取材に行きます。 7月26日が、生れ故郷・山口県長門市仙崎の祇園祭@八坂神社(サムネイルの詩)。 7月30日が、命を閉じた下関の夏越祭@亀山八幡宮。 仙崎では、詩に書いた女学校までの道を、もっかい歩こうと思ってる。 前の時は、生き字引の坂本さんのガイドで同行者がいたから、歩くことをちゃんと感じることができなかった💦 何でも、一人で、自力でやらないと身にならないですね。 今日は下関でのアポを2つ取って、どう回るかプランしました。

          金子みすゞの詩『ながい夢』について

          一昨日の【みすゞ塾】のテキスト5編のうちの一つが『ながい夢』だった。 5行目の【二つ】は、テキトーな数字ではなく、大きな意味がある。 当時の年齢は数えだった。 ということは、みすゞは生まれた明治36年4月11日に1歳、明治37年のお正月で2歳になる。 みすゞが二つの時、兄はいたが、弟はまだ生まれていなかった。 お母さんを独占できた、あの頃に戻りたいと謳っているのだ。 この詩は、結婚前に創られたことが、弟・正祐の手紙で分かっている。 満22歳にならない女性が、これ

          金子みすゞの生れ故郷・仙崎 取材レポート⑨鯨法会の巻

          今回の取材の1番のミッションは、鯨法会に参列することでした。 みすゞが詩に書いた行事だから。 日本で有数の捕鯨基地だったこの地では、今でも毎年、浄土宗では鯨回向、浄土真宗では鯨法会が営まれている。 みすゞは熱心な真宗の門徒だったと言われている。 その回路が自分の中に開かないと、みすゞの心の奥底に降りてゆけないような気がして… 法要の後の御法話は、思わず涙するほど胸に沁みるものだった。 …と思ったのも束の間、金子みすゞについて「夫が酷い人で詩作と詩友との文通を止めら

          金子みすゞの生れ故郷・仙崎 取材レポート⑨鯨法会の巻

          金子みすゞの生れ故郷・仙崎 取材レポート⑧みすゞのお家の後を継いだ本屋さん

          金子みすゞ記念館の目と鼻の先に、木村聖文堂という本屋さんがありまして。 書店経営に許認可が必要なのかは知りませんが、教科書を扱う権利を継いだという意味だと思います。 記念館に行ったことのある方はお分かりでしょうが、物販コーナーで本を売っています。 記念館で本を売ったら、木村聖文堂さんはどうなるでしょう? そうです、商売あがったりですよね。 私が館長なら、金子文英堂とのご縁を示して「本のご購入は木村聖文堂で」と、サンプルを置くだけにします。 皆さんなら、どうなさいま

          金子みすゞの生れ故郷・仙崎 取材レポート⑧みすゞのお家の後を継いだ本屋さん

          金子みすゞの生れ故郷・仙崎 取材レポート⑦お焼香トリビア

          焼香って、武士のもので、庶民はしなかったそうな。 で、武家には、”家のお香”があったとか。 庶民も葬儀で”焼香”をするようになったが、”家のお香”はない。 焼香台のお香を借りるので、台に”お香”の借り賃を置くようになったのがお香典なのだそうです。 ガイドの坂本和磨さんに、極楽寺で教わりました。 お寺にお邪魔したらまず、ご本尊さんにお参りしますよね。 私もお線香をあげさせていただき、台に借り賃の100円を置いてきました。 極楽寺には、青海島・通(かよい

          金子みすゞの生れ故郷・仙崎 取材レポート⑦お焼香トリビア